波平が美容院に! ネタを地でいく「サザエさん」ワールド
宮沢りえや小栗旬が出演する「25年後の磯野家」のCMも話題の「サザエさん」。10月5日放送回で、思わず「エッ!?」という、こんなくだりがあった。
「父さん、美容院に行ってきたら?」
波平が美容院!? 思わず我が耳を疑ったが、そういうことらしい。後で確認したら、タイトルは「父さんが美容院」というもの。昔からネタとして時々出てくるものではあるが、マジだった。
波平が散髪に行きたいが、行きつけの理髪店がお休み。そんなわけで、サザエが持っていた美容院の割引券を渡し、「これ使いなよ、父さん」という流れ。当然波平は、「美容院なんか行けるか!」と難色を示すものの、隣の伊佐坂先生に「美容院もいいですよ」と諭され、行ってみることに。
言うまでもなく、波平といえば、トレードマークである頭頂部の1本の毛が命脈。初美容院で、いったいあのヘアスタイルはどんなことにされてしまうんだ? 1本の毛にパーマあてちゃうのか、またはカラーリングか、まさかの「おしゃれヅラ」というのもアリか? などと期待がふくらんでしまうが、帰宅した波平は仏頂面。聞けば、客と思われず、保険の勧誘員と勘違いされ、プンスカと帰ってきたらしい。ニュー波平が見られず、ちょっと残念。
その後、美容院の若い女性美容師から、ケーキと「次回は無料でカットさせていただきます」というお詫びの手紙(お詫びだけどピンクのハートのシール付きだった)が届く。地方から出てきて住み込みで働くというキャラ設定にも後押しされ、波平の態度も軟化、再び美容院へ。あの髪型はさすがにいじれなかったか、家族に感想を聞かれると、シャンプーのことをほめるあたりが波平、若干キノドク。それでも、「これから毎月行くことにした。……あの子が独立して自分の店をもったらな」なんて、軽口をたたいてみたり、日ごろの理髪店のオヤジとは違う若い美容師とのふれあいが、満更でもなかったのかもしれない。そうなると、冗談でなく美容院に通い、鼻の下をのばしてそうだ、波平。
ちなみに、この日の3本目は、夫婦の呼び方についての話。カツオがわざわざアナゴさんに電話をかけて、マスオがサザエを会社で何と呼んでいるかと取材。すると、そこにアナゴジョークが登場、「そりゃあ、ハニーだよ」という回答。サザエとマスオは「ダーリン」「ハニー」と呼び合う仲だということにされる、気持ち悪い展開に。結局、それがめぐりめぐって、アナゴさんの奥さんが、「アナゴさんは会社で奥さんを『ハニー』と呼ぶ」という話になり、アナゴの妻がそれに感激、最終的にはハートマークの愛妻弁当を作り、会社で広げられずというオチ。ハート弁当を思わず隠すアナゴさん、ちょっとカワイくもあったが、それにしてもサザエワールドで、「ダーリン」だの「ハニー」だの「ワイフ」だのって……。
以前も、波平が「自動卵割り機」という、謎の機械を購入してくるという、非常にシュールな話があったりと、時々ギョッとする展開もある、「サザエさん」。「もしサザエさんが○○だったら」といった、ネットの某大型掲示板でたまに話題にされるようなネタも、今後実際に登場の可能性、意外とアリかもです。
(太田サトル)
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