NHKのマニアックすぎる散歩番組で出た造語、「ハメ汚れ」って……
『ちい散歩』(テレビ朝日系)のプチブレークに続き、この4月には板東英二の『バンバンバン』(TBS系)がスタートし、多様化している散歩番組。
そんななか、マニアックすぎる散歩番組を観てしまった。
5月1日に放送されたNHKの首都圏向け番組『こんにちはいっと6けん』の1コーナー「とっておき散歩」では、「浅草の旅」(※番組表より)とうたいながらも、出てくるのは観光地によくある「顔ハメ看板」のみ。
案内人は、『全日本顔ハメ紀行』著者のいぢちひろゆき氏。企画内容だけ見ると「朝から観られる『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)」のようでもあるが、そこは真っ直ぐすぎるNHKだけに一味違う。
ツッコミも悪ノリもなく、女性レポーターが顔ハメ看板に関する解説を実直に聞くばかりで、笑いもナシ。
歌っている顔ハメ看板をして、「これは歌わなければいけない、表情を決められてしまう珍しい看板です」と指示されれば、その通り大口を開けてやってみせる。そして、知っていても何の役にも立たない説明が次々に披露される。
「これは、キャスターつきの看板ですね」
「このように、顔をハメる場所に汚れのつくことを『ハメ汚れ』と言います」
「ハメ汚れと言います」と言われても……。「ハメ汚れ」を、どんな場面で使ったら良いものやら。
しかも、後半で紹介されたのは、「神田大明神」。って、もう「浅草」でもないじゃないですか! そして、さらに続くのは、さらにどうでも良いうん蓄だった。
「この看板、以前のものとほんの少し変わってるんですよね。銭形平次の銭の数が、先代看板と変わってちょっと増えてます。銭増量」
「ズボンがデニム地っぽくなってます」
終始何のツッコミもなく、うなずきながら聞いているレポーター。だが、ここでついに「本音」が飛び出してしまった。
「では、神主さんに勇気を出して聞いてみましょう」
「勇気を出して」ということは、明らかに「こんな変なこと、神主さんにわざわざ聞いていいのかしら?」「失礼じゃないかしら」という意味合いのフレーズである。
だが、おそるおそる「神主さんもここで顔を出したことがあるんですか?」などと尋ねるレポーターの遠慮をよそに、神主さんに実際に顔ハメをしてもらった上、「もうちょっと顔を前に出された方が」と真剣なアドバイスをする、いぢち氏。
さらに、そんな珍妙なやりとりの犠牲になってしまったのは、別のコーナーのゲストとしてスタジオに来ていた片山右京だった。
ぽかーんとした顔でVTRを観ていた直後に、アップで抜かれ、アナウンサーに投げかけられたのが、こんな質問である。
「片山さんもいろいろまわられてると思いますが、どうですか、顔ハメ看板は?」
収拾のつかない事態を丸投げしちゃうNHK。きっと案内人のいぢち氏も終始思っていたことだろう。
「頼むから、ツッコんで!」
(田幸和歌子)
GW中にハメ汚れしちゃった人は読むこと!
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