観光地・箱根に行っても『モヤモヤさまぁ~ず2』が旅番組にならないワケ
ゴールデンへの”昇格”から1年ちょっと。いよいよ本格的な、メジャーな旅ロケ番組への変身の時なんだろうか。
5月29日に放送された『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京系)。訪れた場所は、箱根。番組ナレーター役の音声ソフト「ショウ君」も、「キングオブ観光地ナンダヨネ」と説明していた通り、「モヤモヤ」度の低そうなメジャースポットではある。それを見越してか、最初から “そば禁止”、”温泉禁止”という、メジャーアイテムを封じる「しばり」が設けられてるし。ただし、小雨降る中、三村は、「雨がけっこう本降りになったら、全部解禁にすっから!」と主張していた。
ゴールデン進出以降も基本ラインは変わらなかった番組だけに、ドメジャー観光地でありながらも、ちゃんと『モヤさま』風味を保ちながら番組は進んでいく。例えば名物のそばが食べられないということで選んだ店が、「博多ちゃんぽん」のお店だったり。箱根なのにちゃんぽん、そしてちゃんぽんなのに長崎じゃなくて「博多」というあたりが、ちゃんとモヤモヤしてる。
「モヤモヤSPOT」として、干物屋、あぶらとり紙専門店、寄木細工の工房などをめぐったわけだが、どこ行っても、どこをほじくっても、結局「箱根観光スポット紹介」という王道な感じが出てきちゃうのは仕方ない。しかし、恒例のハワイ編もそうだが、一見モヤモヤ度が低そうでも、さまぁ~ずと大江麻理子アナのコメントやリアクションで、いつもの空気感はある程度出せる。
……じゃあ、結局どこでもいいわけか。3人がそこにいることで、すべての場所はモヤモヤSPOTになるということなのか。今回も、アスレチック系のレジャー施設で、さまぁ~ずと大江アナが装着したハーネスの、股間への食い込みっぷりや、立ち寄った茶屋の土産物売り場で特大ふ菓子を全員で購入したら、大竹のだけ最初から折れていてションボリとか、モヤモヤっぽい笑いの神も、ちゃんと降臨していた。
雨は降り続く。そんな中、三村が切り出した。
「雨降ってること自体がもうモヤモヤしてる」
そんなこじつけで、ロケ冒頭の発言を結び付け、温泉を「解禁」することに。
「通常の旅番組と化していくよね」
と言う大竹に、
「雨降ったらね、通常の旅番組をやります!」
と開き直っちゃう三村。そんなわけで、「テレ東ノ旅コネクションヲ使イマクッテ」(シュウ君)探した温泉は(さすが『いい旅夢気分』のテレ東)、自家用ゴンドラで行く、かつてスティヴィー・ワンダーも訪れたことがあるという有名な老舗旅館。ゴンドラはちょっとモヤってるが、旅館自体はかなりの王道だ。
温泉旅館で野天風呂につかり、さっぱりした後に豪華な食事をいただく。自分たちでも「完全なる旅番組」と言っていたが、このくだりから見ると、確かに「さまぁ~ず風味たっぷりの旅番組」に見えるかもしれない。同じ出演者、同じスタッフによるスピンオフ番組というか。『旅さまぁ~ず』みたいなタイトルが付いてそうな。とはいえ、やっぱり普通の温泉グルメレポートにはなるはずもない。刺し身を食べては、
「なんだか分からないけど、うまいな」
と感想を言ったり、お互いの天ぷらや刺し身を素手でつかんだりして小競り合いになったり。そして、ご飯茶碗を片手に、普通にガツガツ食べる3人。
「そんなガッついて食ってる旅番組、ねえぞ」
とセルフツッコミも入るが、確かにご飯を片手にした温泉グルメレポートはない。おかわりまでする本気食いだし。すっかりメジャー観光地を堪能した三村が、最後にこうまとめた。
「王道の脇道行ったところでさ……見ねえよ!」
ミもフタもない三村の発言に大江アナも、
「今までずっとそれでやってきたのに……」
と、ご飯を食べながらつぶやく。ともあれ、メジャースポットでも『モヤさま』はちゃんと成立しました。時々この顔ぶれでの旅番組があっても楽しいような気もします。ただし、できれば別枠で。
(太田サトル)
『モヤモヤさまぁ~ず2 Vol.12 伝説の日暮里・舎人ライナーSP完全版&華のゴールデンSP花小金井編』
刺身って大抵うまいよね
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