カニ蔵だったら大丈夫!? 香取慎吾が扮する放送ギリギリの海老蔵コント
大丈夫なのか!? 放送はされるのか? 一番気になるのは、そこだった。
『香取慎吾&市川カニ蔵さすがッスね! in USA クーザの旅』(11月28日放送、フジテレビ系)、番組表には記載されているが、果たして放送されるのかどうか。勝手に心配していた。内容は、「香取慎吾がスマスマの人気キャラクター・カニ蔵とともに緊急渡米!! 世界最高のエンタテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユの最新サーカス”クーザ”の魅力に迫る」(フジテレビHPより)というもの。シルク・ドゥ・ソレイユの新作『クーザ』のイメージソングをSMAPが歌うということで、日本公演に先駆けて香取慎吾(と香取扮するカニ蔵)がアメリカまで行ってナビゲートする、そんな番組だ。
ちなみにそのイメージソングのタイトルが「We are SMAP!」というらしい。シルク・ドゥ・ソレイユのイメージソングが、どうして”私たちはスマップです”なのかは全然分からないが。で、問題は「カニ蔵」だ。なにしろ25日に起こった市川海老蔵暴行事件の直後である。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で香取が扮している「市川カニ蔵」は、言うまでもなく市川海老蔵を下敷きにしたキャラクター。胸元はだけて丸刈りのカツラ、海老蔵の奔放フェロモンぶりのデフォルメが秀逸で、近年ではぶっちぎりに面白いコントだと思うのだが、今回の暴行事件はその奔放が招いたトラブルという可能性も高いことから、カニ蔵は「不謹慎」という判断も十分ある。配慮によって番組差し替えもしくはカニ蔵出演シーンを編集でカットしたりするのだろうか。しかし。
普通に番組は始まった。そして、
「今回、香取と旅を共にするのは、この男」
と、カットも差し替えもなく、市川カニ蔵は普通に紹介された。「別人」なので全く問題なし、ということなんだろうか。「この番組は○月○日に収録されました」的なテロップも入れる必要ない、「カニ蔵」だから。もっとも、フジテレビはシルク・ドゥ・ソレイユの主催企業のひとつだし、東京公演のチケット予約のインフォメーションを流さないといけないなど、簡単にお蔵入りにはできない事情もあるのかもしれない。
さてカニ蔵は、「日本の伝統文化・歌舞伎の海外進出を果たすべく、ここラスベガスの地へ」と、なぜか自転車に乗って登場した。3時間の大遅刻ということになっていたが、奔放なカニ蔵だから悪びれもしない。同行者の香取について、
「香取くんね! Hey! Say! JUMPの」
と、失礼な勘違いをしても大丈夫。カニ蔵だから。番組の構成的には慎吾がシルク・ドゥ・ソレイユの作品の見所や秘密に迫るパートを担当し、カニ蔵がグルメや観光スポットの担当になっていて、「二人旅」的な番組であるものの、合成で一緒に映るような演出はとくにない。ともあれ、
「アメリカさすがッスね!」
「この規模は神楽坂にはないわ!」
「マオ~~~」
などなど、カニ蔵のキャラクターはアメリカでも健在だ。ただし、慣れないカジノでテンパってるときのみ、ところどころキャラが崩壊、カニ蔵じゃなく香取慎吾になってた場面もあった。同じく秀逸な海老蔵キャラでの「歌舞伎あるある」ネタが、じんわりと面白いレイザーラモンRGも、しばらくネタを自粛するそうだが、おそらくカニ蔵もこれで見納め。しばらく封印になることと思う。
そして、仮に海老蔵が無事復帰しても、もうこんな感じの笑いは作れないだろう。そこが残念だ。いろんな意味で、惜しい人材を失った。さらば、カニ蔵さん。
(太田サトル)
『We are SMAP! 2010 CONCERT DVD(ライブDVD) 』
レイザーラモンRGのが残念
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