流行語を無理やりアンチエイジング。昔の流行語を使ってみる
流行語が廃れていくスピードが異様に速い。先日、「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補語60語が発表されたが、その中には、もうすでに”流行語でない”ものも少なくない。特に、お笑い・バラエティ系は違和感がある。「グ~!」「言うよね?」って今も言う?
昔は流行語がもっと長持ちしていたと思う。「いいとも!」なんて、『笑っていいとも!』が放送開始した82年から少なくとも3年くらいは使えてたような気がする。あの頃は「いいとも!」で飯が三杯食えた。「許してちょんまげ」も2年間は使えてたと思う。「~気がする」「~と思う」と曖昧な話ばかりで申し訳ないのだが、今ほどサイクルが速くなかったのは確かだ。当時、筆者が子どもだったせいもあるかもしれない。でも、今の子どもは「欧米か!(07年候補語)」なんて言うのだろうか。
こんな現代、まるで流行語を使い捨てしているようでもったいない。コートを買うときは、いつも「これは一生モン!」と心に決めて買うのだけど、一生着ることは絶対にない。そんなことは、わかっている。しかし、せめて5年くらいは大事にしてあげようよ。ということで、最近5年間の流行語を使ってみることにした。相手はどんな反応をするだろうか。過去5年間にどんな言葉が流行っていたかすらすっかり忘れていたので、ネットで検索して頭に叩き込んだ。以下は11月某日、S編集者(男・31歳)との会話の記録である。
【六本木のファストフード店にて】
S「そろそろ、彼女にプロポーズしようと思うんですよ」
私「そうですか」(くだらない話題キターー!!(08年候補語)。流行語を使うにぴったりの流れだ)
S「やっぱり何か特別な演出をした方がいいんですかね」
私「いらないでしょう」(とりあえず景気付けに「フォー!」と心の中で叫んでみる。心の中とはいえ恥ずかしいぞ)
S「確かに、いらないっていう人もいるんですけど」
私「演出よりも、早くした方が……」(「ゲッツ!」と言ってみようかと思ったが、これも恥ずかしくて言えず。そもそも文脈に合ってるかもわからず)
S「でも、いろいろ演出する人もいるらしいんですよ」
私「へぇ」(あ!)
私「へぇ、へぇ、へぇ、へぇ、へぇ……」(と控えめにテーブルを叩いてみる)
S「……」
私「……10へぇ」
S「それで、周りの人に聞いてみたんですけどね」(と何事もなかったかのように会話が続く)
【日比谷線車内にて】
私「編集部で、流行語を使うことはありますか」
S「使わないですね。今、何が流行っているんですか」
私「グ~!」
S「言わないですね。KY(07年候補語)はたまに言うかもしれない。そういえば、「シブヤ経済新聞」に女子高生の流行語の話題が出ていましたよ。今はおもしろくなくても、『ウケる』って言うのが流行ってるらしいです」
私「ふーん。……へぇ、へぇ、へぇ、へぇ、へぇ」(テーブルがないので、手を振って叩くフリ)
S「……そういうのでも、たぶん女子高生は『ウケる』って言うんじゃないですかね」
結局、「ゲッツ!(03年候補語)」も「○○斬り!(04年トップテン)」も「フォー!(05年トップテン)」も「イナバウアー(06年大賞)」も使えなかった。まさしく、何も言えねー(08年候補語)。私はヘタれだ。だが、いざ口にしようと思うと、本当に本当に恥ずかしいのだ。「フォー!」と叫ぶくらいなら、むしろエロい言葉の方が言えそうな気がした。
そして、あんなに流行っていた流行語なのに、ほんの数年で使い方を忘れていたことにも驚いた。「フォー!」と並んで05年の候補語に「ハードゲイ」が入っているんですが、どういうシチュエーションで使っていたのでしょうか。謎です。「へぇ~(03年トップテン)」は、使える機会は多そうだけど、やっぱり2へぇ以上重ねて言うのは恥ずかしい。
さて、今年の流行語はいつまでもつだろうか。大賞とトップテンは12月1日発表です。
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