小田急のスーパー【Odakyu OX】、私鉄系スーパーで独自路線? 商品構成にビックリのワケ
小田急電鉄の食品スーパー「Odakyu OX」。数年ぶりにのぞいたところ、セブンプレミアムの商品がズラッと展開されて驚きました。店頭の変化をレポートします。
目次
・【Odakyu OX】とは
・【Odakyu OX】衝撃のワケ
・電鉄系PB「Vマーク」とは?
・【Odakyu OX】高級感もちゃんとある
【Odakyu OX】とは
小田急電鉄の完全子会社、小田急商事のスーパーマーケット「Odakyu OX」。“都市型スーパーマーケットとして、「上質」と「感動」をみなさまへ”を掲げています。
公式サイトによると、上質志向の方も満足させられるように「あらゆる面で上質な店づくり」を目指しているとのこと。商品コンセプトは「健康・安全・安心・美味・簡便性」。
小田急線沿いを中心に、現在は東京・神奈川に31店舗を展開しています。
【Odakyu OX】商品構成に衝撃のワケ
およそ5年ぶりに訪れた「Odakyu OX」。売り場の印象が大きく変わっていてビックリしました。
というのも、売り場のあちこちにセブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランド「セブンプレミアム」商品が置かれているんです! 「セブンプレミアムのフェアでもやってるのかな……?」なんて思ったものの、フェアどころじゃない商品の充実ぶりで、いったいOdakyu OXになにが起こったのかと疑問を抱えて店を出ました。
もしかして、Odakyu OXがセブン&アイHDの傘下になったとか……? と検索してみると、予想だにしない事実が発覚。
Odakyu OXは2021年8月からセブンプレミアム商品の取り扱いを開始。「流通ニュース」21年5月14日付の記事は、「市場から高く評価されている『セブンプレミアム』の導入は、小田急商事、ひいては小田急グループの企業価値をさらに向上させるものと確信しているという」と報じています。
これに伴い、私鉄系スーパーマーケットの共同出資会社「八社会」によるプライベートブランド「Vマーク」の取り扱いを22年2月末で終了したとのこと。同時に八社会からも脱退しました。
つまり、Odakyu OXは私鉄系の仲間と作り上げてきたPBよりも、セブンプレミアムのほうが自社にプラスになると判断した――ということですね。
個人的には、Odakyu OXは庶民的なスーパーではなく「やや高級スーパー」の印象です。セブンプレミアム商品は、その高級イメージをだいぶ損なっている気がするのですが……一方で、喜ぶ層もいるのでしょう。
電鉄系PB「Vマーク」とは?
一方で、取り扱いをやめた「Vマーク」にどんな商品があったのか覚えているかと問われれば、まったく記憶にないのも事実。
ネット上では一部で「Vマークが買えないなら、Odakyu OXで買い物しない」「Vマークの商品が好きだった」といった声がポツポツ見受けられるので、ブランドのファンも一定数いる模様です。
Vマークの公式サイトでは、商品についてこのように特徴が挙げられています。
①私鉄系スーパーマーケットの総力を挙げ厳しい目で開発!
②Vマークグループ対象310店舗で販売!
③良品質でお得な価値(バリュー)商品を!
私鉄系スーパーマーケットとは、京王ストア・リブレ京成・京急ストア・そうてつローゼン・東急ストア・東武ストアとのこと。これらの共同開発商品がVマークなのですね。
そこで、セブンプレミアムとの違いをチェックすべく、東急ストアに行ってVマークを見てきました。
こちらはVマークのロースハム322円(税込、以下同)。製造は丸大食品株式会社。なんの変哲もないハムです。筆者が普段口にしているハムより塩味が強い印象を受けました。
Vマークの中で「もう⼀つ上の美味しさを追求したブランド、グルメテーブル」から、粉コーヒー。有名な小川珈琲の商品で150g570円。
よそのスーパーで小川珈琲とコラボしたPBを見たことがないので、ちょっと驚きました。特別感がありますね! なお、この商品の上段で売られていた、Vマークではない小川珈琲の「小川プレミアムブレンド」は160g646円でした。
ちなみに、この日の東急ストアにおけるVマークの小粒納豆は84円(40g×3個)。同日のOdakyu OXでのセブンプレミアム「うま味極小粒納豆」は85円(g不明×3個)。どちらもタレ・からし付きです。
【Odakyu OX】高級感もちゃんとある
セブンプレミアムの導入でOdakyu OXの高級感が損なわれるのでは? と心配したものの、店をぐるっと見て回ると、精肉や鮮魚、生鮮食品は見るからに質が良さそうで、相変わらずのOdakyu OXでホッとしました。特に本まぐろへの気合は強く感じられるので、いつか購入してみたい!
また、冷凍食品はセブンプレミアムがズラリと居並ぶ一方で、ワクワクするものもたくさん。ANAの国際線エコノミークラスの機内食シリーズや、デパ地下で人気の総菜屋「RF1」系列の商品には興奮しました!
私鉄系スーパーの中では独自路線を進むことになったOdakyu OXですが、今後の商品展開を楽しみにしたいと思います。