自分磨きは無駄!? 電撃妊娠中のくらたまが書いた『婚活』を読む
婚活本を2冊読んだ。1冊は6月に披露宴を行った川島なお美(48歳)の『熟婚のすすめ』(扶桑社)。もう1冊は、現在妊娠5カ月、年内に入籍予定(?)のくらたまこと漫画家・倉田真由美(もうすぐ38歳)の『婚活――その人と結婚するために』(三笠書房)である。川島のお相手は言わずと知れた有名パティシエの鎧塚俊彦。くらたまのお相手は、バツ3で600人斬りを豪語し、その上借金を抱えている映画配給会社トルネード・フィルム社長の叶井俊太郎氏。
世間に失笑されながらスイーツ婚を果たす川島と、世間に失笑されながら破滅婚をしようとするくらたま。どちらの本を参考にしたいかというと、答えは出ているような出ていないようなところなんだけども、優れた文芸評論家が優れた小説家ではないように、くらたまがいわゆる”だめんず”と再婚するからって”恋愛評論家”として失格というわけではない。むしろ、
たとえカレシがいなくても、いるかのように振る舞っていると、自然と恋愛オーラがにじみ出てくるものなんです。私の場合「ときめき癖」や「思い込み」が、恋の運命を体に予測させ、出会いを呼び込める性質、恋愛体質に導いてくれたのだと思います。(『熟婚のすすめ』より)
なんて、ワイン脳を爆発させてる川島本より、
ガツガツすることは、全然カッコわるいことじゃないんです。だって、ガツガツできるうちが華なんです。(『婚活—-その人と結婚するために』より)
と、身もふたもないくらたま本の方が合理的だ。いっそすべての出版物で「オーラ」「運命」「恋愛体質」という用語を掲載禁止にしてほしいよね。
筆者がくらたま本で最も共感したのは、「自分磨き」は幸せな結婚にはつながらないというくだりである。結婚するために必要なのは、彼をキープする方法や男の心をつかむ方法であり、テーブルマナー教室や歩き方教室、お料理教室、エステに通うことは、「努力の方向が間違っている」とバッサリ切り捨てている。確かに、女性が言うところの「自分磨き」は「自分探し」と同義であって、実際は大して磨かれていないことが多い。
一方の川島本は、案の定「自分磨き」を勧めている。川島自身、語学、バレエ、茶道、ワイン、料理など、せっせと自分磨きに勤しんでいる。まあ、その結果が川島なお美だし。と、数年前までなら言えたのだが、確かな結果を出した今となってはそうそう否定はできないので、余裕がある人は磨けばいいということにしておこう。
双方とも共通していたのは、男心をつかむテクニック。
たまに、見るんです。たまにじっと見て、ふっと目線を下ろす。(『婚活—-その人と結婚するために』より)
一度、目と目が合ったら微笑む。
二度めに目が合ったら、知り合いじゃなくても、とりあえず会釈する。そして、すぐさま視線をそらす。
三度めに目が合ったら……たぶん向こうから話しかけてきます。(『熟婚のすすめ』より)
くらたま曰く、モテる女は「目をそらす技術」が上手いんだって(笑笑笑)。いや、笑いごとではない。婚活勝者2人が伝授するテクニックなのだから、本当に効くのだろう。こういう女子芸を笑っているうちは、結婚は遠いのです。
もっとも、この著書でくらたまは「(自分自身は)バツイチ子持ちという状況なので、この先結婚することがあってもいいけれど、『何が何でも四十歳までに結婚したい』という強い思いはありません」と言い切っている。叶井氏とも「結婚するかは未定」と報道されているところを見ても、どちらかというと結婚相手より子種がほしかったようだ。って、今、「子種」でYahoo!検索したら、「室井佑月ブログ」の「子種が欲しい」というエントリ(08年3月24日)が2番目にヒットした。曰く「あたしは子供は欲しいけど、旦那はいらない」だってさ。女性文化人の間でそういうのが流行ってるのか。
くらたま先生、次は妊活本をお願いします。
(亀井百合子)
亀井百合子(かめい・ゆりこ)
1973年、東京都の隣の県生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスライターに。ファッション誌やカルチャー誌のライター、アパレルブランドのコピーライターとして活動中。
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