サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューモデルに頼るな! 次代のキーワードは”男に媚びない”雑誌づくり カルチャー 「egg」「smart girl」創刊者・米原康正氏に聞く!(後編) モデルに頼るな! 次代のキーワードは”男に媚びない”雑誌づくり 2009/01/28 11:45 sweetcancam蛯原友里JJegg松本亜季比留川游矢野未希子rayvivismart girl 女性誌の未来について、熱く語る米原康正氏 前編はこちら ハーフモデルが雑誌から消える!? NEXTのモデルは、”世間に物申す”タイプ ――え? ハーフモデルブームももう終わりですか? 米原 ハーフモデルが売れるとわかった途端に、いろんな人達が「とりあえずハーフモデル出しとけばいいんだろ!」というノリで雑誌や広告にハーフモデルばかりを使って、正直ウンザリじゃない? 僕は個人的にはハーフモデルも好きなんだけど、今の十代の子達は、確実にもうウンザリしているよ。最初は女の子だけしか知らない場所にいたハーフモデルも、マスコミに情報が出るに従ってだんだんと大衆的でイケてない場所にも出てくるようになった。急速にハーフモデルが消費されちゃった感じだね。 ――ではハーフモデルブームの後に、米原さんはどんな女の子に注目していますか? 米原 比留川游(ひるかわゆう)、松本亜希、矢野未希子みたいな、女の子が共感の持てるビジュアルで、かつ自分の意思がちゃんとありそうな子だね。社会に対しても、男に対してもキチンと自分の意見を主張していけそうな、芯の強さを感じる子が人気になると思うよ。「媚びない」というか。今は雑誌で物を売るために、何でもかんでも「モテる」って付けているけど、一体誰にモテるんだろうね。20歳の子が、40歳過ぎたオッサンにいくらモテたって幸せにはなれないよ。なんで同世代の男の子にウケないんだろう、という事はちゃんと考えた方がいいよね。 次にやるなら、”男にこびない”雑誌 ――今はファッションが壊滅的に売れない状況にあります。「WWD」(INFASパブリケーションズ)の編集委員でもある三浦彰さんは、この状況の原因が「携帯電話」ではないかと推測し、「毎月1万5,000円ほどを携帯代に吸い取られ、ファッションに使うお金が明らかに少なくなったと思う」という趣旨の発言をしていました。米原さんも、携帯電話が女子カルチャーに影響を与えていると思いますか? 米原 そうだね、確実に時間は吸い取られていると思うよ。ただし、モバイルを使った通販の会社は業績があがってるし、携帯電話のせいで、ファッションにお金を使わなくなったっていうのは違うと思う。交通費を使ってお店に足を運んでいた分を、モバイルで買う分に回したってカンジじゃないかな。でも、それってある一定の場所以外はどこにも行ったことのない、海外の貧しいゲットー暮らしといっしょ。携帯電話での消費って、そんなゲットー化を加速させてると思うんだ。 ――今までも色々な雑誌の創刊に携わってきた米原さんですが、今後創刊するとしたらどんな雑誌を作りたいですか? 米原 僕が「egg」を作った頃に比べると、女の子のカルチャーが見えづらくなっていて難しいんだけど……う~ん、作るなら、モデルに頼らない雑誌がいいな。今はどのモデルが出ているかで雑誌や服の売れ行きが変わってきているけど、本来はモデルに頼らなくても確固たる世界観があるのが雑誌でしょ? 「sweet」みたいな青文字系雑誌も将来は危ないって言ったけど、「sweet」はある時期まで誌面に掲載できていた「ViVi」のモデル達をキャスティング出来なくなってしまうという事件(※2)もあったのに、結局部数は落ちなかった。それはモデルに頼らなくても、確固たる”sweetらしさ”を築けていたからだと思うんだ。雑誌は本来、そうでなくちゃ面白くない。「sweet」にはその路線を変えて欲しくないなぁ。 ――そういう雑誌なら作ってみたい、と? 米原 そうだね。オヤジ社会の利害関係に巻き込まれないような、女の子による女の子だけのためのカルチャー誌を作りたいね。 (編集部) (※2)「ViVi」の看板モデル藤井リナやマリエは、当初「sweet」にもよく登場していたのに、ある日突然「sweet」では、まったく見かけなくなった。業界関係者の間では、ライバル誌からの圧力があったのではと噂されている。 米原康正(よねはらやすまさ) 編集者、クリエイティブディレクター、フォトグラファー。伝説的写真投稿雑誌「アウフォト」や、「egg」「smart girl」を創刊。女の子をチェキで撮影したセクシー&ガーリーな世界観の写真が好評を博し、世界で唯一チェキをメイン機材とするアーティストとして活躍中。 国内外問わず雑誌 、CDジャケット、ファッションカタログなどの撮影を手掛けており、最近ではDJ KAWASAKIのPVや藤井リナのPVなど動画も発表している。 【関連記事】 そんな生活太って当然 ”D(デブ)ポイント”を探せ! 【関連記事】 ルナソル「レイヤーブルームアイズ」 春の新色お試しレビュー 【関連記事】 編集部ご立腹? 山田優も卒業で、どうなる「CanCam」の未来 最終更新:2019/03/26 18:24 次の記事 ビクトリア・ベッカムを抑えた、整形セレブ・ワースト1は? >