サイゾーウーマンコラム愛されていた頃の”旧き良き”紳助がそこにいた……『なんでも鑑定団』潜入 コラム [連載]みかのはらミキ presents ご長寿番組潜入記 愛されていた頃の”旧き良き”紳助がそこにいた……『なんでも鑑定団』潜入 2011/02/10 21:00 みかのはらミキ presents ご長寿番組潜入記みかのはらミキ (C)みかのはらミキ 今回は初のテレビ東京番組、『開運!なんでも鑑定団』を観覧してきた。1994年からほとんど形式を変えずに17年続いているご長寿番組である。90年代にこの番組から「お宝鑑定ブーム」なるものが生まれ、他局で類似番組ができたが、結局生き残っているのは本家『なんでも鑑定団』だけである。時代の波に流されず、じっくりと内容のいい番組を続けているのはテレビ東京ならではだろう。 観覧当日は、テレビ東京天王洲スタジオに集合。予想通り、客層はほぼ全員中高年の男女。50~70代中心、今まで見てきた番組で最も平均年齢が高いと思われる。「こんな高齢では、『スタジオパーク』の時みたいに寝てしまう人もいるんではないだろうか……」などと危惧したが、スタジオで前説が始まると、意外なことにものすごい活気である。吉本の芸人が、時事ネタを織りまぜた前説でお客さんに話しかける。 芸人「東京スカイツリーって、最寄り駅は……」 客「業平橋!」「業平橋!」「押上!」「行ったよ!」「行った!」「行った!」 芸人「完成すると高さは……」 客「634m!」「634m!」「武蔵(634)だから!」 ……などと、少々食い気味に競うように答える反応のよさ。さすがF3層、ワイドショーのメイン視聴者。時事ネタに関してはその辺のOLよりよっぽど詳しいのではないか。いきなり中高年のエネルギーに圧倒された私であるが、これが番組のターゲットに合っているということだろう。この中では若い方である私たちが頑張らなくても、番組は多いに盛り上がりそうな予感。 収録直前に鑑定の先生たちが登場。番組の顔である中島誠之助先生だけは遅れて後から席につく。芸能人ではないのに風格めいたものを漂わせていた。そして司会の島田紳助、石坂浩二、吉田真由子が登場。個人的にはファンである田中大先生(日本美術担当)を見られなかったのは残念! やはり紳助が出てくると、スタジオが色めき立つ。中高年も熱い視線を送っている。この番組での紳助は、スーツスタイルではなくカジュアルスタイルだ。「これって家から出てきたままの服?」みたいなラフさ。あまりにナチュラルなので芸能人オーラや威圧感はあまり感じられなかった。体形も小柄だ。 そして鑑定依頼者の登場の前にお決まりのオープニングトーク。オンエアではものの2、3分だが、実際は15分くらい紳助がひたすら喋っていた。最近の紳助はシミ取りに夢中らしくレーザーで腕や背中のシミを取りまくったという話を熱弁していた。番組後半で64歳にして若々しい男性依頼人が登場した時も、依頼品のことなどより、「60代で日サロってすごいやん!」「どんだけ鍛えてまんねん」と外見をいじり、VTR中も映像を見ずに鑑定の先生方と美容トークに花を咲かせていた。 テレビでこのようなシーンを見ると「紳助の自分語りうざい」と思うが、この現場では紳助におべんちゃらを使い「僕もやりたいです!」という”紳助ファミリー”的な取り巻きがいないので、ただの話好きなおじさんとして見つめることができた。鑑定士も紳助の話かけにほとんど応じず、石坂も必要以上の相槌は打たない。ただ、現在の紳助がどれだけ美容に興味を持っているかということはよーく分かったよ……。メンズエステのCMでも狙っているのではないだろうか。 そして、14年間アシスタントを務める吉田真由子も、当初はその無気力キャラが賛否両論であった。しかし現在は、紳助や石坂浩二に対してもタメ口をかます緊張感のなさ。長年連れ添った夫婦、それをみつめる家族のような空気感だ。おそらくベッキーや野心家の女子アナなど、やる気がありすぎる人では駄目なのだ。ご長寿番組全般に言えるが、司会者にある程度の脱力感がないとこう長くは続かない。自分の興味あることを好きに喋る紳助、番組に重厚感を出す落ち着いた石坂、脱力の吉田。この3人のバランスが絶妙なのかもしれない。 さて、鑑定されるお宝はたまに偽物があると盛り上げるものだが、今回はすべて本物だった。まだ評価額も出ていない状態なのに、紳助や石坂は素手で品をベタベタ触っていた。「おいおい、ものすごい高価なものだったら素手はマズイだろう」とこちらが心配になってしまう。しかも、「チャラララ~♪」という鑑定中のBGMがスタジオでは流れないので、何だか締まりがない時間であった。とはいえ、「オープン・ザ・プライス!」「イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン……」と表示される鑑定額が上がっていくとやはりドキドキする。 紳助に限って言えば、出演しているいくつもの番組の中で、唯一”紳助ファミリー”がいないのが『鑑定団』である。石坂がいるせいもあるが、紳助の尊大さを感じない番組だ。素人いじりも上手いので、安心して楽しく見られる。なんだか、旧き良き時代のみんなに愛されていた紳助を見ているよう。素敵やん。あの頃の紳助は好きだったなぁ……と思い出させてくれる現場であった。 観覧方法:番組公式HPにある観覧応募からエントリー 客層:50~70代、活きのいい中高年メイン 特典:ナシ みかのはらミキ 漫画イラストレーター。1980~90年代好きで、有名人を「やや~最大に美化」して描くのが持ち味。「星ぽえ夢」スタッフとしては雑誌イラストや携帯コンテンツなどでも活動中。芸能愛に溢れるブログも絶賛更新中。 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます】 ・ジャニーズ枠を巡って客も一喜一憂? 『世界まるみえ』に潜入 ・観覧中に寝る客も!? 『スタジオパークからこんにちは』番組潜入 ・ご長寿番組に訪れた激震の瞬間! 『東京フレンドパーク2』潜入レポート 最終更新:2019/05/17 21:09 次の記事 山下智久、ツアー先での夜遊び写真が流出! 思わぬ騒動に…… >