松たか子『ファーストキス 1ST KISS』2.5億発進、口コミは『はな恋』超え! 映画興行収入ランキング
【サイゾーオンラインより】
最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、2月7~9日)で、松たか子が主演を務める実写映画『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開)が初登場1位を獲得した。
目次
・『ファーストキス 1ST KISS』、『はな恋』超えのヒットなるか
・アニメ映画『野生の島のロズ』、コラボ宣伝で大健闘!?
・『ショウタイムセブン』、韓国版と比較し厳しい意見も
・全国映画動員ランキングトップ10(2月7~9日、興行通信社調べ)
松たか子主演『ファーストキス 1ST KISS』、坂元裕二脚本『はな恋』超えのヒットなるか
2月10日発表の全国週末興行成績ランキングで首位に立った『ファーストキス 1ST KISS』(以下、『ファーストキス』)は、結婚して15年になる夫を事故で亡くした主人公・硯カンナ(松)が、タイムトラベルする手段を得て過去へ戻り、自分と出会う直前の夫・駈(松村北斗/SixTONES)と再び恋に落ち、彼が亡くなる未来を変えようと奔走するラブストーリー。
脚本は、TBS系ドラマ『カルテット』(2017年1月期)やフジテレビ系『大豆田とわ子と三人の元夫』(21年4月期)でも松とタッグを組んだ坂元裕二氏。さらに、やはりTBS系で放送された『アンナチュラル』(18年1月期)や『MIU404』(20年6~9月)、その2作と同じ世界線が舞台の映画『ラストマイル』(24年)、さらに今週も7位につけている『グランメゾン・パリ』(24年12月30日公開)など数々の話題作を手がけてきた塚原あゆ子氏が監督を務める。
有名脚本家や監督に、実力派の松が主演、人気アイドルグループのメンバーで俳優としても実績を重ねている松村が相手役ということもあり、期待値が高かったとみられる『ファーストキス』。全国332スクリーンと大規模で上映を開始し、初日から3日間で観客動員17万4,000人、興行収入2億5,400万円をあげ、1位発進を遂げた。
鑑賞済みのネットユーザーからも、「切ないけど観てよかった、また観たいと思える映画」「恋愛モノに苦手意識のある自分でも引き込まれた」「役者さんたちがいい味出してる」といった評価が寄せられ、「これぞ坂元裕二作品」「坂元裕二らしさを濃縮した映画」「坂元裕二ファンとしては見逃せない」という声も目立つ。
この結果について、映画ライターのヒナタカ氏は、以下のように分析する。
「比較対象として興味深いのは、同じく坂元氏のオリジナル脚本によるラブストーリー映画『花束みたいな恋をした』(以下、『はな恋』)です。同作は21年1月のコロナ禍での公開にもかかわらず、公開初日3日間の興行収入は2億6,000万円、累計で38億1,000万円という大記録を達成しました。その『はな恋』同様の興収で発進し、同等かそれ以上に主演2人の演技などに絶賛の声が寄せられている『ファーストキス』は、レビューサイト『映画.com』で4.1点、『Filmarks』で4.2点など、『はな恋』を超えるスコアを記録している(2月12日現在)ことからも、大ヒットが期待できるでしょう」
一方で、懸念点もあるようだ。
「現在、赤楚衛二主演の『366日』(1月10日公開)が若者の間で大評判となり、右肩上がりに動員を伸ばして4週目にして1位、5週目でも3位につけています。また、2月28日公開の『知らないカノジョ』や3月7日公開の『35年目のラブレター』などのライバル作品の公開も待ち受けているので、『ファーストキス』はこのまま初週の勢いをキープできるかが、今後のカギとなりそうです」(同)
綾瀬はるかが吹き替えのアニメ映画『野生の島のロズ』、コラボ宣伝で大健闘!?
そんな『ファーストキス』と同日公開の長編アニメーション映画『野生の島のロズ』は2位、阿部寛主演の実写映画『ショウタイムセブン』も5位にそれぞれ初登場。
前者は米作家のピーター・ブラウン氏による児童文学『野生のロボット』シリーズを原作に、『シュレック』(01年公開)などで知られるドリームワークスが製作。日本語吹き替え版ではロズ役を綾瀬はるかが担当。初日から3日間で動員12万2,000人、興収1億7,000万円を記録した。
前出のヒナタカ氏は、こう解説する。
「海外のアニメ作品というと、日本ではディズニー・ピクサーのブランドがやはり強く、ドリームワークス制作のアニメは、まだファミリー層に浸透しきっていない印象が強くあります。代表作の『シュレック』は日本でも累計で22億円を超えましたが、近年では22年公開の『バッドガイズ』や23年公開の『長ぐつをはいたネコと9つの命』は累計でそれぞれ3億円台、2億円台の興行成績でしたし、そもそも日本で劇場公開がされない作品も多々ありました。
ただ『野生の島のロズ』は作品評価がとてつもなく高く、アプリ『スイカゲーム』やファミリーレストラン『ガスト』とのコラボ宣伝も目立っており、その結果もあってか大健闘といえる初動成績です。2月公開で平日のファミリー層の動員があまり見込めないのは苦しいところですが、それでも3月7日に『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』が公開されるまでには記録を伸ばすでしょう。本作を機にドリームワークス作品の実力を多くの人に知ってほしいですね」
阿部寛主演『ショウタイムセブン』、韓国版と比較し厳しい意見も
一方、韓国映画『テロ、ライブ』(日本では14年公開)を原作として製作された『ショウタイムセブン』は、国民的ニュース番組『ショウタイム7』の元メインキャスターでラジオ局に左遷された折本眞之輔(阿部)が、爆破事件の犯人との生中継を強行し、極限状態の姿が国民に拡散されていく――という内容。
監督は、映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(23年)などで知られる渡辺一貴氏が務めており、キャストは阿部のほかに竜星涼、生見愛瑠、井川遥、吉田鋼太郎、また公開直前まで発表されていなかったシークレットキャストとして錦戸亮も出演している。
初日から3日間の動員は10万2000人、興収は1億3,900万円とまずまずだが、全国327スクリーンと大規模で封切られたにしてはやや物足りない結果といえるだろう。
ネット上では、「阿部寛の演技が光っていて惹きつけられる」「テレビ局の問題が取り沙汰されている今、『ショウタイムセブン』はある意味タイムリーな作品」「韓国版とは異なるおもしろさ」と好意的な声が上がる一方、「オリジナルの韓国版はもっと緊迫感があった」「日本版は阿部さんと吉田さんだけで持ってたようなもの」と厳しい指摘も。
また、韓国版と比べ、日本版は「結局お馴染みのパターンって感じ」という声もあり、リメイク作の難しさを感じさせられる。
そのほか、今回のランキングで4位だったアニメ映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(1月17日公開)は興収22億円を突破。また、同じくアニメ作品で興収20億円超えとなっている『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(24年12月20日公開)は今回6位で、今月14~20日に入場者プレゼント第九弾、2月21日~入場者プレゼント第十弾(どちらもなくなり次第終了)の配布が発表されている。
全国映画動員ランキングトップ10(2月7~9日、興行通信社調べ)
1位:『ファーストキス 1ST KISS』(初登場)
2位:『野生の島のロズ』(初登場)
3位:『366日』
4位:『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』
5位:『ショウタイムセブン』(初登場)
6位:『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』
7位:『グランメゾン・パリ』
8位:『はたらく細胞』
9位:『アンダーニンジャ』
10位:『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』