癒し系「ほっこり」番組、一番盛り上がったのは、あの女優の経歴!?
今回ツッコませていただくのは、8月20日深夜放送の『全種類。(ぜんぶ)』(TBS系)枠で放送された、「マジほっこりんぐ #2」という番組。「日本一のほんわか番組」と銘打ち、「ほっこりする」VTRを流し、それを見た出演者があれこれコメントを述べる番組だが、『全種類。』本来の「いろんなモノの全種類をお見せする番組」(番組HPより)の全部感はない。
この癒し系の言葉として使われる「ほっこり」、本来的な意味は、辞書によると温度的に「あたたかなさま」、それから「ふかし芋」、「もてあまして疲れたさま」とあり、近年よく使われているニュアンスとは少し違う。「ほっこりするね~」って言っとけばイイみたいな、便利言葉のようでそれを前面に押し出す感じが安直。うまく「ほっこりんぐ」という言い方が流行れば番組的には言うことないだろうし。
出演者は、藤本美貴、フットボールアワー岩尾望、南海キャンディーズ山里亮太、スピードワゴン井戸田潤、最近またテレビで見かけるようになった加藤紀子、作家の新堂冬樹という顔ぶれ。ちょっと笑えるゆるキャラ系アニメや、感動的な曲を紹介したりするのだが、これらで「ほっこり」してもらいたいのか、笑える方向に持っていきたいのか、そこもまだ着地点が定まっていないようだった。感動的な曲を流している途中に、涙ぐむ岩尾や山里の顔のアップって、笑わせようとしているとしか思えない。
さらに、実際に会ってテンションが上がった有名人を尋ねられた新堂冬樹の、「クラッシャー・バンバン・ビガロ」(プロレスラー)という、絶妙すぎるチョイスや、VTRのフリを「おかわりほっこり」と言おうとしたところ、「おかわりもっこ……」と言ってしまうなど、結局のところほっこりさせたい部分以外のところが面白くなってしまっている。
番組が一番盛り上がったのが、「イチローと女子高生が接触」というVTRのとき。内容は、フライを取りに行ったイチローが、勢いあまってスタンドにいた女の子と接触、イチローの大ファンの彼女が大興奮する様を収めた映像。この「イチロー」の名前から、「富永一朗」→「お笑いマンガ道場」→「だん吉なお美のおまけコーナー」→「川島なお美のプロフィールから『お笑いマンガ道場』は削除されている」と、本題そっちのけでものすごくいいテンポで脱線していく。そして、「最近、プロフィールに『お笑いマンガ道場』が復活したらしい!」という、最新情報が伝えられたときの出演者の盛り上がり。「すごい、ほっこりんぐ!」とか言ってたが、「ほっこり」はしてないだろう、みんな。
エンディングに、森進一がカヴァーした尾崎豊の「I LOVE YOU」を流すセンスは素敵だが、これも「ほっこり」よりも笑いの比重のほうが大きい。しかも、曲に合わせて3回も岩尾の顔写真のアップをカットインさせ、さらに笑いを増幅させてくる。森進一のヴォイスで尾崎、さらに岩尾の顔。結局、「ほっこり」を軽くばかにしてるのだろうか。
それはそれで、面白い番組になっていくのかな、と思ってたら、次週予告に映っていたのは、次長課長の河本準一に野生爆弾、JOYなど、総とっかえの顔ぶれ。出演者も、いろいろ試して当たりを探しながら、「次」に繋げるという、大胆なお試し方式が導入されているよう。別の顔ぶれでも、今回のような不思議な面白さが出るのかどうか。どの回が当たるのか、それとなく楽しみにしています。
(太田サトル)
これだから進一は目が離せないのよ
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