今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

『オールスター感謝祭』の猫ひろしに見たホンモノ感

2011/04/15 16:00
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『猫ひろしがやってくる ニャー!ニャ
ー!ニャー!』(インディーズ・メーカー)

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎大器晩成ってこと?
 ずっと見ていたわけではなく、たまにザッピングする程度だったのだが、TBS『オールスター感謝祭』は見る度猫ひろしが走ってたな。「赤坂5丁目!ミニマラソン」「赤坂五丁目世代別駅伝」と、二つもマラソン企画があったらしい。しかもその両方で優勝て。もはやプロ並みのハンデをつけられ、「面白いことを言う」という仕事は一切期待されず(本人もその気ゼロ)、もう完全に「芸人」ではなく「マラソンが速い人」としてテレビに出ている猫。しかしそれが許されるレベルで速い気がする。カンボジアに籍を移さずとも、ひょっとしたら日本人枠でイケるかも、ってくらい速い。間違っても24時間マラソンのオファーなんか安易に受けてヒザ壊すなよ。それはともかく、猫ひろしって、走ってる時の顔がすごくトシちゃんに似てる。走ってない時はそんなでもないのに。何ででしょう。

◎フジの貫禄
 震災からちょうど一カ月の日、各局ニュース番組は、看板キャスターは皆現地入りして特別態勢。しかし放送開始後、大余震連発で、画面は局内スタジオからの速報に切り変わり、全キャスターとも完全にほったらかし状態に。ずっとヘルメット姿で外で立ち尽くし、暗闇の中たまーに一瞬映るだけの『Nスタ』(TBS系)堀尾正明&長峰由紀。『スーパーニュース』(フジテレビ系)安藤優子は、余震ド真ん中の福島にいたというのに、余震後まさかの「電話中継」。ま、避難優先は致し方ないが。でも津波の心配が消えたら出て来んかい。余震が起こる前も、ずっと雨傘を自分で持たず、スタッフに差し掛けてもらってたし。女優か。そして『ニュースJAPAN』(フジテレビ系)の秋元優里。ヘルメットに防災ジャンパーで画面に映ったとき、枝野官房長官かと思った。すごい二重アゴ。つーか電柱に顔が書いてあるみたいに顔と首が繋がってる。ズドーン! ボブヘアの絶妙なカットとスタイリング、襟元の開いた服選び、シェーディングを駆使したメイク、影をつくる照明のライティング……。あのキャスター姿は、これらを総動員したスタジオで、ギリギリカツカツのところでキープされたものだったのだ。あらゆるキャスターにとって辛い思い出となった現地中継。だがヘコんでる暇はない。頑張ろうニッポン。

◎部屋も合ってなさすぎる
 アメーバピグの亀田興毅のアバター、似てねぇぞ。ジャパネットたかたの高田社長のアニメキャラと同じくらい似てない。二つとも、自分の顔の欠点(目の小ささ、細さ、愛嬌のなさ)を完全に無視したキャラクターを強引に打ち立てている点が同じ。「似てない」のベクトルが共通してる。今すぐ針すなお先生に頼んで描き直してもらえ!

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

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最終更新:2019/05/22 19:28