『AKIRA』声優・佐々木望、青二プロ移籍で業界内から「文化人としても」期待されるワケ
11月1日、フリーで活動していたベテラン声優・佐々木望が、大手事務所の青二プロダクションに移籍した。業界内では、今後のさらなる活躍に期待が集まっているようだ。
目次
・ 佐々木望の「ほかの人にはまねできない強い個性」
・佐々木望、青二プロへ移籍
・佐々木望、まだまだ将来性アリ!?
『AKIRA』声優・佐々木望を業界関係者が高く評価!「ほかの人にはまねできない強い個性」とは?
1986年10月~87年2月放送のテレビアニメ『ドテラマン』(日本テレビ系)の短鬼役で声優デビューした佐々木。
“少年声”が売りで、劇場アニメ『AKIRA』(88年)鉄雄役で一躍有名になり、少女漫原作のOVA『ここはグリーンウッド』(91年11月~93年3月)の蓮川一也役、テレビアニメ『幽☆遊☆白書』(フジテレビ系、92年10月~95年1月)の浦飯幽助役で主演を務めた。
また、海外ドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』シリーズのデビット・シルバー役を担当したブライアン・オースティン・グリーンの吹き替え声優としても知られている。
20代の頃はアニメ『鎧伝サムライトルーパー』(テレビ朝日系、88年4月~89年3月)で共演した草尾毅、竹村拓、中村大樹、西村智博らと「NG5」というユニットを結成して音楽活動も行い、大人気を博した。
制作会社関係者によれば、佐々木はデビュー当時から、「業界内でその実力を高く評価されてきた」という。
「『AKIRA』の鉄雄役で脚光を浴びることとなった佐々木ですが、当時からずば抜けて良い演技をする人でした。ほんのり狂気じみていて、不安定さを感じさせる、ほかの人にはまねできない強い個性があり、人を惹きつけるカリスマ性も持っていました」(同)
さらに、プライベートも抜け目がなかったそうだ。
「彼は自己プロデュースが非常に得意で、寡黙な人。仲間内でもあまりプライベートは見せることはありませんでした。『NG5』でアイドル的な人気があった頃も、決して有頂天にならず常に冷静かつ客観的に自分を見つめ、派手な女遊びもしなかった印象です」(同)
声優・佐々木望、フリーを経て青二プロダクションに移籍
そんな佐々木は、デビュー当初から所属していたアーツビジョンを辞めた後、フリーで長期間活動。2001年に81プロデュースへ所属となったが、13年に退所して再びフリーの道へ。そしてこのたび青二プロに移籍することとなった。
佐々木は11月1日、自身のXで「このたびご縁がありまして青二プロダクション所属となりました」(原文ママ、以下同)と報告。「新しい環境においていただいたことをとてもありがたく光栄に思います」と喜びをつづりながら、「これからも楽しくがんばってまいりますね! 皆さま今後ともよろしくお願いいたします!」と所信表明した。
「青二といえば、若手からベテランまで幅広い層を擁する業界最大手の事務所。近年、他事務所からの移籍者が増えており、岩田光央(19年6月) 、悠木碧や井上麻里奈(22年1月)、佐倉綾音(22年2月)らが主な代表例です。そのためネット上では、現在57歳でベテランの佐々木が今回新たに所属したことを受けて、『また青二か。獲得意欲すごいな』『青二さん、盤石な地盤がさらにカッチカチに……』『ますます人材が豊富になるな』といった指摘が寄せられています」(声優ライター)
声優・佐々木望、青二所属で 「まだまだ将来性アリ」!?
なお、佐々木の青二プロ所属の背景について、ある声優事務所関係者は以下のように分析する。
「最初にフリーになったときは、声優という職業に興味をなくし、そのまま辞めてしまうのではないかと思っていたので、81プロデュースへの移籍が発表された際には、『まだ声優として活躍したい気持ちがあるんだ』と感じました。再びフリー期間を経て、57歳という年齢で青二を選んだということは、声優人生“最後の場所”として考えているのかもしれません。そう簡単に入れる事務所ではありませんし、たとえ名が知られていても、年齢によって入所を断られる人は多くいますから、佐々木はまだまだ将来性がある声優だと期待されているのでしょう」(同)
ちなみに、30代のときに喉の調子を悪くした佐々木は、持ち味だった高い声が出なくなった際、発声法や演技について基礎から学んだことで勉強の楽しさを再確認し、仕事を続けながら40代後半で東京大学文科一類に合格。20年3月に法学部を卒業したことを発表して大きな話題を呼んだ。
「日本の有名声優が誰も成し遂げていない”東大卒”という肩書もあり、声優としてはもちろん、文化人として、今後は青二で声優以外の仕事の幅も広げていくのでは」(同)とのこと。
実力、人柄ともに申し分のない佐々木が新天地でどんな活動を展開していくのか、今後の動向に注目だ。