中町兄妹、謝罪&復帰効果でサイゼリヤ動画が100万回再生超! YouTuber炎上の背景を「ユーチュラ」編集長が解説
【サイゾーオンラインより】
埼玉県八潮市の道路陥没事故をめぐる不適切発言騒動で注目されている兄妹YouTuberコンビ・中町兄妹。活動自粛を発表した2日後に投稿されたサイゼリヤの爆食い動画が、100万回再生を突破した。
目次
・中町兄妹が「秒で死んだらオモロイ」発言を謝罪
・「サイゼ爆食い」が100万再生超え……普段は50万前後
・中町兄妹、過去にも炎上
・コンプライアンスチェック、スタッフはいない?
・YouTuber事務所に所属していても炎上する理由
・中町兄妹やコムドット、ファンとアンチの二極化
中町兄妹が「秒で死んだらオモロイ」発言を謝罪
兄の中町JPと妹の中町綾が出演するYouTubeチャンネル「中町兄妹」は、爆食いや爆買いといった企画動画を中心に配信。同騒動前のチャンネル登録者数は172万人であったが、3月10日現在は168万人まで減少している。
彼らの人気について、国内最大のYouTube専門ニュースサイト「ユーチュラ」の編集長が話す。
「中町兄妹は、コムドットに代表される“新世代YouTuber”の一角で、特に若年層を中心に支持を集めています。特に妹の綾はファッションリーダー的な人気を誇り、若い女性を中心に強い影響力を持っています。トレンドを押さえながらも、飾らないスタイルや、兄妹ならではの掛け合いも人気の理由の一つです」
そんな2人は、2月2日に公開した動画で“日常的に事故に気をつけている”という話題になると、綾が「道路とかも最近だと落ちちゃった、穴が開いて落ちちゃって」と話し、これにJPがなぜか大笑いながら「最近あったな。あったなぁ」と返答。その後も、「で、秒で死んだらオモロイよね」「オモロすぎる」などといったやり取りが続いていた。
案の定、ネット上で「まだトラックの運転手さんも救出されてないのに、不謹慎すぎる」などと批判が集中すると、中町兄妹は同9日に「自分たちのモラルのなさが原因」「とても反省してます」などと語る謝罪動画を公開。
その後も炎上状態が続き、3月4日の動画で「YouTube以外の外部のお仕事に関しては自粛・辞退させていただきました」「今後外部のお仕事は当分自粛しようと思っています」と、綾がモデル業などを自粛すると発表した。
「サイゼ爆食い」が100万再生超え……普段は50万前後
なお、同チャンネルは今後、コメント欄の書き込みを「承認制」にすると宣言。その影響か否か、コメント欄には厳しい批判はほぼ見られない。
「謝罪動画の内容よりも、コメント欄を承認制にした点を特徴的だと感じました。謝罪動画ではコメント欄自体を閉鎖することはあっても、承認制と明言するのは珍しい対応です。中町JPは、過度な誹謗中傷に対するファンへの配慮と説明していますが、実際のコメント欄には批判すら一切出ていません。Xでは今回の謝罪動画にも多くの批判が寄せられており、YouTubeのコメント欄と大きなギャップがあるように思われます」(前出の「ユーチュラ」編集長)
そして、3月6日には過去に撮影したというストック動画の中から、「兄妹で久々サイゼ爆食いしたらやっぱ美味し過ぎたwwwww」と題した動画を投稿。
同チャンネルは通常、50万再生前後の動画が多いが、騒動で注目されているため、サイゼリヤの動画は102万回再生(10日現在)超えを記録。同チャンネルとしては、昨年8月の動画「妹が東京ドーム立ってる間兄緊急手術してんのマジどう言う事wwwww」以来の“100万再生超え”となった。
中町兄妹、過去にも炎上
しかし、中町兄妹が置かれている状況は、かなり深刻なようだ。
「中町兄妹はこれまでも何度か炎上していますが、今回は綾がモデルを降板するなどYouTube外への影響が大きい点と、中町兄妹のチャンネルでは初めて数万人単位で登録者が減少しているのが特徴です。登録者の減少は全体の2%程度と、それほど多くないようにも見えるものの、動画を見ない人に批判されているのではなく、ファンの間で批判的に捉えられているということなので深刻です。YouTuberが炎上した場合、時間とともに鎮火するケースが多いですが、こうした事情のため、早期の収束を図りたいのではないかと推察します」(前出・同)
今回の不適切発言がここまでの大炎上を引き起こした背景について、前出の編集長は「きっかけとなったXの投稿に悪意があったと感じています」とも話す。
「テロップがついた2枚の画像を並べて、あたかも中町綾が、事故の被害者が早く死んだら笑えると発言したかのように受け取れる切り取り方になっていました。事故を笑ったこと自体は不謹慎ではあるものの、こういう切り抜き方でなければここまで大炎上はしていなかったと思います」(前出・同)
コンプライアンスチェック、スタッフはいない?
そもそも、中町兄妹ほどの人気YouTuberは、複数人のチームを組んで活動していることがほとんど。事前に動画をチェックするスタッフはいないのだろうか?
「編集スタッフはいるはずですが、コンプライアンスチェックをするスタッフはいないと思います。YouTuberの運営スタイル上、週に数本のペースで動画を量産する必要があるため、そこに時間や費用をかけられるYouTuber自体珍しいと思います。中町兄妹は学生時代に活動を始めて成功した例ですが、YouTuberには、社会人経験がないまま成功する人が多く、一般企業で身につけられるような常識に欠けるケースが見られます。一方で、そうした型にはまらない個性が視聴者を引きつける要因にもなっています。
人気の高まりに伴って視聴者の裾野が広がると、価値観の合わない視聴者も増えるので、炎上のリスクが高くなります。現在のトップYouTuberもほとんど全てが炎上を経験しています。炎上経験を踏まえて徐々にリスク管理の意識や体制が整えていくのがYouTuberの成長過程の一つと言えるでしょう」(前出・同)
YouTuber事務所に所属していても炎上する理由
ただ、中町兄妹は、SNSプロモーション・マネージメント専門会社「株式会社トキメキクリエイト」に所属しており、周囲に常識的な大人も多そうだが……。
「芸能人と異なり、YouTuberは事務所に所属していたとしても、力関係ではYouTuberのほうが上である場合が多いです。これは、多くのYouTuberが自力で成功した後に事務所へ所属するケースが多いこと、またYouTubeは誰でも投稿できるため、テレビ業界のように事務所が出演枠を確保する必要がない(できない)点が影響しています。
そのため、事務所はYouTuberを管理・コントロールするというよりも、PR案件の紹介をするなどサポート役に回ることが多く、事務所に所属しているからといってチェックを受けているとは限りません」(前出・同)
中町兄妹やコムドット、熱心なファンとアンチの二極化
中町兄妹やコムドットをはじめとする人気YouTuberは、熱烈なファンが多い一方で“アンチ”も多く、ファンの二極化が目立つ印象もある。
「急激に人気が出たり、過激な発言などで善きにせよ悪しきにせよ目立っていると、アンチを引き付けやすい傾向があります。特徴的なキャラクターであれば熱狂的なファンがつきやすい一方で、アンチも生まれやすく、二極化が進みやすい傾向にあると感じます。ただし、世間にキャラクターイメージが定着してしまえば、アンチは目立たなくなります。日本のYouTuberの代表格であるヒカキンは、現在では『聖人』と称され、アンチが少ないように見えますが、かつては誹謗中傷を受け続けていました。しかし、ヒカキンは一貫して誠実な行動を取り続けることで10年近くかけて評価を徐々に変えていきました。ヒカキンの対極的存在と言えるヒカルは、自分らしいスタイルを貫き続け、少々のことでは全く炎上しなくなりました。
昨年、メンバーが活動を休止したスカイピースは、炎上後の立ち回りが下手だったとも言われています。炎上時の対応次第でその後の評価が大きく変わる点も、YouTuberの二極化に影響を与える要素の一つと言えるでしょう」
9日には「コストコ爆買い」動画を公開し、コメント欄上位には「日常に中町兄妹やっと戻ってきて本当に嬉しい」といった好意的な書き込みばかりが並んでいる中町兄妹。そんな温かい声とは裏腹に、鎮火にはまだ時間がかかりそうだ。