専属モデルの限界? 読者や元・モー娘。に助けを求める「CanCam」
先月号でイケメンたちに「Can流」を否定された「CanCam」。その教訓を生かしたのか、大特集「品よく爽やか」を体現しているのか、今月の表紙は超ベーシックなコーディネート。高橋メアリージュン、近藤しづか、舞川あいくという「CanCam」専属モデル三本柱がどーんと表紙を飾っているのに、地味な雰囲気です。今まで「CanCam」が放っていた”かわいいオーラ”や”キラキラ感”はどこへ? 一抹の不安を感じつつ、中身をチェックしていきましょう。
<トピック>
◎「CanCam専属スター読者」オーディション、開催!
◎その後の「REAL GIRL」 美月と巴端季の1か月コーディネート対決
◎私もCan流になりました! Can流4大スタイルにTRY
■「CanCam」親善大使発足!
2011年11月22日発売の11月号で、創刊30周年を迎える「CanCam」。創刊30周年企画・第1弾として「CanCam専属スター読者(仮称)オーディションを開催します!」だそうです。パッとしない専属モデルへのカンフル剤として、大々的な読者モデルオーディションでもやるのか!? と思いきや、「スター読者」とは、「CanCamとCanCam.TVに出演して、CanCamを盛り上げていく選ばれし読者」のことで、読者の枠から外れない単なる盛り上げ要員のようです。応募要項の※印の注釈にも「この募集は専属モデル(中略)社員・契約社員等の募集ではありません。CanCamの誌面・イベントを一緒に盛り上げてくれる一般読者の応募です」と書く念の入れよう。
応募資格の中に「編集部が指定するSNS、ブログ、動画サービス等で日々の情報を発信できる方」「CanCamの撮影・取材やイベント等に積極的に参加できる方」とあります。一般女子大生やOLを誌面に登場させるという「CanCam」が長年使用してきたシステムを、今度は媒体露出にまで使おうとしています。「JJ」(光文社)が”おしゃP”で読者との縦機軸を図る中、「CanCam」は”スター読者”で横並びの関係を強化し始めました。
とはいえ、スター読者に選ばれた暁には、「CanCam」が用意する専用のブログを持つことができたり(予定)、テレビやイベントに出演するCanCam PRアイドルになれたり、「CanCam」が主催するイベントにVIPとして参加できて、有名人になれるチャンスがあったりと、読者のミーハー心をくすぐるポイントがいっぱい。応募してくる人は「CanCam」愛読者ばかりだろうから、SNSやブログで「CanCam」の良いところしか書かないだろうし、世界発信のWEB上で褒めちぎられたら「CanCam」の株も上がるでしょう。これは、読者と作り手の需要と供給がマッチした素晴らしいシステムです。こんな方法取るなんて、さすがOLのバイブル! したたかさでは他誌より一歩ぬきんでています。
■「CanCam」版・ウォーリーを探せ!
ファッション誌の鉄板特集・1カ月コーディネート。他誌でもやり尽くされ、設定で個性を出さねばと意気込んだ結果、「CanCam」がたどり付いたのが、キワモノ特集「私立探偵★舞浜アイク」。しかし、「CanCam」らしからぬ設定だったためか、数カ月前に見て以来、めっきり本誌に登場しなくなりました。そこで編集部が用意したのが、すでに終了した「REAL GIRLS」の復活です。結局、無難なOL話が一番ってことですか。
営業職の美月と事務職の巴端季。当時付き合っていた彼と別れ転職を決意した巴端季、上司から告白され社内恋愛を始めた美月、ぞれぞれが新しい人生を始めたところで前回は終わっています。「ふたりのその後はどうなったのか、1か月コーデで追いかけます!!」とのことですが、1カ月もいりません。その後も何も、美月は上司と順調、巴端季は新しい彼ができて、最後は4人で仲良く食事をしましたとさ。ちゃんちゃん。
そんなことより「CanCam」見ててすごいなーと感心してしまうのは、1カ月コーデで紹介するちっちゃい写真の中に、その号で取り扱っている広告商品や自社製品ををさりげなく登場させること。今回は別ページのタイアップ商品「雪肌精」がさりげな~く登場していました。1カ月コーデに飽きちゃった人は、「ウォーリーを探せ!」みたいな楽しみ方をしてみてはどうでしょう。
■AKB48はだめだったの?
先日行われたAKB48の総選挙。総選挙後もさまざまな雑誌でAKBメンバーが表紙を飾っている中、「CanCam」に投下されたのは、なんと、元・モーニング娘の久住小春です! なんで? あっちゃんのオファーだめだったの?? といらぬ心配をしてしまいました。
で、久住小春なんですが、どう見ても「CanCam」っぽくない顔立ち。アニメの声優や『おはスタ』(テレビ東京系列)に出演しているせいもあって、「CanCam」読者との共通点がまったく見当たりません。本人もそれに気付いているのか、インタビューでは「小学生のときから、6歳年上の姉の影響でいろんなファッション誌を読んでいました」「たくさん読んでいた雑誌の中でも、CanCamがいちばん好きだったので、いつしか”CanCamモデルになりたい!”という思いが芽生えました」と編集部へ「CanCam」好きをアピール。続いて、「モデル経験が少なく至らないことも多い私ですが、その代わり生かせることもあると思います」「モデル出身ではない分、着こなしや考え方など、親近感をもってもらえるといいな」と、読者へのアピールも忘れません。
何かしらのキャンペーンタイアップかと思って何度も何度も読み返しましたが、そんな気配はゼロ。なんのために存在しているのか全くもって謎のページでした。
「CanCam」の”顔”として活躍するモデルが不在で、久しくホットトピックがなかった中、突如舞い降りてきた創刊30周年という報告。「30周年イベントを次々と、やります! 仕掛けます! みなさんを招待します(はーと)」とかなり編集部が意気込んでいますので、30周年記念号に一体何を投下してくれるのか今から楽しみです! ここのところ刺激が少なかった本誌ですが、ウォッチのしがいが出てきました!
(エメラルド真希)
変に期待したら残念なことになっちゃうかな?
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