のりピーの自叙伝を逃した(?)鹿砦社と、のりピー騒動の意外な接点
――『ジャニーズおっかけマップ』『タカラヅカおっかけマップ』や、”松田聖子の愛人ジェフ”による『壊れた愛』など、芸能人の研究本・暴露本など問題作を次々と刊行してきた、鹿砦社・松岡利康社長。”言論の自由”を守るために闘ってきた、社長の壮絶出版人生に迫っちゃうぞ~!
【芸能界薬物問題編】
酒井法子、押尾学、小向美奈子といえば、ここ最近の芸能界”クスリ三銃士”。事件として目立つものは限られてきますが、数十年を振り返ると、薬物中毒で逮捕されては復帰し、を繰り返している芸能関係者は、すさまじい数にのぼります。まさに芸能界は”クスリ天国”。その詳細を、薬物ごとにジャンル分けし、覚せい剤、コカイン、MDMA、アヘン、大麻、などでそれぞれ逮捕歴がある人のエピソードや、その薬物の効能・中毒者の見分け方までを記載してまとめたのが、『のりピーと芸能界クスリ天国』(鹿砦社)です。
「この本は2009年10月発売。のりピー事件がきっかけで出したんだ。のりピー事件がその年の8月だったでしょ。大急ぎで出したんだよ。芸能界は一種の無法地帯だからね。普通の世界と比べて、犯罪を起こしても、復帰が早いし、寛容な面もある。だからこそ、再犯率も高いような気がする。ちゃんとこういう本で暴露して、監視抑制の意味を持たせようと思ってるんだよ」
と話すのは、鹿砦社の社長・松岡利康さん。暴露本を山ほど手がけてきただけに、手慣れたものです。本書では、薬物中毒になった芸能人の写真を、ビフォア、アフターと並べているのですが、その写真がこれまたなかなかに衝撃的。一体どこから見つけてきた写真なのやら……。
「ラリってる写真は、わざわざそういう写真を探して掲載したからね(笑)。こういう本は、意外な人の犯罪歴が分かるよね。せっかく神奈川県名誉県民だったのに、逮捕されたことではく奪されたミッキー吉野とか、美川憲一のような芸能界のご意見番のような立場の人とか。芸能人本人だけじゃなく、有名人の親族も結構いるよね。黒柳徹子の弟も覚せい剤で捕まったことがあって、それも載せてるよ~」
さらに、松岡さんが明かす意外な事実は、鹿砦社とのりピー事件との因果関係。鹿砦社と言えば、過去の本連載でも紹介したように、ジャニーズ事務所との泥沼裁判が有名なわけですが、
「何の因果か知らないけど、あのジャニーズ裁判のときにお願いした弁護士は、のりピー事件を担当したT弁護士と同じ法律事務所に所属しているんだよ。そういう繋がりがあるから、のりピー事件が起こったとき、手紙を送ったんだ。何か事件に関する本を出す場合は、ウチが一枚噛みたいっていう下心のもとに(笑)」
ちなみに、向こうからの返事は?
「返事は来なかったな(苦笑)。一度、電話は来たけど、結局は別の出版社から出ちゃったしな~。そんなに売れてなかったけど。新聞社系のお上品な出版社よりも、暴露本のノウハウがあるウチでやらせてくれたら絶対売れたのに!」
ちなみに、今現在は、押尾事件のまとめ本を作ってるところだそうで、
「押尾も今後どうなることだろうね。一回の逮捕でもう芸能界に戻れなくなる人もいれば、何度捕まっても復帰する人もいる。そういうしぶとい人は、もう持って生まれた、天性のものだよね。まぁ、僕もしぶとさじゃ負けないヨ」
そのしぶとさがある限り、暴露本伝説はまだまだ続きそうです。
(朝井麻由美)
松岡利康(まつおか・としやす)
1951年9月25日生まれ、熊本県出身。同志社大学文学部卒業後、貿易関係の仕事に従事。サラリーマン生活を経て、83年にエスエル出版会を設立、88 年に一時期経営危機に陥っていた鹿砦社を友好的買収、同社社長に就任。05年にパチスロメーカー大手のアルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)を取り上げた『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』、球団スカウトの死に迫った『阪神タイガースの闇』などの出版物について、名誉毀損で神戸地検に逮捕、起訴され、有罪判決を受ける。「ジャニーズ研究会」も開設。
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