チャールズ国王と天皇皇后両陛下、お別れの場の「めったに見られない」話題のシーンは?
チャールズ国王からの招請を受け6月22日に英国入りした天皇皇后両陛下が、25日から27日まで国賓として国王とカミラ王妃から最上級の“おもてなし”を受けた。
目次
・天皇と英国王のつながり
・チャールズ国王のスピーチが大きな話題に
・天皇陛下が行ったスピーチは?
・カミラ王妃は好感度◎
・晩餐会の食事メニュー
・「国王がこんなに心を許している姿はめったに見られない」シーンとは?
天皇と英国王のつながり
抗がん治療中であることを忘れさせるほど、天皇皇后両陛下をフルアテンドしたチャールズ国王。いつもポケットに手を入れ気難しそうな顔をしている国王が、両陛下の前では表情を崩しっぱなしで、馬車パレード中も晩餐会でも、どれだけ積もる話があるのかと思うほど会話し続けた。
両手を大きく広げたり、ボディタッチをするなどポジテイブなボディランゲージを炸裂させていたことから、ネット上では「心からおもてなしをしたいという気持ちが見える」「純粋におもてなしをしたいのだろう」「国王がここまでホストに徹している姿は見たことがない」と感じた人が多かった。
天皇陛下は1983年から85年までオックスフォード大学に留学していた時に、チャールズ国王と初めて会い、84年の夏にエリザベス女王の招待を受けスコットランドのバルモラル城に滞在した時に、チャールズ3世と一気に距離を縮め、陛下にとって兄のような存在になった。
チャールズ3世も同じ立場である陛下を信頼しており、「短気で気難し屋といわれる国王だが、陛下と一緒にいる時は、いつも心を許したような表情になる」といわれるようになった。
チャールズ国王のスピーチが大きな話題に
25日に開催された歓迎式典では、両陛下の到着が遅れたことから国王は時計をチラチラ見て落ち着かない様子だったが、ウィリアム皇太子と共に両陛下が到着すると顔がほころび、がっちりと握手。カミラ王妃と皇后陛下雅子さまもにこやかに言葉を交わし、とても良い雰囲気の中で式典は執り行われた。
宮中晩餐会に先がげ、国王は陛下に英国最高位「ガーター勲章」を授与。明治天皇から5代続いて授与されている日英の強い結びつきを誇示するもので、陛下はガーター勲章を着け晩餐会に出席した。なお、ガーター勲章は主にキリスト教徒が対象で、異教徒に与えられた例は歴代天皇のみという。
晩餐会の直前、会場を満足そうな顔でチェックしていた国王は、晩餐会でも終始機嫌が良く、スピーチも「英国にお帰りなさい」と日本語を交えてスタート。400年以上にわたる日英の深い絆について深く語るスピーチには、『君はどう生きるか』『千と千尋の神隠し』『ポケモン』そしてハローキティと、世界中の若い世代が反応するようなワードも入っており、ネット上では「ハローキティがイギリス生まれの50歳だって初めて知った!」と驚きの声が上がった。
スピーチの終わりには、1613年に徳川家康がジェームズ1世に送った手紙の文章を紹介。ネット上では、アメリカで大ヒットしている映画『SHOGUN』は、英国ではリアルな付き合いがあった人物であり、英国と日本にはほかの国にはない歴史があるのだと強調するものと受け止める人が多くいた。
SNSでは、国王がポケモンの名を出した時に、ウィリアム皇太子の微笑む姿が「ダイアナ元妃そっくり」と話題に。「内容もだけどいろいろな意味でこんなに印象に残る国王のスピーチは珍しい」と大きな話題になった。
天皇陛下が行ったスピーチは?
続けて天皇陛下が行ったスピーチは、日英の友好関係の深さと個人的な王族との親交をエピソードを交えて語るもので、エリザベス女王には先代、先々代と王室によくしていただいたと感謝。最後に永続的な友好親善を誓うと述べ、会場は穏やかな雰囲気に包まれた。
戦後生まれ同士ということもあり、世界大戦については、陛下が「両国の友好関係が損なわれた悲しい時期もあった」と軽く触れたのみで、国王は一切触れず。共に未来志向の価値観を持つことを共有した形となり、「英王室と皇室はスリム化だけでなく、こういうところも似ているのか」とネット上で話題になった。
カミラ王妃は好感度◎
カミラ王妃は、皇后陛下が「お好きそうなものを」と一生懸命選ばれた佐賀錦のハンドバッグを、さっそく晩餐会で使い、「こんな心遣いができるのか」と好感度がアップ。
また晩餐会に、エリザベス元女王お気に入りのビルマ産ルビーをあしらったティアラ「バーミーズ・ルビー」を着用した王妃は、出来上がったばかりのチャールズ国王が描かれた肖像バッジ「ロイヤルファミリーオーダー」をお披露目。
陛下の横に座ったソフィー王女は、いつも着用するアンテミオン・ティアラではなく、王妃から貸し出されたロータス・フラワー・ティアラを着用。キャサリン妃が何度か着けたティアラであることから、出席できなかった妃も歓迎しているというメッセージが込められているのかもしれないと推測する声が上がった。
そのほか、馬と接触して負傷したアン王女も晩餐会を欠席したが、ホストであるチャールズ国王とカミラ王妃の仕事っぷりが見事だったため、シニア王族がほとんどいないことを気にするメディアはあまりなかった。
晩餐会の食事メニュー
米英メディアはこぞって晩餐会についての特集記事を掲載。テーブルには、バッキンガム宮殿やウィンザー城のイロハモミジの木やバラなどの美しい花をチョイスされていたこと。
晩餐会のメニューには肉ではなく野菜をたっぷり使い、メインは魚料理のコースで、桃のシャーベットがデザートだったとのこと。ゲストの好みを考慮してメニューを決めるらしいと紹介し、両陛下のイメージにぴったりだと話題に。
お酒は、チャールズ国王御用達シャンパンとして知られる「ローラン・ペリエ・キュヴェ ロゼ NV」、当たり年である2014年の最高レベル「シャトー・アングリュデ、マルゴー」、ニュージーランドワインの「クメウ・リバー、ハンティング・ヒル・シャルドネ2016」、イングランドのスパークリンワイン「コート・アンド・シーリー・ブリュット・レゼルヴNV」を選んでおり、親しい友人向けのチョイスだとこちらも話題になった。
「国王がこんなに心を許している姿はめったに見られない」シーンとは?
7月の総選挙で保守党が政権を失う可能性が高いとみられるなど、政権不安定な英国だが、今回の天皇皇后両陛下の国賓訪問で、チャールズ国王率いる英王室のソフト・パワー外交を高く評価する声が続出。
英日関係の良好な関係の背景には、英王室と皇室の強い絆があるのだということを改めて感じた人が多く、また、国王以上にソフト・パワーを使える政治家はいない、王室は英国になくてはならない、と感じた人が多かったようだ。
バッキンガム宮殿でのお別れの見送りも、名残惜しいのかいつまでも会話を続けており、国王は皇后陛下の両頬にキスをする前に両手を広げ、ネット上では「こんなに心を許している姿はめったに見られない」と話題に。
見送った後にバッキンガム宮殿に入る国王の後ろ姿がとても寂しそうに見え、王妃が励ますように背中をそっと手でポンポンと叩いていたのが印象的だった。