サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「an・an」が解明した”モテ期”発生理論に、「ちょっと待った!」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「an・an」6月2日号 「an・an」が解明した”モテ期”発生理論に、「ちょっと待った!」 2010/05/26 23:50 女性誌速攻レビューan・an 「an・an」(マガジンハウス)6月2日号 今週の「an・an」は、「くびれを手に入れる!」特集。そして小特集は「女のモテ期って!?」というラインナップ。夏に向けてのシェイプアップ企画というのは、女性誌では鉄板のネタですが、「an・an」はどう調理してくれるのでしょうか、期待に胸が躍ります。内容はこちら。 <トピックス> ◎石原さとみの理想ボディの作り方 ◎”本当に効く”ヒットコスメは? ◎女のモテ期大研究! ■トレーシー・アンダーソン推しも早一年……。 くびれ美人として、石原さとみと平子理沙、モデルの松島花がグラビアで登場。お三方の見事な美ウエストぶりに、憧れるどころか感嘆のため息しか出てきません。その後は、さまざまなエクササイズ方法や矯正下着、ダイエット食品の紹介とありきたりの企画が連発。一つ一つのネタが弱いから、数で勝負! という姿勢が伺えます。また、エクササイズのページは10年以上前から変わらない、V字バランスなど超基本系ポーズばかりが並び、情報がアップデートされていない感がひしひしと……。その更新されてなさは、トレーシー・アンダーソンの登場で極地へ。昨年5月に同社より刊行された「ザ・トレーシー・メソッド DVD&BOOK」を監修したトレーシーを、一年経ったいまも堂々と引っ張り出して来る「an・an」。大丈夫でしょうか。露出が増えるごとに「本当は『トレーシーメソッド』売れてないんだ」と不安だけが積み上がっていきます。 ■聞き飽きたモテ論にアクビ連発! 「アタシ、いまマジモテ期だから」って友だちが言うたびに、興味津々で話を聞いていたもんですが、その「モテ期」の実態を解き明かそうという特集。「an・an」によるとその発生要因は4つあるとのこと。 ・わけもなくポジティブな気持ちのとき →ニコニコ明るい子は素直でイイ子と男が想像する。 ・入社や天職、環境が変化したとき →環境に慣れることに必死で男にガッツいていない。人に世話になることが多く、世話する側も好意を抱きやすい。 ・付き合い始めた直後や、好きな人ができたとき →他人のものになると男は狙いたくなる。好きな人ができるとポジティブになり魅力的。 ・付き合う友だちが変わったり、友だちが増えたとき →自分のことを友だちが周囲に売り込み、連れ出してくれることで出会いが増え、モテ期へ突入。 思わず、「内容うすっ!」と突っ込むほど既出のネタですが「ここは、我慢だべ」(『女帝 薫子』より)とページをめくると、モテ期体験済み女子による座談会が。一カ月で10人に告白された、2週間で4人に告白された、とモテ期トークに花を咲かせていますが、言ってることが上記4カ条と全く同じ。ひょっとして裏付けのための対談? なんて思ってしまいました。 さらに、男による「女子のモテ期」座談会では「社会人3年目の女の子に惹かれる」「(ミニスカートや胸元が開いてると)『ヤレるかも?』って言い寄っちゃう」なんてキャバクラトーク的な発言を、後生大事そうに太字で強調。セックス特集が得意の「an・an」は最近、「女の子もエッチな感じが好きなんでしょ?」というニュアンスを所々に匂わせてきますが、”あけっぴろげ”と”オヤジ臭”の違いにもっと鼻を効かせた方がいいかと……。 今号の「an・an」は、内容の古さが目立ちます。1990年代であれば、価値ある情報だったと思いますが、2010年にこれはキツイ。現代っぽいのはタレントだけ。時代を作る「an・an」が、もはや時代をキャッチできていないのでは? と心配になってしまいました。ライフスタイルの”提案”も”リアル感”も希薄。「an・an」のレビューを書くたびに、同じことを繰り返しているような気がして、そろそろ「an・an」のレビューも幕引きの時期に来ているのかもしれません。 (二宮まい) 『ザ・トレーシー・メソッド3 DVD BOOK (DVD-ROM)』 え、3作目も出てたの? 【この記事を読んだ人はこんな記事を読んでいます】 ・「”たべカワ”女子」とは? オシャレな造語に潜む「an・an」の魂胆 ・「an・an」が切り拓いた、「生理用品レビュー」という新ジャンル ・「カッコつけてる男のことを悪く言わないで」とキムタクが「an・an」で激白! 最終更新:2010/05/26 23:54 次の記事 歌手「ERIKA」での再スタートもコケた沢尻、女優としては果たして? >