Netflixの映画ランキングが「コナンだらけ」に! 劇場版全27作で一番再生された“低評価”作品は?

2025/04/24 15:00
サイゾーウーマン編集部

サイゾーオンラインより】

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(写真:Getty Imagesより)

 『名探偵コナン 隻眼の残像』は公開からわずか3日間で興行収入が34億円を超え、『劇場版鬼滅の刃 無限列車編』に次ぐ日本の映画史上歴代2位のオープニング記録を樹立した。

 その『隻眼の残像』の公開前、Netflixで劇場版コナン全27作品とTVシリーズが配信開始し、先週の4月14日から18日までの映画ランキングTOP10のほとんどをコナン映画が占めることとなった。

目次

Netflix映画ランキングTOP10(集計期間:2025年4月14日~18日)
もはや映画というよりも1年に1回の「国民的なイベント」に
『緋色の弾丸』はなぜ1位だった?
『隻眼の残像』は意外に賛否両論? 小五郎ファンとしての不満も

Netflix映画ランキングTOP10(集計期間:2025年4月14日~18日)

1位『名探偵コナン 緋色の弾丸』(2021年)50pt
2位『名探偵コナン 異次元の狙撃手』(2014年)39pt
3位『名探偵コナン から紅の恋歌』(2017年)37pt
4位『名探偵コナン 絶海の探偵』(2013年)27pt
5位『名探偵コナン 沈黙の15分』(2011年)24pt
6位『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』(2002年)23pt
7位『海の沈黙』(2024年)18pt
8位『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(2022年)14pt
9位『名探偵コナン 水平線上の陰謀』(2005年)13pt
10位『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』(2001年)8pt

※記事内の順位は、2025年4月14日~18日のNetflix「今日の映画TOP10」の上位10番組を調査し、ポイントに換算して集計した「サイゾーオンライン」独自のランキング。

もはや映画というよりも1年に1回の「国民的なイベント」に

 多くの人が気になっているのは、なぜコナン映画がここまでの人気を得たのか、ということだろう。

 ヒントとなるのは、2017年の『から紅の恋歌』の時点での諏訪道彦プロデューサーの言葉だ。諏訪氏はオリコンニュースの記事で、コナン人気が作品を重ねるごとにますます勢いを増している理由について「ラブコメもミステリーもあり、大人の方にも楽しんでいただけるような作品作りを目指してきました」「子どもの頃に好きになってくださったファンの方々が、成長されてもコナンを“卒業”しなくなったことも大きな要因だと思います」と答えている。

 他の『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』の映画は、(もちろん大人のファンもいることを前提として)あくまで子どもとファミリー層に向けて作られているが、そもそもコナン映画は「大人も楽しませようとしている」のだ。

 そして、「大人がコナン映画を卒業をしなくなった」傾向は、翌年の『ゼロの執行人』以降もさらに強まったといえる。「派手な爆発が起こるアクションの見せ場」「劇場で悲鳴があがるほどのキャラクターの尊い関係性」といった、エンターテインメントとして楽しめる「型」がさらに強固になっていったからだ。

 しかも、いつもオープニングで物語の基本設定と今回登場するキャラクターの紹介もあるため「一見さん」にも入りやすい。各作品でさまざまな人気キャラや舞台にスポットライトを当てているのでマンネリズムにも陥ってはいない。

 そのおかげで、デートでも家族でも友だちとでも「間違いない」選択肢として選ばれるようになり、加えて映画館では1年に1作品だけ上映される「代替が利かない」コンテンツにもなっている。そのため、「毎年映画館で上映される国民的なイベント」へと成長したといえる。

 さらに、子どもの頃にコナン映画に親しんでいた大人が子どもを連れて行き、その子どももまたコナン映画にハマるという好循環を生み出しており、その傾向はもはや永久に続くのではないか、と思うほどだ。

『緋色の弾丸』はなぜ1位だった?

 ところで、前述した先週のNetflixでのランキングで興味深いのは、『名探偵コナン
緋色の弾丸』が断トツで1位だったことだ。同作は「赤井秀一」や「羽田秀吉」といった人気キャラをフィーチャーしているものの、作品評価は「映画.com」では2.8点、「Filmarks」では3.7点と近年の中では低く、支持を得ているとは言い難い。

 理由として考えられるのは、同作がコロナ禍のために20年時点で公開延期となり、さらに21年に上映された際も公開翌週から緊急事態宣言のために東京・大阪・京都・兵庫の4都府県の映画館に休業が要請されたことだ。シンプルに「映画館で見た人の絶対数が少ない」からこそ、同作を未見の多くの人が一時的にでも『緋色の弾丸』を視聴した、ということなのかもしれない。

 なお、今月18日深夜からは、24年公開の前作『100万ドルの五稜星(みちしるべ)』のサプライズ最速配信がスタートし、4月下旬現在は同作が1位を維持し続けている。対して『緋色の弾丸』は10位となり、2位は19年の『紺青の拳』、3位は06年の『探偵たちの鎮魂歌』と続いており、順位が激しく入れ替わっているようだ。これまでのファンはもちろん、新しいファンもコナン映画を「網羅」するように見ているのかもしれない。

『隻眼の残像』は意外に賛否両論? 小五郎ファンとしての不満も

 そして、劇場公開中の最新作『隻眼の残像』の評価は「好評寄りの賛否両論」。「映画.ccm」では3.5点、「Filmarks」では4.1点と、シリーズの中では「中の上」くらいになるだろうか。「歴代最高傑作」「コナン映画として一つの到達点」といった絶賛の声がある一方、「ツッコミどころが多すぎ」「作り込みが足りない」といった不評もそれなりに寄せられている印象だ。

 個人的に近年のコナン映画は、「多くのキャラクターを捌き切る交通整理」に感心することが多い一方で、それと表裏の「要素が渋滞している」印象も受ける。今回は「長野県警」のメンバーと「毛利小五郎」がメインとなっているが、そのために物語の軸が複数あり、それぞれを1本の「線」としてまとめようとはしているものの、結果として物語の発端かつ切実な思いを抱えたはずの小五郎の活躍が、やや脇に追いやられた印象も否めない。

 確かに小五郎にはある美点を活かしたカッコいい見せ場も用意されているが、彼の「普段はポンコツだけど、コナンの助言もあってここぞという時に推理する」様も見たかったのが正直なところだ。劇場では「『今回、わたくし眠りません』by 毛利小五郎」というスタンディが設置されており、「眠りの小五郎」ではない彼の推理を期待していた方も多かったはずなので、もったいない印象だ。

 そんな不満もあるが、過去の因縁や愛憎入り混じる感情が交錯する「渋め」の作風でありつつも、大人のキャラクターたちのラブコメ要素にもキュンキュンするし、クライマックスのド派手なアクションではなかなか斬新なアイデアが持ち込まれているなど、やはりエンタメとしての型の強さと、これまでとはやや異なる魅力も打ち出していることに感心する。

 見終わった直後の観客たちの笑顔や、高揚感に包まれたざわめきからは、国民的なイベントとしてこれからも愛されることを確信できた。映画ファンとしてはコナン映画ファンには他の映画にも目を向けてほしいところだが、これほど多くの人に映画館に足を運ばせていること、それ自体に感謝をしたい。

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最終更新:2025/04/24 15:00