サイゾーウーマンカルチャーファッション界に異変? ギャルブランドがファッションウィーク参戦! カルチャー JFWレポート ファッション界に異変? ギャルブランドがファッションウィーク参戦! 2010/10/27 12:00 カルチャー ニコニコ動画とのコラボもユーザーからの反応は薄い? モードの祭典「ジャパンファッションウィーク」(以下JFW)が現在東京ミッドタウンなどで開催中です。中でも18日からの一週間「東京コレクション・ウィーク」はミラノ・パリ・ロンドン・ニューヨーク世界4大コレクションと並ぶ世界的にも重要なコレクションです。 以前は海外で注目される日本発のファッションといえば、コムデギャルソンやヨウジヤマモトなどでしたが、現在ではロリータファッションやギャルファッションといったストリート発祥のものに取って代わられた感があります。 また、観光庁長官が直々にステージに登場し、観光資源としての重要性をアピールしたリアルクローズの祭典「東京ガールズコレクション(以下、TGC)」とは対照的に、モードの殿堂であるJFWは事業仕分けにより補助金をカットされたり、ニコニコ動画とコラボを始めたりと、迷走が目立ちます。そして、それ以上に衝撃的だったのが、LIZLISA(リズリサ)とVANQUISH(ヴァンキッシュ)という2ブランドがコレクション参加を発表したことでした。 LIZLISAは姫ギャル系ブランド。ギャルの間でも安定した人気があり、結婚前の益若つばさも愛用していたことでも有名です。VANQUISHは109-2などに店舗を構えるお兄系ブランド。デザイナーの石川涼氏は元「men’s egg」(大洋図書)のモデル。つまり、両ブランドは生え抜きの109ブランドというわけです。 109ブランドは2000年代に入ってのギャルブームや東京ガールズコレクションのヒット、くわえてパリス・ヒルトンら海外セレブたちが109ブランドを愛用しているという報道が追い風となり、いまや日本のファッションを代表する場所になっています。この109パワーに最近落ち目の東京コレクションもあやかりたいという気持ちも分からなくはないのですが、ファッション関係者からは「安価なギャルブランドが伝統あるコレクションに参加するなんて! TGCと一緒にしないでほしい」「新しい風が入るのは歓迎すべきこと」など、賛否両論が飛び交い、両ブランドのコレクション当日も一般客のギャルやギャル男(※ほぼ全員茶髪)に加えて国内外のファッション関係者がごった返しており、その注目度の高さが伺えました。 18日に発表されたLIZLISAのショーの半分はルームウェア(部屋着)という構成。たしかにギャルの間でルームウェアは流行っているけれど、海外の記者も多数集まるコレクションで発表すること……? という疑問も浮かびます。また、プレス向けのショーとは別にLIZLISAガールズ(ショップ店員)オーディションも開催されていたのですが、司会はお笑い芸人のパンクブーブー、出てくるのは茶髪の今時ギャルばかり。どうみてもTGCノリそのままです。業界紙「繊研新聞」も「(TGCのように)歓声があれば、可愛らしい洋服ももっと可愛く見えたことだろう」とチクリ。 一方のVANQUISHは、コレクション発表前からデザイナー石川氏と裏原ファッションのカリスマ・藤原ヒロシの対談を業界誌「WWD」(INFASパブリケーションズ)に掲載するなど、既存のファッション業界への目配せを忘れていません。ステージも綾小路翔らの有名人を起用してはいますが、「青い鳥(幸せは身近なところにある=良いファッションは身近なところにある)」という一貫したコンセプトのショーを見せました。このショーのために有名ブランドRoenからスタッフを引き抜いたという噂もあり、ファッション関係者の間でも「ギャル男のブランドという先入観もあったが、見直した」という声も上がっていました。 フタを開けてみると同じ109のギャル・ギャル男ブランドでも評価がまっぷたつに別れた感がありますが、どちらのブランドも話題性では今期の東京コレクション・ウィークでもトップクラスです。かつて109ブランドといえば海外ブランドの安易な模倣が目立ち、「安かろう悪かろう」「粗悪品の代名詞」と呼ばれていましたが、今やモードの祭典ですら無視できない存在になりつつあるのかもしれません。 (清田春美) 『LOVEフォト Dress up in JFW』 JFW関連の雑誌でごわす 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます】 ・しまむら、悪羅悪羅が日本を侵食! 忍び寄るギャル男ファッションの影 ・女子カルチャーの衰退か躍進か? 東京ガールズコレクションが示す現在地 ・読者モデルと客席でカルチャーを作る原宿スタイルコレクション 最終更新:2013/04/04 00:43 次の記事 9億円の借金を追う? 『浅見光彦シリーズ』に続く中村俊介の新境地 >