コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第698回】

腐ってもキムタク! 主演ドラマ『Believe』視聴率下落でも……女性週刊誌の“持ち上げ”方は?

2024/05/14 21:40
神林広恵(ライター)
主演ドラマの数字が注目される木村拓哉(写真:サイゾーウーマン)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 政治団体「つばさの党」が公職選挙法違反の疑いで警視庁から家宅捜索を受けた一件。これまでも同党は他候補者や小池都知事などに対し“絵になる行為”を行ってきたが、マスコミはこれをさほど大きく報じてはこなかった。特にテレビが大好きな“絵になる”素材だったのに。異常なる抗議を恐れてか? 家宅捜索で一斉報道に相成っている。

目次

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
「腐ってもキムタク」を持ち上げる女性週刊誌
中森明菜のディナーショーは7万8,430円
広末涼子よりすごかった不倫女優

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3

第698回(5/8〜5/14発売号より)
1位「木村拓哉秘話 ドラマ撮影緊迫トラブル『スマホちょっと待てよ!』」(「女性セブン」5月23日号)
参照「木村拓哉 『ゲームは出ない』固辞する裏に妻の助言」(「週刊女性」5月28日号)
2位「中森明菜 完全復活のステージとデビュー43年で超えた憧れの人」(「週刊女性」5月28日号)
同「明菜完璧歌姫が期す『7万円生誕祭』の中身」(「女性自身」5月28日号)
3位「幸せオーラ満開撮 広末涼子 家族で祝った恋人シェフの誕生パーティ」(「女性セブン」5月23日号)

「腐ってもキムタク」を持ち上げる女性週刊誌

 腐ってもキムタク。そんな言葉が思い浮かぶのがテレビ朝日開局65周年記念作品という肝入りドラマ木村拓哉主演『Believe-君にかける橋-』に関する報道だ。スポーツ紙やネットメディアなども含め、ドラマの反響や視聴率、豪華キャストなどに関する報道が盛んに行われ、キムタクドラマに対する期待を大きく煽っているが、それは女性週刊誌もしかりである。

 まずは旧ジャニ大好き「女性セブン」。初回世帯視聴率が11.7%で春ドラマの堂々トップだったことを紹介し、現場の舞台裏を報じている。いわく“木村と妻役の天海祐希は阿吽の呼吸で現場を牽引”“キャストのチームワークも良好”“皆がドラマを盛り上げようとしている”と。

 そして、とっておきの“秘話”として紹介するのがキムタクのある行動だった。「セブン」によると、撮影現場の屋外でひとり役に入ろうとするキムタクの前に若者の集団が。そしてスマホを掲げながらキムタクの前を自転車で何往復もしたという。これに対しキムタクが自ら口を開いた。「スマホでの撮影はどうかやめてほしい」と。その声は厳しく、若者たちは驚いて硬直し、その場が静まりかえったという。まさにドラマのワンシーン! キムタク、素敵! という極上のエピソードだ。

 「週刊女性」もまた「初回の視聴率は11.7%でしたから、まずまずの数字をキープ」とした上で、ドラマ実現までの紆余曲折を解説する。当初キムタクはテレビ局の報道マンという設定だったが、旧ジャニーズ事務所の性加害問題の影響で白紙に。

 しかし「週女」記事によるとキムタクも降板を考えたが、妻・工藤静香の“今回のドラマは出たほうがいい”との助言で、大手ゼネコンマンという再設定での仕切り直しでドラマ出演が実現したという。つまり夫婦の美談というやつだ。

 「セブン」も「週女」も、こぞってキムタクを持ち上げる。まあ、これまでの御用ぶりからそれも当然だが、しかし実際は、現実はどうなのか。というのも『Believe』の2話視聴率は拡大スペシャルにもかかわらず10.1%と初回に比べ落ち、さらに3話に至っては9.6%に下がっているから。それでも御用マスコミはあまり触れようとしない。さすが、腐ってもキムタクだ。 

 さらに、これまた多くのマスコミは触れないが、『Believe』というドラマ自体もすごい。会社のために犯してもいない罪をかぶり、自ら責任を取る形で刑務所に(そもそもこんなケースで執行猶予がつかないで収監されること自体がありえないが)。さらに妻の病気を知って脱獄を企てるって――。現代の日本において、ドラマ(架空の物語)だとしてもどうなのよ、この設定。

 ツッコミどころ満載だが、しかし今後の視聴率と展開が楽しみでもある。どんな奇想天外なことになるのか、どうツッコむか、という意味でだ。

中森明菜のディナーショーは7万8,430円

 本当か? 本当か? と思ってきたが、ついに中森明菜のディナーショー開催が決定したらしい。YouTubeとかではなく生の明菜がファンの前に立ち、しゃべって歌う。これまで芸能活動本格復帰について盛んに報じてきた女性週刊誌も、当然沸き立った。

 「週刊女性」では、今後の音楽番組出演の可能性や事務所の体制、恩人の逝去など、明菜の復帰をめぐるこれまで経緯や情報を紹介しているが、最も注目したのがディナーショーの“お値段”だ。その額税込で7万8,430円なり。これは明菜が大ファンだという矢沢永吉が2019年に開催したディナーショー7万1,500円(税込)を超えた額だという。芸能史上最高額か!?

 また「女性自身」もディナーショーに応募が殺到していること、またその内容を芸能関係者に予想させるなど、期待を寄せる記事を掲載している。

 本格復帰と何度もいわれながら、これまで実現してこなかった明菜。にもかかわらず少しでも動きがあると、そのたびに復帰を期待する記事を掲載してきた芸能マスコミ。それはひとえに“中森明菜”という存在の大きさからなのだろう。

 そして今回もまた、7月12日からのディナーショーが本当に実現するのか、ドタキャン? そんな心配も当然あるが、当日までハラハラドキドキしながら見守りたい。

広末涼子よりすごかった不倫女優

 こっちもすごいぞ、広末涼子。2023年6月にシェフ鳥羽周作氏との不倫騒動を巻き起こした広末。それから1年半、破局説や結婚説が飛び交う中で「女性セブン」が衝撃の報道を。

 鳥羽氏の誕生日に、広末と2人の子ども(長男を除く)と中華レストランで誕生日会食を開催したらしい。さらにその後、鳥羽氏は子どもたちと仲良くゲームセンターにも行ったという。

 お互い離婚も成立し、マスコミにキャッチされてもなんら問題なし、そんな感じか。でも、もっとすごいのが、同じく2023年11月に不倫を報じられた斉藤由貴だ。今クルーのテレビ東京開局60周年高橋海人主演の大型ドラマ『95』に出演してる! 映画とかじゃなく地上波ドラマだよ! びっくりした。さすがだ。

神林広恵(ライター)

伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」(噂の真相)の元デスク。著書に『噂の女』(幻冬舎)、共著に"『日本を脅かす! 原発の深い闇』『木嶋佳苗 法廷証言』(共に宝島SUGOI文庫)などがある。

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最終更新:2024/05/14 21:42
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