コラム
プウ美ねえさんのエプロンメモ

【プウ美ねえさんのお悩み相談】中1娘のLINEプロフィールが不穏で心配

2025/09/30 17:00
熊田プウ助(マンガ家)

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

目次

今回のお悩み:「中1娘のLINEプロフィールが不穏で心配」
プウ美ねえさんの回答
今月のエプロンメモ

<今回のお悩み>
「中1娘のLINEプロフィールが不穏で心配」

(C)熊田プウ助

 中1の娘のLINEプロフィールが不穏なことで悩んでいます。わたしが同じ年齢の頃を考えると今の13歳はかなり大人っぽく、そして忙しく疲れています。

 小学生の頃から口が悪く(YouTubeに毒されたヘビめのネットユーザーのため)、ネットで「バカ」と書いていじめ認定されたり、クラスメイトと痴情のもつれを起こしたり、リストカットしたりと、母であるわたしは呼び出されっぱなしです。

 長期欠席もありました。問題児というより、がんばりすぎの繊細で早熟な子で心配というスタンスで先生方あたたかく見守ってくださいました。喫煙が学校にバレなくてよかったです。

 受験して、この春に大学付属の私立中学(第一志望)に入ってからは、勉強に行事に部活に友達との遊び(プリクラやカラオケ)に趣味のアニメや漫画等、はじける青春を謳歌しています。

 家族で「あの子は小学生が似合っていなかった」とホッとしています。相変わらず口が悪く母には塩ですが、できるだけうるさいことを言わないよう見守っています。スカートが短かろうが、変な化粧をしていようが本人の責任です。

 しかし、どうしても話さなくてはいけない時もあります。それは、娘のLINEアイコンがいきって中指を立てた写真になった時でした。

 Wikipediaを読み上げ、ジェスチャーの意味や不特定多数の目に触れる危険性や考えられる悪影響について「一回だけ言って本人に任せよう」と伝えたところ、反発はしていましたが、のちにアイコンを変えていました。

 しかし、まだ気になることがありました。LINEプロフィールに小学校の先生や友達の悪口を書いていたのです。例えば、「全員死んでくれ」などの言葉です。先生のことは「ゴキブリとゴミのハーフ」。

 小学校の友達や親戚も見る、今の友達だってどう思うか、軽い気持ちで書いた言葉が人を傷つけるしSNSに書くと共有され消せない、ノートに落書きしたり仲間内で話すのとは違いリスクがあると、サイゼリヤでご飯を食べた後に話し、こちらも後で消していました。

 だがしかし! 今また「クラスのグルラの通知まじうっせえわ」通知切れよ! 「友達全員ウザい」友達全員見るだろ、主語でけえよ!と、つられてこっちが口が悪くなる荒れっぷりです。

 どうも、やることが多くて疲れているようです。まじめなので、がんばりすぎてまた欠席してしまわないか心配ですし、それはそれとして、そゆこと友達と内輪で話したり、愚痴ってもいいけど、ナゼLINEのプロフィールに書く? と、あんなに話したのにわかってないのか、かまってほしいちゃんなのか、どう話したものか途方に暮れています。

 おばあちゃんが見たら心配する、とかより、友達に嫌われたり痛いやつと思われるのではと心配です。あとまあ、ふつうにストレスたまってそうで心配ではありますが。

 あまりうるさく言いたくないのは、わたしのように親の前だけ良い子の仮面をかぶって水面下で悪いことをするようになってほしくないからです。

 わたしに影響のないことは極力ほうっておきたいのですが、ネットやSNSについては心配です。思春期でトゲトゲするのは理解できるのですが…… アドバイスいただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします。

 末筆ながら、プウ美お姉さまがお健やかに素敵な夏をお過ごしくださいますよう、ご健康とご多幸をお祈りしています。(たけちょ・46歳)

プウ美ねえさんの回答

 利発なお嬢様を誇らしく思い愛していること、逃げずに、なおかつほがらかに向きあっていること、親御さんとしてすばらしい姿勢ですね。苦言を呈するときにダラダラ言わず一回で、場所をあらためてビシッと伝えるなども、とてもよいと思います。きっと心に残っているはずです。

 おねえさんは地味で臆病ないじめられっ子でしたが、同時に親しい子や優しい大人に対しては傲慢だったり、暴言をはいたりする子でした。いま思い出しても鳩尾がキュッとなるほど申し訳なく恥ずかしいです。しかしどこまで世の中に許されるか、何を目指せばいいか、自分の順位(いやな言葉です)はどのへんなのか、いろいろ知りたかったのです。タイムマシンにのって「後悔するよ」と伝えに行きたいですが、愚かなので想像できず、治らなかったでしょう。

 もし今のおねえさんに少しでも謙虚さや、他人への思いやりがあるとしたら、それを培ったのは20代から通ったゲイサウナです。全裸の交流はハッタリが通じません。好みの男性にアタックしてもまったくモテず、他人に厳しくジャッジされ続けているうちに、いやおうなく傲慢さが剥がされていきました。

 お嬢様がゲイサウナに行くことはないでしょうが、年長者と交流する機会を与えるのはよいかもしれません(もちろん安全な集団で)。オンラインではなく、趣味や運動のサークルとか、町内会の催しなどで尊敬する年長者に出会えたら、学校の友達関係という小さい世界でトゲトゲすることがばかばかしくなって、まろやかになるかもしれません。いっぽうで、トゲトゲがないと成功しにくい世界もあります。どちらに進みたいかはお嬢様が選ぶことです。

今月のエプロンメモ

まわりを見下したり、自分を強くみせたくなる瞬間は誰にでもあります。しかし、イライラして発言すると逆に弱さ愚かさがバレがち。しかもネット上には定着します。PCやスマホに向かう前にはおいしいものを一口食べるとか、ゆったり入浴するなどして精神を安定させておきたいものです。

<お悩み大募集>
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熊田プウ助(マンガ家)

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』(実業之日本社)、『世界一周ホモのたび 狂』(ぶんか社)など著書多数。

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最終更新:2025/09/30 17:00
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