[女性誌速攻レビュー]「an・an」09年10月21日号

ほしのあきから豊胸手術への見事な流れ! an・an流おっぱい特集

2009/10/14 21:00
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「an・an」(マガジンハウス)10月21日号

 今週のan・anは、「How to make美乳&美尻」特集。いまさら感の拭えないほしのあきが表紙の上、第二特集は「村上春樹の世界」と、季節感も旬なトピックも無視した誌面作りにすでに不安を感じずにはいられません。全く未知の世界へ足を踏み込んだ「an・an」、その姿を見てみましょう。

<トピック>
◎ほしのあきのマシュマロボディの秘密
◎「こうだったいいな」を即、実現!夢を叶える、最強のランジェリーたち。
◎巨乳より美乳?胸よりも顔なの?オトコのこだわり&妄想を知りたい。

■貧乳の過去はなかったことに? 神様がくれたこの美乳

 「昔はこの大きな胸が嫌いだった。」と出だしのキャッチから目が離せない、巻頭のほしのグラビア。貧乳で売れないグラドルだった時代は、さかのぼること5年前。十年一昔とはいいますが、ほしのさんの中では五年一昔のようですね! そんな☆~の(ブログで本人が書いてる名称)さんのボディメイク方法は、加圧トレーニングと、胸をキープするための入浴時マッサージ、毎朝のウォーキング。とくにバストアップ方法はないようです。「ボディは一日にしてならずです。毎日努力していれば、きっと神様が見ていてくれるはずだから」。「疑惑の胸を持つ女」ほしのさんのお言葉をどう捉えるか、受け手側の性格診断のようなセリフ(=トラップ)が散りばめられていて、特集の趣旨を疑わざるを得ません。まるで”性格判断リトマス紙”のようなほしのの起用、いろんな意味で特集をぶち壊していました。

■乳より尻よりやっぱり顔だろ! オトコのリアルな声が……

 ここまで折角、バストアップだの美尻法だの紹介してきたのに、「巨乳より美乳? 胸よりも顔なの?」と結局メンズの好きな身体をリサーチするという、「an・an」モテイズム炸裂の企画が登場。


 「顔はそこまで好みじゃないけど、美乳&美尻」vs「顔は好みだけど胸&おしりが悲しすぎるありさま」対決ではイケメン76人全員が後者を選択し、結局オンナは”顔”だという結果が導かれました。メンズ曰く「胸やおしりに感情移入はできない、それだけでは愛せない」「見ている時間が圧倒的に多いのは顔」「人をおっぱいやおしりでは認識しない。やっぱり顔」とのこと。やっぱ顔なのね~。って、それって特集的に大丈夫??

■メスを入れても乳が欲しい!

 特集最後を飾るのは、「私が手術で美乳を手に入れたわけ」。豊胸手術経験者が、よかったことや先生選びのポイントなど語っています。たしかに、表紙にも目次にも”自力で”美乳を手に入れるとはありませんが、ちょっとメスを入れるってのは飛ばしすぎじゃないかしら、an・anさん! 今まで女性誌の中で、グレーゾーンであったはずの「整形・豊胸」を容易く超えてきた今週号。その思い切りの良さに、一瞬「GLITTER」(トランスメディア)かと思いました。

 おかげさまで、今週は広告枠がいつも以上に、「豊胸」の文字でにぎわっていました。「an・an」が超えてしまったこの線、他の女性誌が来月号から追随しそうな予感。女性誌の歴史は、この地味で面白みの少ない今週の「an・an」で、大きく方向転換しそうです。

 そして、そのまま村上春樹特集へと流れていくわけですが、杏、水原希子(映画『ノルウェイの森』出演)が好きな作品を紹介していく、いつも通りの内容です。春樹を語るには、あまりにも軽すぎる内容。


 せっかく、書き下ろしの短編を書いてもらったのなら、「胸」をテーマにして書いてもらえばよかったのに~と勝手に地団太踏んでみました。<彼女の柔らかく白い胸。その白さは雪という衣をまとったルツェルンの山岳のようで、僕は思わずその60ccの海水のような食塩水が入った乳房に、かすかな絶望が心をちくちくと刺すのを感じならがも、顔をうずめてしまった。>と、オシャレに豊胸をつづってくれそうです。でも、「an・an」の編集者いわく、「これほど悩みながら書いた企画書はなかった」という思いで実現させた書き下ろし短編集、春樹ファンの人は楽しんでみてください。

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最終更新:2009/12/29 16:46