次回作に役者生命をかけ、映画監督の青写真を描き始めた織田裕二
先日、大手映画製作配給会社が組織する「一般社団法人 日本映画製作者連盟(以下・映連)から昨年興行収入が10億円を超えた洋画・邦画が発表された。
注目の邦画部門だが、1位はスタジオジブリ作品で7月公開のアニメ映画『借りぐらしのアリエッティ』(92.5億円)、2位は伊藤英明主演の『THE LAST MESSAGE 海猿』(80.4億円)で邦画実写部門で1位に輝いた。そして、3位は公開前からいろんな意味で大々的なPR活動が展開され、「興収100億円超え確実!」と言われていた、あのお方の主演作だった。
「3位に入ったのは、織田裕二主演の『踊る大捜査線THE MOVIE3ヤツらを解放せよ!』で73.1億円だった。03年公開の映画版の前作は、興収173.5億円で実写の歴代邦画興収1位となり、いまだにその記録は破られていない。キャストにも相当力を入れていたので、もっと興収がいくと思ったのだが……」(映画担当記者)
『踊る3』は織田、深津絵里というドラマ版からおなじみのキャストに加え、小栗旬、過去にドラマ・映画版のいずれかに犯人役で出演したSMAPの稲垣吾郎、ナインティナインの岡村隆史、歌手の小泉今日子を投入。織田との確執が伝えられ、「出演しないのでは」と言われていた柳葉敏郎も出演し、まさに”総力戦”で臨んだが『海猿』に惜敗。しかし、『海猿』のヒットは好条件が後押ししたというのだ。
「同作は3Dでの上映があった作品。3Dで鑑賞した客の単価が高く、通常の作品と同じ動員人数でも興収は上回るし、同時期公開のヒット作がなかった。それに対して『踊る3』は『借りぐらし~』、100億円超えで昨年の洋画興収ランキングで3位になった『トイ・ストーリー3』と同時期の公開。集客に苦戦したはず」(映連関係者)
それでも、伊藤の『海猿』に負けたというのはまぎれもない事実だけに、織田の腹の虫は収まらないに違いない。さらに、現在放送されている主演ドラマ『外交官・黒田康作』(フジテレビ系)は低視聴率にあえいでいる。
「昨年公開され、興収36.5億円だった主演映画『アマルフィ 女神の報酬』の続編。映画の勢いを引き継いでの高視聴率が期待されたが、初回の13.3%から11.8%、11.1%と回を重ねるごとに視聴率がダウンし、一ケタも目前。以前のドラマは感情を全面に押し出した織田が魅力的だったが、最近はものまねされるのを意識してか、ニヒルで口数の少ない役にシフトチェンジしたため、ファン離れが加速したのでは」(ドラマ制作関係者)
ところが、ドラマの低視聴率などお構いなしとばかりに、今夏はこのドラマの続編『アンダルシア』の公開が予定され、織田以下のキャストはすでにスペインでのロケに旅立ったのだという。
「スケジュールは『映画に時間をかけたい』という織田の意向で組まれた。だから、多少、ドラマが”手抜き”になってしまって、視聴率がとれなくても仕方ない。最近、織田のかかわる作品は”織田稿”という織田の手直しを加えた台本が存在するほどの”天皇ぶり”だが、スタッフもキャストも誰も意見することができない。『アンダルシア』には役者生命をかけているようだが、監督に挑戦した小栗旬に触発され、『俺も監督がやってみたい』と織田は親しい関係者に語っている。『アンダルシア』の結果次第では監督業に専念することもあるのでは」(織田をよく知る映画関係者)
今でさえ現場では監督以上の権限を持つ織田だけに、監督になったら……戦々恐々とする関係者は多そうだ。
ドラマの方、影武者なんじゃね?
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