ラーメン店倒産ラッシュでも【町田商店】増加中! 利用したら「拍子抜け」したワケ
閉店ラッシュが報じられているラーメンチェーン「幸楽苑」。その閉鎖店舗を、家系ラーメンチェーン「町田商店」が譲渡したとのこと。幸楽苑の跡地に町田商店にオープンするケースも増加中とのことで、拡大中のチェーン「町田商店」本店へ行ってきました。
※2024年4月2日公開の記事を再編集しています。
目次
・ラーメン店が倒産ラッシュ
・【町田商店】とは?
・【町田商店】本店へ行ってみた
・【町田商店】ラーメン800円実食
・【町田商店】ファミリー利用できる“とっつきやすい”魅力
ラーメン店が倒産ラッシュ
「帝国データバンク」によると、ラーメン店が倒産ラッシュを迎えているとのこと。2024年に発生した「ラーメン店」経営事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、7月までに49件(昨年53件)。過去最多となった20年の54件を上回るペースで、この調子でいくと初の年間100件台に到達する可能性もあるといいます。
その背景に、食材の高騰によるラーメン原価の負担増が指摘され、2年前から比べるとコストは1割超だとか。値上げをして客足が遠のき閉店を迎えたケースもあると伝えています。
一方で、家系ラーメンチェーンの「町田商店」は、23年11月〜24年6月までの月単位の売り上げは「昨年同月比」を超える好調ぶり。急拡大中の「丸源ラーメン」や「ラーメン魁力屋」も存在感を高めています。
【町田商店】とは?
国内に147店舗を展開する家系ラーメンチェーン「町田商店」(2024年8月現在)。08年に1号店を東京都町田市でオープンしてから、22年に過去最高の経常利益を記録した、いま拡大中のチェーン店です。
都市部では、「代々木商店」「池袋商店」「四谷商店」のように、地名を冠した「◯◯商店」の店名も多く出店しています。
3月中旬、ラーメン店チェーンの幸楽苑ホールディングスが運営する「幸楽苑」の21店舗を、町田商店を運営する株式会社ギフトホールディングスが承継することが明らかに。閉店ラッシュが報じられている幸楽苑ですが、その跡地に町田商店がオープンするケースがあり、ネット上でも「幸楽苑が町田商店になってる」との声が上がっています。
なお、株式会社ギフトホールディングスは、ガッツリ系ラーメン業態「豚山」と油そば業態「元祖油堂」なども展開し、跡地がこれら業態になるケースもあるもよう。
【町田商店】本店へ行ってみた
実は、「ラーメンなんて日高屋とカップ麺があればいいだろ」と思っている口の筆者。「家系ラーメン」は約10年前一度だけ行ったことがあるものの、威勢の良い店内の雰囲気やトッピングであれこれ乗っける煩雑さが苦手で、以降利用していませんでした。しかし、今回はまっすぐな気持ちで向かい合いたいと思います。
土曜の昼1時過ぎ、町田商店本店へやってきました。看板の「町田商店」の太い筆文字からテンションの高い「圧」を感じて気持ちがひるみます。ドアを開けると、3人組のファミリーが券を購入中。ファミリー層も使える系統だとわかりちょっと一安心しました。
初めてなので王道の「ラーメン」800円を券売機で購入しました。ライスは大学生無料とのこと!
土曜の昼時とあって満席。客層は母と娘らしき2人組や、女子大生風のグループ、そしてファミリー客、カウンターは男性一人客という構成です。家系というワードから、ラーメンにこだわりが強い人が無言で食べている店と思っていたので、親子やファミリーはかなり意外でした。
席につくとカスタマイズはどうするのか聞かれます。「初めてなのでわかりません」と素直に伝えると、麺の硬さと味の濃さと油の量を選べると教えてくれました。今回は全部「普通」でいきます。
店員に目をやると、女子大生風が3人と線の細い男性が1人という布陣。これまた、いかつい体形の威圧感あるラーメン店主と威勢のいい店員を想定していただけに、良い意味で拍子抜けです。
オーダーを大声で連呼もしないし、なんならちょっと静かなくらい。この雰囲気なら、なじめそうです。
【町田商店】ラーメン800円実食
ラーメン到着。
中太麺に、チャーシュー、ほうれん草、海苔、うずらの卵。スープをすすると、濃厚なとんこつにびっくり! こんなに塩分を摂取して腎臓は大丈夫なのだろうか……と不安になりながらも、麺を口にすると、シンプルに「うまい」!
もちもちした麺の存在感が、筆者の知ってるラーメンよりも、うどんに近い感じです。これは満足感ありそう。具のほうれん草は口をリセットするのはもちろん、栄養素のカリウムによって塩分を少しだけでも排出してくれそうです。
びっくりしたのはチャーシュー。箸で持ち上げると切れてしまうほどトロットロ!
そしてうずらの卵。ラーメンがこってりしてるので、卵のサイズもこのくらいのほうがくどさを感じずおいしく食べられるように思います。
味変は「お酢や生姜でさっぱりさせるのもグー」
カウンターに掲示してある「家系ラーメンの楽しみ方」によると、家系の魅力は「味変」とのこと。ニンニク、豆板醤、生姜は三種の神器で、「お酢や生姜でさっぱりさせるのもグー」というので、生姜を試してみました。
卓上にある「しょうが」をラーメンに乗っけて食べてびっくり!! なんと酢漬けのしょうが、つまりガリ! 刻み生姜を想定していたので、思わぬ酸味に驚かされましたが、たしかにさっぱりしておいしい。
背後の女子大生風2人組が「ニンニクと豆板醤でしょ」「絶対にんにく!」と話していたので、ニンニクと豆板醤を試してみました。
なるほど、ニンニクのガツンと感がスープと良い勝負をしてくれます。しかし豆板醤を入れすぎてしまい、かなりしょっぱくなってしまいました。反省です。
【町田商店】ファミリー利用できるとっつきやすい魅力
完食したところで、店の雰囲気をあらためてとらえてみました。常連らしき高齢者が店員に話しかけていたり、食べ終わった親子が席で話し込んでいたり、ラーメンを食べながらスマホでドラマを見てる人がいたり、かなりリラックスした空気感で、人気チェーンというよりも町の中華屋といったムード。
また、店側は「完まく」コール(スープを飲み干したあとに「完まく」と伝えること)を用意していますが、滞在中にそれら言葉は聞こえてきませんでした。さらには、カスタムを聞かれた男性客が「全部普通でいいです」と返しているのを聞いて、店員と客の良い意味での気負いのなさに好感を抱きました。
また、店によってはキッズメニューや駄菓子屋コーナーを併設しているところもあるようなので、ファミリー層が行くにはありがたいでしょう。
なお、株式会社ギフトホールディングスの22年10月期決算説明会では、フードコートへの出店を狙っていること、うまくいけば数百から500店を拡大できると説明。こちらも、フードコートに多数出店中の幸楽苑に取って代わるのか? 今後、どこまで店舗を増やすのか注目したいです。