サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー水晶、熊手、盛り塩……「日経ウーマン」読者がスピと現実の狭間で揺れている! カルチャー [女性誌速攻レビュー]「日経ウーマン」2011年2月号 水晶、熊手、盛り塩……「日経ウーマン」読者がスピと現実の狭間で揺れている! 2011/01/12 18:00 女性誌速攻レビュー日経ウーマン 「日経ウーマン」2月号(日経BP社) 東京スカイツリーの如く高い向上心を持ち、アラサーの時点で老後が心配でならない女子のためのライフスタイルマガジン「日経ウーマン」(日経BP社)。今月は付録に「1年間でラクラク♪ 100万円貯まる本」という小冊子が付いています。表紙はなぜか王冠の写真。「貯蓄の多い女子こそキングである」という提示でしょうか。中身を見てみると、「1年間」どころではなく、一生分の貯蓄に関するHOW TOがぎっしり。これで「突然のリストラ」も、「生涯独身」も、「孤独死」もドンと来いです♪ さて、未来が明るくなったところで中身を見ていきましょう。 <トピック> ◎人生を変える! 朝の新☆習慣 ◎開運生活、はじめよう ◎特別付録「1年間でラクラク♪ 100万円貯まる本」 ■小泉今日子の葉山での一人暮らしが露に 大特集は「人生を変える! 朝の新☆習慣」。「早起きをして、朝の時間を活用すれば、日々の充実度がUPする」という、同誌らしい至極ごもっともな内容である反面、ダメ人間にとっては「出来るもんなら、もうやってんよ!」と思わず逆ギレしたくなる耳の痛いテーマ。朝ご飯の大切さを説くのはもちろん、朝っぱらから勉強したり、読書したり、運動したりと超アクティブです。 また、亀梨和也と破局後に湘南の海沿いに移住したと噂される小泉今日子へ、「朝」についてインタビュー。「目覚めてまず目に入るのは、窓一面に広がる海。青空にすっくと立つ富士山に『おはようございます!』と挨拶をしてから、愛猫・小雨と一緒にベッドを出て……」と、まるでCMのような葉山での独身生活が語られております。でも、ゆったりとしたライフスタイルや、元ヤンからアイドルという博打的な人生を考えるにつけても、キョンキョンと「日経ウーマン」の食い合わせが悪いと思ってしまうのですが……いかがでしょう。 ■満月の夜に財布を降る読者たち 第二特集「開運生活、はじめよう」では、働く女性700人に「開運」についてアンケートを実施。現実主義の「日経ウーマン」読者に似つかわしくない程の、スピリチュアルな結果に驚きです。その一部がこちら。 「お守りを持ち歩いている」61.2% 「家の中にお札を飾っている」43.6% 「パワーストーンを持ち歩いている」27.1% 「玄関や家の中に盛り塩をしている」9.8% 「満月の夜にお財布を振っている(30代)」9.5% 10人に1人もの30代女性が、金運UPのために夜な夜なお財布をフリフリしているなんて知りませんでした。また、6名の読者が顔出しで登場する記事「働き女子の開運ライフ大公開!」では、お札、お守り、水晶、熊手、盛り塩、塗香……など自身の開運グッズや、お祈り、浄化、邪気払いといった実際に行っている習慣を紹介。 例えば、良縁結びと同時に悪縁切りの御利益のある神社がお気に入りという女性は、「何か悪いことがあったときはここに行きます。境内にある”縁切り縁結び碑”をくぐって悪縁を切り(略)」と語り、また、腕に恋愛運向上のパワーストーンのブレスレット、首に対人関係向上のアクアマリンのネックレスをつける女性は、「自分のために頑張っている石たちには、”浄化”をして休ませてあげたいと、一日が終わったら水晶の結晶の上に置き、ホワイトセージの煙にあて(略)」と、全員本気。 他にも「太陽系を一兆分の一に縮尺した天体暦」を壁に貼る女性や、「祈願所を氏神様に提出」する女性など、見てはいけないものを見てしまったような感覚に襲われます。そもそもスピリチュアルとは、「先の見えない不安」を取り除く意味合いが大きいもの。「日経ウーマン」の読者のような、貯蓄やキャリアに必死な女子ほど、目に見えない何かに怯え、こういうものにハマりやすい弱さを持っているのかもしれませんね……。 ■特技は「収支を合わせること」! 冒頭でも触れた別冊付録「1年間でラクラク♪ 100万円貯まる本」には、具体的な「貯め上手さん」像なるものが。「ストレス解消法」は「節約したお金でプチ旅行、アウトレット巡り」。「得意なこと」は「料理や小物を手作りすること、収支を合わせること」。「よく現れる場所」は「100円ショップ、閉店間際のスーパーマーケット、図書館」。何だか悲しい気分に……。 更に、日常の節約術を多数紹介。「ガス火が鍋底からはみ出ないようにし、フタをする」「シャワーを1日1分短くする」「テレビをシネマモードに(暗く)する」「ドライヤーの使用時間を1日1分短くする」「冷蔵庫の開閉時間を半分にする」「居酒屋のお通しは断ってみる」「ムダな飲み会とそうでないものとを見極める」といった、つるピカハゲ丸くんも認めそうなセコさですが、これも明るい老後のためです! 他にも、同誌ではすっかりお馴染みの「年金額の計算法」や、「生涯貯蓄計画」など、マネー特集の集大成とも言える内容となってますので、ナイフのように突き刺さる現実に耐えられる方は、熟読してみてはいかがでしょうか。 「貯蓄」と「スピリチュアル」が同時に取り上げられたことで、更に読者像が見えたような気がした今月号。強さと弱さを併せ持った女性が一生懸命に生きる群像は、とても美しいと思います。しかし、生真面目な「日経ウーマン」がスピリチュアル特集を作ると、こんなに怖いものが出来るとは……。さて、最後に「日経ウーマン」で先月号からスタートした連載「47都道府県初!! アラサー女子のリアルライフ」。ナビゲーターとして登場する女の子のキャラクター名が、「ウーマン子」から「WOMANちゃん」にサラリと変更されていたことにホッと胸を撫で下ろしつつ、レビューを締めさせて頂きます。 (林タモツ) 「日経ウーマン」 日経ウーマン信者にマネジャーになってほしいです。 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・ニート以外は受賞可能! 「日経ウーマン」のベスト・ビジネスウーマン像 ・役立たずの人間は捨てろ……「日経ウーマン」が人間関係を断捨離 ・「結婚しないかもしれない」独女症候群の”不安”のお値段に「日経ウーマン」が迫る! 最終更新:2011/01/12 18:00 次の記事 山下智久の妹、山下莉奈が議員事務所をまた退職! >