閉店ラッシュ「サンマルクカフェ」の系列店【倉式珈琲店】、食べてわかった弱点は？　

　珈琲チェーン「倉式珈琲店」。親会社は、同店のほかに「サンマルクカフェ」などを全国展開している「サンマルクホールディングス」です。「サンマルクカフェ」が昨今大量閉店している中、倉式珈琲店もその流れに続いているよう。まだ入ったことがないので、どのような店なのか、実際に利用してきました。

※価格はすべて税込です。
※価格や商品は2024年5月8日時点の情報です。
※最新の情報は公式サイトや公式SNSをご確認ください。
※店舗によって取り扱い商品が異なります。

目次

・【倉式珈琲店】とは？
・【倉式珈琲店】店内の雰囲気は？
・【倉式珈琲店】デザートセットを実食
・【倉式珈琲店】満足度高いけど、懸念点も

【倉式珈琲店】とは？

　サンマルクカフェなどを展開するサンマルクホールディングス（HD）は近年、不採算店舗の閉店を進めています。2024年3月期には、これまで閉店した店舗を含めて、グループ全体で70～90店舗の閉鎖を計画していると昨年11月に発表されました。そんな背景から、グループ会社「株式会社倉式珈琲」の経営する「倉式珈琲店」も閉店が続いていたようです。

　同店の珈琲へのこだわりは、注文を受けてから通常よりも細目に挽き、一般よりも短時間でサイフォン抽出していることだそう。これにより、香りが抜けたり雑味が出るのを抑えられるとか。豆の量も一般的な珈琲の1.5倍使用して香りを楽しめるようにしているとのことです。

　また、2021年秋よりスタッフを対象にした本格的なコーヒー研修制度がスタートし、専門的な知識を習得しているとのこと。

　店舗は郊外のロードサイド店舗として出店するケースと、イオンモール等のショッピングモール、駅前などの商業施設に出店するパターンがあるようです。

【倉式珈琲店】店内の雰囲気は？

　筆者宅から近い倉式珈琲店に到着。ショーウィンドウにはフードのほか、取り扱うコーヒーの見本がズラリ。サイフォンなどの器具も販売しているようです。

　こちらは駅に隣接したショッピングセンタービルに入っていて、平日の午後2時の時点で客席は6〜7割埋まっています。客層はベビーカーを席につけた赤ちゃん連れの女性客、大学生風の女性ひとり客や高齢女性の4人グループ、テキストを広げて勉強する中年男性ひとり客など幅広い印象。

　雑誌もいろいろ取り揃えられていて、Wi-Fiやコンセント（席限定）もあるのでゆったり過ごせそうです。店内は大きな窓から日差しがたっぷり降りそそいで気持ち良く、内装や什器はクラシカルで温かみのあるウッディなテイストがおしゃれ。

　カウンターには、さまざまなデザインのコーヒーカップがズラリ。たまに、「好きなカップを選んでください」という喫茶店がありますが、今回聞かれることはなく、少々がっかりしてしまいました。

【倉式珈琲店】デザートプレートセット980円を実食

　今回はカフェラのデザートセットを注文しました。コーヒーがついて980円（税込）というお手頃さ！　コーヒーは倉式ブレンドを選びましたが、単品で520円するので、デザートが3種類もつくこちらは断然オトクです。

　コーヒーが丸型フラスコのままと想定外の登場スタイルで衝撃を受けました！　湯気がもうもうとしているうえ、見慣れぬ装具に戸惑います。

　店員さんによると、フラスコの目盛りが1杯分だそう。2杯近くは飲めそう。コーヒーカップのデザインは、周りを見回したところ全員同じでした。

　さっそく、コーヒーを口にすると、香ばしさと苦味が強く、個人的に好みのテイスト。酸味はほとんど感じられません。そして、これがケーキとバツグンに合う！　

　後味のキレもよいコーヒーなので、スイーツと相性が◎。ケーキを食べたあとにコーヒーを口にして、思わず「あーおいしい」と声が漏れてしまいました。チョコレートケーキを引き立てるナイスパートナー！

　続いては、バニラアイスとバナナ、チョコレートソース、ココアパウダーがかかったクレープ。

　なにも考えずにアイスを口にしたんですが、思わぬおいしさで二度見してしまいました。バニラアイスを食べるのが久しぶりなこともあるかもしれませんが。

　ただクレープ生地は、ソースやアイスに浸っていない部分がパサついていて残念でした。

　最後は、コーヒーゼリー。しっかりとコーヒーの風味があるゼリーです。

　ケーキのときは、コーヒーがサポーターとなって味を引き立てていましたが、今度はコーヒーゼリーが脇役となって、コーヒーの旨みを引き立ててくれます。

　一皿でおいしいデザートが3品も食べられたうえ、こだわりのコーヒーも2杯飲めました！　これで980円は、とんでもないコスパではないでしょうか？　

【倉式珈琲店】満足度高いけど、懸念点も

　今回、閉店が続いているということで訪れた倉式珈琲店ですが、実際に利用すると、居心地の良さ、コストパフォーマンスの高いメニューに魅了されました。筆者が滞在した1時間半の間、お客さんはひっきりなしに訪れていたので、きっと休日は繁盛しているのでは？

　一方で、倉式珈琲店は近年急成長の喫茶店チェーン「星乃珈琲店」「むさしの森珈琲」「高倉町珈琲」などの類似業態だと思われ、そこに並ぶとフードメニューの展開が弱いという懸念も。今回もランチで利用する予定だったものの、ランチメニューやフードメニューに心引かれるものがなかったので、デザートにしたのでした。

　親会社サンマルクHDの方針で行われた閉店ラッシュも、ひとまず落ち着いたと思われる現在。すっかりデザートプレートに魅せられた筆者は、いまある店舗が長く続くことを願っています！