桜塚やっくん、自称妖怪・美川の”太鼓持ち”として再生!?
「桜塚やっくんって、最近あんまり見ないよね……」とお嘆き(?)の向きへ。
今回は、そんなやっくんの元気な姿が見られる貴重なシリーズ、3月17日放送分『カスペ! また出たな! 妖怪! 美川・桜塚の今から間に合う春の行楽 房総の旅』(フジテレビ系)にツッコませていただきます。
これまで何度か放送されたシリーズで、新天地を得たらしい、やっくん。
かつては「可愛い!」「キレイ!」とキャーキャー言われていた彼。今も変わらず女装姿でありながら、冒頭から美川憲一と、今回「ゴールデン枠の助っ人」として呼ばれた美川の親友・研ナオコにはさまれて、「妖怪3人で行くわよ~♪」(美川)と紹介されるという、なんとも名誉な扱いを受けていた。
美川・研という貫録たっぷりの二大妖怪の傍らで、やっくんに与えられた役割は、もちろん”太鼓持ち”である。
どこに行っても、おばちゃん&おばあちゃんに取り囲まれ、話しかけられ、写真を撮られる人気者の美川につき従い、ハイテンションに大きな声で「お姉ちゃん!」「ねえ、お姉ちゃん!」と存在をアピール。
魚市場で試食する際には、美川が「ごはんあると良いわね~♪」と呟くと、「チャッチャラ~♪」と効果音を自ら口ずさみ、ごはんの入った炊飯器を取り出していた。
太鼓持ちならぬ、炊飯器持ちまでする健気ぶり。
NON STYLEと中山功太というM−1、R−1覇者をワンポイントで贅沢に使い捨てるなか、ここでもやっくんは「美川さんのことどう思ってた?」と懸命に「お姉ちゃん」を持ち上げていた。
一方、美川も、道行く人たちには笑顔を振りまき、ときには大食いキャラ「石ちゃん(石塚英彦)」のように食べまくり、綾小路きみまろのように親しげにオババたちをいじりまくり、『ちい散歩』(テレビ朝日系)の地井武男ように店先でささやかな総菜などをつまみ食いし、意外とベタで一か八かの研ナオコのギャグも、丁寧にひとつひとつ拾っていく……。
しかも、このシリーズでお約束となっているのが、美川が乱入した宴会場で、あるいは店先で、ノリノリに歌ってくれた後で、「こんなところで歌うの、あたし、初めてよ!」「無料で歌うの、初めてよ!」と毒づく展開。
このサービス満点ぶり、いかにも不況下の番組らしく、かつて神田うのとブランド物を買いあさるような番組で見せていた顔とはまったく別人のようではないか。
「あたしたち妖怪よ」「おばけなのよ♪」
あちこちで出会う人たちに、こう話し、笑いをとる美川。その様子を見つめるやっくんの目、「お姉ちゃん!」という呼びかけには、今後の人生を預けようとする「妹」以上の信頼感・決意が見られるようだった。
よかったね、やっくん……。
(田幸和歌子)
「憲ちゃんはうののモノ」って怒られない?
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