実写版『リロ&スティッチ』吹替声優、「擬音」26種類担当のCMで再評価! 山寺宏一の「声が衰えない」ワケ
【サイゾーオンラインより】
ディズニーの実写映画『リロ&スティッチ』が、現在大ヒット上映中だ。日本語吹替版でスティッチ役を務める声優・山寺宏一の“変わらぬ声”に、ネット上では称賛の声も上がっているが、業界関係者からは「彼だけが“特別”なわけではない」と、意外な意見が聞こえてきた。
目次
・声優・山寺宏一、スティッチの声が「変わらない」と感嘆の声
・山寺宏一の「声が衰えない」ワケ
声優・山寺宏一、実写版『リロ&スティッチ』日本語吹替版で声が「変わらない」と感嘆の声
『リロ&スティッチ』は、2003年3月に日本で公開されたディズニーのアニメーション映画の実写版。暴れん坊のエイリアン・スティッチと両親を亡くした少女・リロの出会いと交流、そして家族の絆を描いたハートフルファンタジー作だ。
日本語吹替版では、映画やテレビアニメシリーズ(08~15年)版に引き続き山寺がスティッチの声を担当しているほか、エイリアンのウエンディ・プリークリー(声優:ビリー・マグヌッセン)を担当する三ツ矢雄二も続投。
また、リロ役に子役の永尾柚乃、リロの姉・ナニ役にはMOMONA(ME:I)、姉妹を見守る青年・デイヴィッド役を中村海人(Travis Japan)、スティッチを生み出したジャンバ博士役として長谷川忍(シソンヌ)ら、芸能人声優も出演している。
「ネット上では、実際に吹き替え版を見た人から、『吹替声優さん皆すごく上手だった』『全員続投か? ってぐらい違和感がなかった』と好意的な感想が多く寄せられている印象です。主人公のひとり、スティッチ役を長年演じている山寺については、『声がなにも変わらない山ちゃん様のすごさをひしひし感じた』『当時と変わらないスティッチをやってくれる山ちゃんほんと怪物級だし感謝しかない』と、感嘆の声も漏れています」(声優ライター・勅使河原みなみ)
山寺といえば、「七色の声を持つ男」との異名を持ち、6月12日に公開されたサントリーの「からだを想うオールフリー」の新アニメCM「深夜ラーメンの誘惑」では、全26種類もの「擬音」を一人で演じたことでも注目を集めている。
同CMは、ラーメンYouTuber・SUSURUをアニメ化し、深夜にラーメンを作って食べながら、「からだを想うオールフリー」を堪能する様子が描かれている。山寺はSNSの更新音からガスコンロで湯が沸騰する音、麺袋を開ける音など26の擬音を声で再現しており、「声優やっていて一番難しかった役」と収録時を振り返った。
「“特別”というわけではない」? 山寺宏一の「声が衰えない」ワケ
今回のCM出演の背景について、制作会社関係者は以下のように分析する。
「擬音を演じ分ける仕事なんて、そうそうありません。多くの声優がやらないだけであって、プロの有名声優であれば、あの程度の擬音でしたらある程度誰でも再現できると思います。では、なぜ今回のオファーが来たのかというと、やはり彼がマルチにさまざまな声を使いこなす『山寺宏一』だからでしょう。これまで“人の声マネ”や“さまざまな音の演じ分け”を、いろいろな場で披露してきたからこそ、それを知る制作側が『この人ならできる』と判断し、オファーしたのだと思います」
なお、同氏によると、「“声”は、よほど不摂生をしない限り、年齢によって急激に変わるものではない」とのこと。
「例えば、タバコを吸い続けるとか、アルコール度数の高い酒を毎日飲むといった生活をしなければ、一般人でも声質はあまり変わりません。ただし、セリフを話すには“筋力”が必要で、衰えると肺活量も落ちる。声に張りがなくなったり、唇や舌の動きも鈍くなって滑舌も悪くなり、発音が不明瞭になったりもする。そうなると『声が老けた』と感じられるわけです。山寺さんの場合、モノマネの研究をしたり、常に仕事が入っていて、日常的に声を使い続けているため、それ自体が一種の“筋トレ”になっていることから、声も衰えにくい。声のためにトレーニングをしている声優さんも結構いるのですが、メディア露出が多く、一般認知度の高い山寺さんにオファーが集まっているだけで、彼だけが“特別”というわけではないんです」(同)
とはいえ、長年第一線で活躍するには、それ相応の努力が必要不可欠だろう。現在64歳の山寺だが、これからも変わらぬ声でファンを楽しませていってほしいところだ。