女はセックスに何を求めているのか……元AV女優、作家、SM女王によるエロスサミット
5月某日、その日の阿佐ヶ谷ロフトはピンク色のオーラに包まれていた――。
「美熟女」という言葉を生みだした元AV女優の川奈まり子さんに、レディコミ界の女王・渡辺やよい先生、セックスレス仕分人こと「恋人・夫婦仲相談所」所長の二松まゆみさん、小説家とSM女王の二足のわらじを履く坂井希久子先生の4人に加え、スペシャルゲスト・岩井志麻子御大が参加した、女性によるエロスサミット「女の寝室事情」。胸騒ぎを超え、もはや動悸息切れしそうなこのメンツが、女の性について熱く語り合うのであります。
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会場は立ち見が出るほど超満員で、女性参加者は7割という大盛況。イベントが始まるや否や、「まずは自己紹介代わりにカンメン撮ってきたんで」と話す川奈まり子姐さん。「カ、カンメン?」という汚れなきウーマン読者のために説明すると、カンメンとはAV業界の用語で、監督が女優を面接することなのです。それぞれが女優になりきり、まり子姐さんのご主人でもある鬼才、溜池ゴロー監督に面接を受ける体で、AV女優として出演したい作品のイメージを伝えるのだが、まぁみなさんやりたい放題。「あたし、元教師なんですけど、イケメンの教え子に××しちゃうってシチュエーションで」とか「女王様の逆調教」とか……極めつけはやよい先生の「お掃除おばさんの格好で、犬と」と、まさかの”動物奇想天外”。「性癖紹介」という、新たな自己紹介の形がここで誕生したようです。
■女にとっての快感はどこにあるのか
今回のイベントのテーマの一つが「セックスレス」。まゆみ先生によると「セックスレスの定義は1カ月間、セクシャルコンタクトがないこと」。想像していたよりも、かなり短いスパンなのにビックリ。そして、「その状態に、どちらかが(もしくは双方が)不満を持っていること」というのが、セックスレスの大前提だそう。言われると当たり前のことなんですが、セックスに関する情報が溢れている今、回数でなく、セックスレスが心の問題ともつながっていることを再認識させられました。
そして話題が、女性がセックスに何を求めているかというテーマになり、それぞれ「体の快感だけではない何かを求めている」という実例を語り合うことに。
まり子姐さんは現役時代、初めて溜池監督のカンメンを受けたときに「君のビデオを見て、何万人もの男がチ×ポをしごくことをどう思うか?」と聞かれ、「女冥利に尽きるな」と思ったんだそう。確かに私一人が頑張ったところで、1万人を興奮させるなんて無理! また志麻子先生は、知り合いのAV女優の話に。ギャラが途方もなく安いのに、嬉々として出演するので、その理由を聞いたところ「タダでヘアメイクしてもらえて、スタッフや監督にキレイだねって言ってもらえる。こんな仕事ないでしょう」。
登壇者の話を聞いているうちに、女性の抱える業とはこんなにも深いのかと実感。「今まで何人ものセフレを作ったけど、特に気持ちよくなかった。撮影でもそう。女は性感をコントロールしちゃうんです。だけど、実際の肉体以上の気持ちよさや快感を、”求められている”ってことに見出すんですよね」と、最初の結婚でセックスレスに悩んでいたまり子姐さんの言葉に、会場の女子はただただうなずくばかりでした。
■セックスせずともセックスレスは解消される?
後半は参加者からの”お悩み相談コーナー”。読み上げられるお悩みがこれまた濃厚で、特にすごかったのは”12年間のセックスレスの後、同じマンションに住む男と不倫中”というお悩みという名の懺悔。さすがの姐さんたちもこれには「さすがに同じマンションはやばくない?」「せめて隣のマンションに」と、ごもっともなご意見が飛び交う。セックスレス仕分け人の二松先生が放った「セックスレスの敵はマンネリです」という言葉を受けて、「変態はマンネリ化しないの」と”チン提案”をしたのは女王様、希久子先生。「自分のコンプレックスが快感のスイッチに変わる瞬間がある」のだそうで、デブとかチビとか××とか、敢えて声高に叫んであげると人によっては(という変態の方は)歓びも倍増するそう。自分の性癖を自分で思い込み過ぎず、何か新しいことにチャレンジしてみると新たな性感帯が見つかる……のかもしれない。
そして、最後にそれまで黙っていた渡辺先生から、会場の女性たちに響く名言が……。
「私、『an・an』(マガジンハウス)がセックス特集をやり出したとき、セックスっていう言葉が公に出てきてよかったなって思ったんです。でも、ちょっと色んな指南を出し過ぎなんだよね。こうすればイケるけど、あれはイケナイってがんじがらめでしょ。熟年になるとさ、したい気はあるけど、ローンもあるし、疲れてるしで大変。だから男の人に”やりたい気持ちはあるんだよ”って示してくれるだけで、私は充分」
さまざまな情報に溺れて、自分の本当の気持ちを見失うことは多い。特に寝室問題に関してはお隣さんをのぞくわけにもいかない。ただ「やった」「やられた」から一歩引いて見てみると、オトコもオンナもただの人。老いていく容姿や肉体をあるがままに受け止めてくれて、”でも抱きたいよ”と、ただひとこと言ってもらえれば、イッた、イカないはどうでもいいのだ。自分で何とでもなるから。
さてさて、私も一生懸命会場で配られたアンケート用紙にお悩みを綴り、運よく読んでいただけました。そして志麻子先生がひとこと「この人、根っからのED製造マシーンね」。さてお悩み内容は、どうぞ逆算してくださいませ。
(西澤千央)
家政婦とお掃除おばさんを混同しないように!
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