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3000店舗減少【ミニストップ】、買い物して驚いた“ファストフード店”化と異様さとは? 

2024/06/26 19:00
仲宗根由紀子(エンタメライター)
国内外で約2,000店舗展開するミニストップ(C)サイゾーウーマン

 イオン系列のコンビニエンスストアチェーン・ミニストップが、近年、赤字続きで大量閉店しているとか。なぜ窮地に陥ってしまったのか……ミニストップの今を調査してきました。

目次

「ミニストップ」は店舗数減少
「ミニストップ」の売り場をチェック
「ミニストップ」オリジナル商品が豊富

※価格はすべて税込み。
※店舗によって取り扱い商品や価格が異なることがあります。
※2024年6月22日の情報です。

【ミニストップ】赤字続き&店舗数減少で窮地

 セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートに続いてコンビニ業界4位のミニストップは、イオンの連結子会社が運営。コンビニとファストフード店の「コンボストア」を自称しており、店内調理されるホットスナックやソフトクリームにファンも多いようです。

 2015年には国内外の総店舗数が5,000店に達したミニストップですが、その後、業績悪化に伴い規模を縮小。21年に国内2,000店を切ると、22年に韓国とフィリピンから撤退し、24年5月には国内外2,039店(国内1,855店+海外184店)とピーク時の半分以下まで減少してしまいました。


 また、24年2月期の営業損失は約6億円となり、営業赤字は6期連続に。赤字幅は縮小しているようですが、売上高の伸び悩みは明らかで、立て直しにはまだ時間がかかりそうです。

 そんな瀬戸際にいるミニストップですが、24年2月期の決算説明会では「新たなコンビニエンスの創造」を掲げ、ファストフードメニューの提供を一層強化すると発表。しかし、ネット上では需要とのズレを指摘するニュースメディアや、従業員の負担増加を心配する声も見られました。

 ますますファストフード店化が進みそうなミニストップに、早速行ってみます!

【ミニストップ】売り場をチェック!

ミニストップの外観(C)サイゾーウーマン

 週末の夕方、ミニストップに到着! 駅から少し離れた店舗ですが、広い駐車場があるためか、お客さんで賑わっている印象。

 イートインスペースもほぼ満席状態でした。


店内調理商品の多さにびっくり!

 筆者はこの店舗を何度か利用したことがありますが、あらためてじっくり見渡すと、店内調理商品の種類の多さにびっくり。

 ただ、筆者が見たタイミングだと、ホットスナック用の保温ショーケースには「ちびたこやみつきソース」(250.56円)が置いてあるだけで、ほぼ空っぽ状態。

 一方、レジ前に設置された常温の棚には、「ジューシーチキンにんにく醤油」(235.44円)などのチキン系商品や、「北海道まるごとコロッケ(牛肉)」(98.28円)、「ささみしそ巻き(梅風味)8個」(388.8円)などのパック入り惣菜が、9種類も並んでいました。

 なぜ、チキンなどをショーケースに入れないかは不明ですが、このほうがお客さんは気軽に買いやすいのかも?

「店内手作りおにぎり」の種類が多い!

 さらに、レジの前で振り返ると、「当店炊きあげ」「店内手作り」と書かれたおにぎりコーナーがありました。

 この時は「九州の味!かしわめし」(194.4円)の1種類しかなく、ほとんどの棚が空っぽ。時間によっては何種類も並んでいるのでしょうか?

 なお、レジ付近に貼ってあるメニュー表を見ると、店頭に出ている商品以外にも、数々の店内調理商品がありそう。参考までに、公式サイトに載っていた「店内加工おにぎり」商品の一覧を紹介します。

・博多辛子明太子(237.60円)
・高菜明太(237.60円)
・北海道産焼しゃけ(194.40円)
・日高昆布 しそ風味(194.40円)
・玉子焼き明太(237.60円)
・紀州南高梅(194.40円)
・かしわめし(190.40円)
・おにぎりセット かしわめし(453.60円)
・おにぎりセット しゃけ・明太子(453.60円)
・おにぎりセット 焼きおにぎり(453.60円)

 セット商品を含めると10種類もありました。全種類が店舗に並ぶ瞬間があるかはわかりませんが、もはや惣菜屋さんレベルの商品数です。

 もちろん従業員の負担を考えて、オペレーションは工夫しているのでしょう。ただ、筆者が買い物している間、店員さんはほぼ調理場におり、客がレジにくるたびに慌てて出てきていたので、「なんだか落ち着かなさそうだなあ」と感じてしまいました。

 ちなみに、過去にミニストップでバイト経験のある身内いわく、「レジ作業から調理場に戻るたびに、手を洗わないといけなかった」とのこと。現在のマニュアルはわかりませんが、従業員の手荒れ具合いも気になってきました……。

パン売り場をチェック

 パン売り場には、ミニストップのオリジナル商品がずらり。中でも「ハムとチーズのパン(カマンベール風味)」(127.44円)が「不動の売れ筋No.1」だそうです。

 一方、「本体価格100円」コーナーには、「シュガーデニッシュ」や「ビッグ三角チョコチップパイ」(どちらも108円)など、とにかく大きなパンが並んでいました。

こちらが「ビッグ三角チョコチップパイ」(C)サイゾーウーマン
サイズをジェットストリームと比較(C)サイゾーウーマン
チョコチップ少な!(C)サイゾーウーマン

 108円の「ビッグ三角チョコチップパイ」を食べてみました。

 表面には甘いコーティングが薄く塗ってあるのですが、ほとんど袋の内側についてしまったのと、チョコチップが少ないせいで、味が薄い……。また、パッケージに「サクッと食感」とありますが、サクッと感は皆無です。安いのはありがたいけども……。

 おいしく食べたい方は、トースターで焼いてサクッとさせてから、ジャムか何かをつけて食べることをおすすめします。

冷凍弁当が優秀!

 チルドコーナーには、イオングループのPB「トップバリュ」のパウチ惣菜が一面に並んでいました。

 イオン以外のお店で「トップバリュ」が一面に並んでいる光景を見ると、「面白味がないなあ」とちょっぴり萎えてしまう筆者ですが、「トップバリュ」好きにとってはミニストップに通う理由になりそうです。

 一方、冷凍総菜コーナーでは、1人分ほどの量が袋に入った「スパイシー砂肝」(289.44円)や「国産鶏のチキンナゲット」(267.84円)など、ミニストップのオリジナルシリーズ「やみつキッチン」の商品が多く並んでいました。

 その中で筆者が気になったのは、冷凍弁当シリーズ。この店舗では「デミグラスハンバーグ&チキンライス」(429.84円)など3種類を取り扱っており、今回は「タルタルチキン南蛮&鳥五目ごはん弁当」(429.84円)を購入してみました。

「タルタルチキン南蛮&鶏五目ごはん弁当」のパッケージ(C)サイゾーウーマン
開けるとこんな感じ(C)サイゾーウーマン
600ワットのレンジで3分加熱後(C)サイゾーウーマン
肉厚で優秀!(C)サイゾーウーマン

 結論から言うと、鶏五目ごはんも、肉厚のチキン南蛮も、白滝的なおかずも、すべてがジューシーでおいしい! 瞬間冷凍技術のすごさを感じられました。

 いざという時のために、冷凍庫にいくつかストックしておくと便利そうです。

お菓子コーナーも、ミニストップオリジナル商品だらけ!

 常温のお菓子コーナーへ行くと、やはりミニストップのオリジナル商品が豊富!

 今回は「Xフライドポテトみたいなポテトスティック スパイシーバーベキュー味」(138.24円)を買ってみました。

「東ハト」が製造(C)サイゾーウーマン
「Xフライドポテト」より小ぶり(C)サイゾーウーマン

 138.24円と安いわりに、たくさん入っていました。食べてみると、想像以上にスパイシー! ポリポリ食感で、結構噛み応えがあります。

 子どもよりも大人に好まれそうな味。ビールによく合いそうです。

【ミニストップ】は宣伝不足? 店員さんが「大変そう……」

 今回、ミニストップで買い物してみて感じたのは、主に3つです。

(1)いつの間にか店内調理商品が増えていた!
(2)「トップバリュ」商品以上に、ミニストップオリジナル商品が多くて楽しい
(3)店内調理とレジ打ちで、従業員が大変そう

 セブンイレブンなどの大手コンビニ3社に比べ、オリジナル商品が少ないイメージを勝手に抱いていたのですが、実際はミニストップのマークがついたオリジナル商品だらけ。商品開発にかなり力を入れている様子がうかがえました。

 加えて、店内調理商品の種類が以前よりも増えており、こうした独自の路線ラインアップは間違いなくミニストップの強みといえそうです。

 一方、調理場とレジを行ったり来たりする店員さんを見ていると、客側としてなんだか申しわけない気持ちになったのも事実。こちら側が「大変だろう」と決めつけるのも失礼な話ですが、多くの時間が「無人レジ」と化したコンビニは、少々異様さも感じました。

 また、今回この記事を書いていて気になったのですが、オリジナル商品の公式情報がネット上に少ない印象。

 例えば「やみつキッチン」や「タルタルチキン南蛮&鶏五目ごはん弁当」と検索しても、筆者が食べた冷凍弁当の情報は出てきませんでした(どこかにあるのか?)。

 今や商品はネットでバズる時代ですし、せっかく良い商品を提供しているのに、ネット検索しても情報が出てこないのは「宣伝不足」を疑わずにはいられません。「やみつキッチン」がおいしかっただけに、もったいないな~という気持ちになりました。

 とはいえ、頑なに独自路線を貫くミニストップのひたむきさには、一消費者として多くの魅力も感じました。今後、どんな進化を遂げるのか注目していきたいと思います。

仲宗根由紀子(エンタメライター)

仲宗根由紀子(エンタメライター)

芸能誌の編集を経て、現在は国内・国外ドラマレビューを中心に執筆するライター。人気俳優のインタビュー経験多数。

最終更新:2024/06/27 11:45
店員さん裏にいるから、何人で回してるのかわからなかった