「ズ●ネタにすら使わない」2次元キャラに純潔を捧げる、21歳童貞の清い交際
――幸か不幸か、どんな生き方もアリになったこの時代、ふと気づけばゆるやかに”普通”から転がり落ちている人々がいる。彼らはどうやってこの平成日本を生き抜くつもりなのか。謎多き平成のろくでなしたちのブルースをお届けする。
職業:ゲーム記者
年収:180万円
家族構成:一人暮らし
生息地:東京都・中野区
――まだ21歳なんですか? 一見して30歳すぎに思えるほど、落ち着いてますね。
森山圭介(以下、森山)いつも年上に見られるんですよ~。仕事はそのおかげで便利ですけど。
――ゲーム好きだからゲーム記者になったそうですが、制作者には憧れはなかったのですか?
森山 実は、いとこがゲームを作る側の人間でして、中校生の時に一緒にゲームをやっていたら「この光源処理がね」とか言い初めたので、制作者になるとゲーム好きとして純粋に楽しめないと思って制作者の道はやめました。ほかにゲーム関係の仕事はないかなと探して見つかったのがゲーム記者で、最近なんとか食えるようになりました。
――どんなジャンルのゲームが好きですか?
森山 いわゆる格闘アクション系ですね。『ストリートファイター』シリーズから入りました。最近は主人公が女の子のゲームばかりやってますけど。
――それは、いわゆる二次元の女の子が目当てで?
森山 そうです。二次元は全部がいい! どこも不足がないんです。二次元があれば、現実の女はいなくても問題ないですね。今は『アルカナハート』の「愛乃はぁと」っていう子が好きで……。この子ですよ、待ち受けにしているんです。
――二次元があればいい、ってはっきり言う人は初めてです……。愛乃はぁとの具体的にどこが好きですか?
森山 真面目なんだけどどっか抜けてて、みたいな性格が好き。こんなに好きになったのは初めてで自分でも驚いてます。愛乃のキャラ全部が好きなんです!
――どうやって二次元の女の子を好きになるのかが分からないです。
森山 まず姿から入るので、とりあえず見た目が好きでストーリーを見て、これはすごい俺の好みだってなったらそれでOKじゃないですか。もし現実にこの子がいたら困ります。目の前にいてもどうしていいか分からないし。俺の理想としては隣の部屋に住んでいるくらいの距離感で、たまに挨拶程度の交流があればいいっていう感じです。
――純愛ですね~。昔でいうと『めぞん一刻』の管理人さんと五代くんみたいな感じ? あ、知らないですか、そうですか……。もし愛乃が現実にいたら付き合いたい?
森山 いや~、考えたこともないです。ちょっとは考えたことはありますが……。正直ここ数カ月くらい妄想の中でずっと思い詰めているんですが、付き合うまではないです。今まで、ここまで好きになったキャラがいなかったので今回は特別なんです。
――ちなみに、生身の女の子と付き合ったことはある?
森山 ぶっちゃけ、友達止まりの付き合いだけです。学校でも野郎ばかりとつるんでいて、たまに女の子がいてもほかの野郎どもをけしかけて自分は離れていることが多かったので……。女の子と何を話したらいいか分からないし、根本的な価値観が違うので話しにくい。違いがあるのは当たり前だと思いますが、深い付き合いになりにくい。単に、浮ついた話をするんだったら、ニ次元の話をしたいんで、異様に価値観が合う人が現れない限り無理ですね。
――愛乃を好きになって何カ月くらい経ってます?
森山 4カ月目くらいかな。バレンタインには自分でチョコも買って、彼女にもらったっていう設定で食べました。これまで二次元の女の子には、そんなことはしなかったんですが、今回はチョコを買うくらい好きですね。
――恋愛だったらちょうど盛り上がる時期ですよね。ほかのキャラでハマったことは?
森山 キャラが好きなのとゲーム自体が好きなのは別ものなんです。ここまでキャラにハマったのは今まではなかったですね。恋愛対象になるくらい好きになったのは初めてです。4カ月前から、どうやったらこっちの現実世界に彼女が来れるかと考えているんです。それで、ゲームの中のあっちの世界はこうだから、こういう条件があれば現実に来ていてもおかしくないっていう設定を思いついたんです! そこでやっと、これならこっちで出会えると思えたので妄想がはじまっちゃって……。あっちの世界からこっちの現実に来ても、彼女は生活する所がないので、俺の家に来てもらってもおかしくないじゃん、っていう前提条件がそろったので想像してます。俺は頭の中で設定が出来上がらないと、妄想さえも出来ないタイプなので。
――ゲームのシナリオっぽい感じだね。想像っていうか、その妄想は実際に脳内でどうやってやるの?
森山 考えなくても設定さえ完成していればそのまま動くんですよ。設定さえ出来れば、設定に沿ってカチャカチャって勝手に頭の中で動く。こいつの性格ならこう動くはずだ、と。最終目標は、俺の発言と彼女の発言と応答が脳みその中で自動で出てくるようになることです。そうすれば、この世に存在しているのと同じじゃないですか。
今は妄想設定が行き過ぎて、彼女は求職中なんです。真面目で良い子なので、彼女の性格上、居候するとかタダで住むとか出来ないんです。だから仕事を探しているんですけど、あっちの世界の人なので履歴書が書けない!
――自分の妄想の中でなら何でもできるものですね……。キャラを神聖化してるってこと?
森山 今まで好きになったゲームのキャラに関しては、遠くから見ていたかったんですが今回は、彼女とたわいのない話をしたい。彼女とは親密さの方を取りたいんです。別に神聖化はしていません。妄想の設定が行き着いて、最終的に俺と交際に至るまでは、ズ●ネタにすら使わないように決めているだけです。
――清い交際ですね!!
■今回の迷言:交際に至るまでは、ズ●ネタにすら使わない。
(カシハラ@姐御)
純潔時代を思い出して
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