サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー朝ドラ『おひさま』でテンションを上げる斉藤由貴の立ち位置 芸能 [TVツッコミ道場] 朝ドラ『おひさま』でテンションを上げる斉藤由貴の立ち位置 2011/04/28 08:00 TVツッコミ道場井上真央斉藤由貴 『おひさま』公式サイト 今回ツッコませていただくのは、井上真央主演のNHK朝ドラ『おひさま』。長野県・安曇野の景色は美しいし、内容も悪くはない。ただ、何より残念でならないのは、ヒロイン・須藤陽子(井上真央)が齢を重ねて現代版(若尾文子)になって、都内の主婦・房子(斉藤由貴)に自身の半生を語るという設定だ。 子ども時代の話はおとなしくやや地味だったが、成長して女学生になったヒロイン・井上真央。友人たち(満島ひかり、マイコ)が登場してからも、とりたてて何が起こるわけでもなく進んでいく。大きな出来事といえば、千原せいじによる痴漢的エピソード(映画館の暗闇で井上真央の手をサスサス撫でるという変態的行為!)ぐらいだろうか。しかし、若さというのは偉大なもので、若い女の子3人が集ってキャピキャピしているさまは、たとえそこに何の内容もなくとも、ただそれだけでキラキラしていて、華やいだ感じがする。悪くない。にもかかわらず、その都度、水をさすように添えられるのが、陽子晩年(若尾)のナレーション。 すべてのささやかでキラキラした思い出を「あのときは本当に恥ずかしくて、兄を呪い殺して私も死のう、と本気で思ったわ(笑)」「世界の終わりだと思ったわ(笑)」などという大女優・若尾文子のゆっくりのっそりとしたしゃべり、しかも”少女”特有の大げさ表現が、覆い尽くしてしまう。輝きが台無しだ。さらに、視聴者側がなかなか感情移入できないのは、そんな「のっそりした思い出話」に対して、聞き手の主婦役を務める斉藤由貴が盛り上がりすぎ、前のめりに聞きすぎること。 「それでそれで!? 一体どうなったんですか!?(興奮)」 「はぁ~っ(ため息)。あっ! もうこんな時間! 帰らないと!! ちゃんと聞きたいから、続きを1人で思い出さないでくださいね!!」 それほどまでに盛り上がるスリリングな展開、愉快な話はないのだが、「ひょっとしてこれから面白くなるのかも?」と期待しようとしているのに、異様なまでにテンションの高いこの人に全部持ってかれてしまう。 誰か一人異様にテンションが高い人が場にいると、それに反比例するように周囲が冷静になり、テンションが下がり、引いていく……というのは、日常生活でもよくあること。斉藤由貴が見事にその役割を演じてしまっている気がするのだ。 ヘンに凝ったつくりにせず、素直に女学生時代の話からスタートするわけにはいかなかったのだろうか。せっかくの「おひさま」の輝きが隠れてしまうのは、どうにももったいない気がしてならない。 (田幸和歌子) 『同窓会 DVD-BOX』 斉藤由貴が悪いわけじゃないよ? 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます】 ・“エッジ兄さん”といじられ、千原ジュニアが「バラエティー終了」宣言 ・「バカにしないでくださいよ」石橋の悪意あるモノマネに声を荒げた水嶋ヒロ ・女子アナ最高作・平井理央 VS マツコに愛される高橋真麻、それぞれの仕事 最終更新:2011/04/28 08:00 次の記事 「名前負け」「説明不足」、高濃度なソルティースポット・平安神宮を歩いた >