「あと2時間遅ければ死んでた」エミネムがイジメと薬物中毒を赤裸々に告白
世界一売れているラッパーとも言われ、音楽業界に強い影響力を持つエミネムが、40年以上続く老舗ドキュメンタリー番組『60 Minutes』に出演。子どもの頃にイジメを受けていたこと、家では良き父親であること、薬物依存症で過剰摂取して死にかけたことなどを赤裸々に告白し、大きな話題を呼んでいる。
インタビューを担当したのは、米マスコミ業界メインストリームにおいて唯一のゲイ・アンカーだといわれるアンダーソン・クーパー。頭の回転が速いアンダーソンの切れのある質問を次から次へと受けたエミネムは、生活保護を受けていたアル中の母親に女手一つで育てられた幼少時代について聞かれ、「1年に2、3回は引越ししなくちゃいけなくて。その度に転校していたからね。新入り、ってことで学校の廊下やトイレでリンチされたものさ。(鞄や教科書を入れる)ロッカーに押し込められたこともある」と告白。
「自分を表現できるようになったのは、10代になりラップに出会ってから」と語るエミネムは、地元のラップ選手権で頭角を現すようになり、「俺はモテないし、服も安物だけど、リリックを書くことにかけては負けない」と自信をつけたとのこと。「これで人から少しは尊敬してもらえるかもしれない、って思った」と語った。
アンダーソンは、「言葉を音楽に乗せて、物語を作っていくエミネムのリリック制作の才能は素晴らしい」と褒めながらも、「中学校3年(アメリカの9年生)を3回も落第し、結局それ以上進学できなかったのにねぇ」と突っ込みを入れ、「勉強は嫌いだし、成績も悪かったけど、俺は英語は常に得意だったんだ!」とエミネムを一瞬ムッとさせていた。
言葉を曲げてリリックに取り入れることが得意というエミネムは、頭に浮かんだ「これは使える」と思った言葉や文章をメモに書き留め、全てストックしていると話し、大きな箱を取り出した。アンダーソンは、箱の中から小さいメモを取り出し、「こんな殴り書きした文字を、どうやって読むんだい?」と質問。「読めるさ」とメモを受け取ったエミネムだったが、「……」と言葉を濁していた。アンダーソンは続けて、「狂人と似たような傾向がありますね。書くときは全て大文字、小文字を並べて」と指摘し、エミネムは「まぁ、俺もクレージーだしな」と今度は上手くかわしていた。
女性やゲイを汚い言葉で罵るリリックが多いと、市民団体から抗議されていることについて触れられると「俺を攻撃するのは、白人だからなのかって思うね。一種の人種差別だよ。だって、ほかの黒人ラッパーだって同じこと言っているのに、誰も何も問題視しないんだぜ」と身振り手振りで主張。
しかし、アンダーソンは冷静に「でも、あなたのリリックには、『ビッチ、死ね!』『頭にナイフを突き立ててやる!』『ファグ(ゲイ)やレズビアンが嫌いかって? 当たり前だろっ!』とか、ありますけど?」と質問。エミネムは「俺が出てきた頃には、ファグって言葉が流行ってたんだよ」と少々苦しい弁解をし、アンダーソンからの「ゲイは嫌いじゃない?」との問いには、「別に。何の問題もないさ」と返していた。
続けて、「あなたの歌を聞いた子どもたちが真似して、ビッチとかファックという言葉を使うと言われていますが、責任を感じますか?」と聞かれると、うんざりした表情で「あのさ、それはその子どもたちの親の責任じゃないの? 親が(曲を聞かせるべきか、どうか)判断すべきでしょ。俺だって娘がいるけど、家でビッチ、ビッチなんて言ってないさ。汚い言葉を使うことは、我が家では禁止しているし」と、何から何まで責任を負われるのはたまらないとため息をついた。
薬物依存症であったエミネムは、デビューしてから2005年に活動休止するまで、ライブ中は常にハイだったと認めてており、07年12月には鎮痛剤を過剰摂取し、自宅の風呂場で意識不明になったことも告白。「本当に死にかけたの?」「どれくらい、死に近かったと思う?」というアンダーソンの問いに、「医者は発見されるのがあと2時間遅れてたら死んでいたと言ってた」と深刻な面持ちで回答。なぜか反応の薄いアンダーソンに対して、「ほら、肝臓とか内臓とか全ての機能が停止するってことだよ。あと2時間遅かったら、そうなってたんだ」と説明していた。
薬物依存症を克服し、ダイエットにも成功し、奇跡の復活を遂げたエミネム。ジャーナリストとして名高いアンダーソン・クーパーの鋭い突っ込みに声を荒げることなく、きちんとした言葉で受け答えしたことで、彼を敬遠してきた世代の好感度もかなり上がるのではないかと見られている。
ハードコアなイメージが強いエミネムが、暗い過去を告白し、家では良識ある父親だと告白したことで、今後マイルド路線に転向するのかどうか。当分目が離せそうにない。
イジメ、カッコ悪い
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