サイゾーウーマンカルチャーインタビューモデルの”タレント化”は必然! いま求められるモデル像とは? カルチャー 米原康正の新モデル文化論! モデルの”タレント化”は必然! いま求められるモデル像とは? 2009/09/22 12:00 タレントを排しモデルを起用した資生堂 ザ・コラーゲン。公式HP 女子カルチャー界を縦横無尽に駆け巡るフォトグラファー・編集者の米原康正氏が、複雑に絡まりあう現代の”モデル”界を、わかりやすくレクチャーする新モデル文化論! 女性誌の枠組みの中で活躍するにとどまっていたモデルたちが、近年テレビでも活躍している。山田優や蝦原友里、鈴木えみなどはもちろん、最近では資生堂「ザ・コラーゲン」CMで松島花、菊池沙織を始め総勢10名のモデルが登場し、森永製菓「ベイク」CMでは峰えりか、高橋メアリージュンなどが出演。テレビ番組では『Beautv』(テレビ朝日系)にメインホストで平子理沙が出演し、『MOSTI.tv』(テレビ東京系)では、道端ジェシカ、沙耶など出演者の9割がモデルという、これまでにない傾向ができつつある。 ――平子理沙さんや松島花さんなどのモデルをテレビで見かけることが増えましたが、この現象にはどんな背景があるのでしょうか? 米原康正(以下、米原) まず、いまの時代を考えると、モノを売るには女子に買ってもらわないと経済が成立しない状況なのね。テレビや雑誌を通して売るには女子に動いてもらわないと成立しない。おじさんはお金もってそうだけど、家なんか買っちゃた日には、自分の小遣いすらないような状態だからね。そうすると、どこに消費者のターゲットをもってくるかというと、女の子なんだ。 ――たしかに、おじさんよりも女子の方が自分に使うお金は多いかもしれないですね。 米原 そうでしょ。でも、いままではおじさんたちは経費を潤沢に使えてたから、「このコと仕事すれば会えるんじゃないか」っていう下心だけで、雑誌広告に自分が会いたいグラドルとかアイドルを起用していたわけ。雑誌広告にOKのハンコを押すお偉いさんたちは、会社の経費を使えるおじさんたちだったから。ところが、不況になり、おじさんたちの好みで広告を作っても、世の中の経済が動かなくなった。おじさんたちが好きな女の子って女の子が好きな女の子とは明らかに違うタイプのコだったりするんだよね。女子から見れば「ただおっぱいデカイだけの女がなんで広告出てるの?」って感じでしょ。それが、おじさんたちが経済を動かしてるときは成り立ってたのよ。そればかりが理由じゃないけどモノが売れなくなった。 ――なんでこのブランドのモデルがこのアイドルなの? って思うとそのブランドに興味がなくなりますね。 米原 日本の企業は、マーケティングやブランディングが何にも出来てなくて、その周りについてる代理店のおじさんはクライアントの言うことを「その通りでございます」って聞いてるだけなの。でも、さすがに代理店の人たちも、ちゃんと仕事しないとこのままではマズイって思い出した。 それで、手っとり早く「女子に人気のある人たちは?」って状況を見たときに、モデルブームが丁度あった。いま、広告やCMにはモデルしか出ていないよね。それは、女の子にモノを買わせようとしたら当たり前の方法。でも、これまでタレントがやっていた所が全部モデルに代わってしまったから、芸能プロダクションからすると、そのコたちをタレントにさせる、っていう発想の転換が出てきたんだ。だから、モデルのタレント的な進出は歴史の必然。流れとしてはあたり前の話。 ――そういうことですか。プロダクションがモデルという肩書きのまま展開していく、と。 米原 でも、テレビを見ればわかるけど、おじさんにウケた時点で、そのタレントの「認知」はあがるかもしれないけど「人気」はスーッと消えている。女の子だけに人気があったときは、モノが売れるのね。例えば、木下優希菜ちゃんはテレビに出てるけど、女子人気の存在だよね。だからモノが売れる。でも「認知」だけの人って、その人が何やろうと、モノが動かなかったりする。だから、いくらそのコがテレビに出ても、おじさんたちの臭いからタレントを遠ざけていく作業をしないと、そのコを使ったモノが売れなくなっていく。 ――「人気」と「認知」を区別して認識すると、ハッキリ見えますね。 米原 「小悪魔ageha」(インフォレスト)のコたちの手掛けるモノが売れるのっていうのは、彼女たちはキャバクラという男社会にいるけど、そこを手玉にとってる感じがあるでしょ。そこの男に、使われてる、媚びてる感はないから。いままでの、アイドルはテレビのおじさんたちに使われてる感が強すぎたから。もっと前から、経済を動かしていたのは女子だったんだけど、おじさんたちが経費を使えなくなったのが、こういう構造や状況を明らかにしたんだ。 ――ありがとうございました。 「世界の不況は女子の物欲が救う!」と表紙に掲げていたのは「Sweet」(宝島社)だが、そんな大言も、あながち間違ってはないのかもしれない。少なくとも、この日本では女子が経済の中心にいることは事実。そんな女子の購買意欲を刺激させるモデルという存在は、いまや”ファッション”モデルというよりも”経済”モデルとでも呼ぶべき存在かもしれない。 米原康正(よねはら・やすまさ) 編集者、クリエイティブディレクター、フォトグラファー。伝説的写真投稿雑誌「アウフォト」や、「egg」「smart girl」を創刊。女の子をチェキで撮影したセクシー&ガーリーな世界観の写真が好評を博し、世界で唯一チェキをメイン機材とするアーティストとして活躍中。 モデルのヒケツ―トップモデルが本音で語る最新モデル入門 (単行本) 旬も短し。 【関連記事】 ハーフブームももう終わり? 女子カルチャー衰退の要因を徹底分析! 【関連記事】 犬猿のマリエ&益若を尻目に、新カリスマモデルが誕生 【関連記事】 ジェシカに里海、熱愛報道で全国区モデルへ! 出世をかけた恋愛術 最終更新:2013/04/04 01:21 次の記事 木村拓哉、ウワサの新作映画『宇宙戦艦ヤマト』についてポロリ発言 >