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【ダイエー】大量閉店、イオン傘下10年目の現在は? 食品売場で見つけた驚きの“自社ブランド”

2024/04/30 17:00
サイゾーウーマン編集部
ダイエー外観(写真:サイゾーウーマン)

かつて栄華を誇ったダイエー。総合スーパーのはしりとして小売業界を牽引していたものの、バブル崩壊後から経営不振に。2015年1月にイオン傘下になってから10年の現在の姿を見にいきました。

目次

ダイエーとは?
ダイエー買い物してみた
ダイエー最後の自社ブランドの存在意義

ダイエーとは? 

 1970年代から、日本の小売業界の絶対的な勝者として存在していたダイエー。

 近代日本の小売店で初めてプライベートブランド(以下、PB)を展開したのはダイエーで、第1号は60年に発売したみかんの缶詰といわれているよう。

 90年代半ばには売上高が3兆円に達したといい、栄華を極めるものの、2000年代から業績悪化。09年2月期に270億円の純損失を記録し、14年2月期まで赤字が続いたとのこと。そんなダイエーをイオンは完全買収。15年1月からイオン傘下となり、食品スーパーとして全国に206店舗を運営(2023年6月時点)。ダイエーのPBは消滅しています。


ダイエー、グルメシティ、イオンフードスタイルの違い

 なお、ダイエーは複数の名前で店舗を展開。

 ダイエーのほかグルメシティ、イオンフードスタイルがあり、前者は17年8月、毎日新聞が「『グルメシティ』(90店)を順次改装し、店名を2019年度中に『ダイエー』に変更する方針を明らかにした」と報じています。しかし、現在もグルメシティの名は残っています。

 イオンフードスタイルについては、22年4月、日本食糧新聞が「商業施設内など広域からの集客を見込めるケースはイオンフードスタイルとし、足元商圏を中心とする場合はダイエー屋号を選択する」と報道しています。

ダイエー、実際に買い物してみた

 今回はダイエーを訪問。チラシは、イオンフードスタイルと同じ内容のようです。

(写真:サイゾーウーマン)

 ダイエーが入っているこのビルは、1階がダイエーとフードコートがメインで、2階はイオン系列の100均ショップ・キャンドゥ、西松屋、学習塾など。


 フードコートに隣接するダイエーの売り場を意識的に回ると、「えっ!安い値!」というポップが目に付きました。

 お得な商品の目印らしく、定番の「おかめ納豆極小粒ミニ3」が84.24円。きゅうり1本73.44円、木綿豆腐「とうふの里」1丁(350g)73.44円などがあります。

 しかし、納豆に関してはトップバリュの商品のほうが安く、「安い値!」感は微妙そう。

お得な目印「安い値!」はダイエーのお得商品(写真:サイゾーウーマン)

 なお毎月1日は「一の市」というダイエーの名物企画がある様子。どんなものか気になりますね。

「ダイエー自社牧場」の黒毛和牛

 店内を見て回っていると当然ながらトップバリュが豊富で、イオンで買い物しているのと変わりない気分になってきます。

 そんな中、精肉コーナーでダイエーらしさをようやく発見!

 「ダイエー自社牧場」の黒毛和牛ブランド「さつま姫牛」がありました。

(写真:サイゾーウーマン)

 写真を見てもわかる通り、さしの入った肉はまさに「美」! ほかの牛肉とは明らかにクオリティが違うのがわかります。その分、価格も高めではありますが……。

・さつま姫牛ばら切り落とし焼肉用:698円(100g)

・はこだて大沼牛焼肉用ばら盛り合わせ:606.75円(100g)

 豚肉にも「ダイエーのこだわり」を発見! こちらの「「さつま王豚」はダイエーのこだわり銘柄豚とのこと。きれいな豚肉で、おいしそう。価格はばら薄切りが348円(100g)。ブランド肉ではない国産の豚肉ばらうす切りは258円でした。

(写真:サイゾーウーマン)

 なおイオン系列スーパーでおなじみのトップバリュの肉は、筆者が確認した限りは見当たらず。ダイエーの自社ブランドの肉への自信がうかがえます。

 そのほか目を引いたのは、鮮魚コーナーにあった「お魚屋さんのお寿司」というパック寿司。新鮮かつコスパが高くて魅力的! 中でも、「あじにぎり寿司」(4貫)429.84円、「生本まぐろづくしにぎり寿司」(本まぐろの赤身・中とろ2貫・大とろ、ねぎとろ軍艦3貫)1166.40円がそそられました。弁当コーナーにあるパック寿司とクオリティが雲泥の差でしたよ。

イオンのトップバリュが勢ぞろい

 上記の通り、店内はトップバリュの商品が多数のため、この機会に気になるものをチェックしてみました。

 新感覚のノンアルドリンク「BAR-ish」。ソムリエの絶賛した「campfire」(302.4円)、本当に新感覚でおいしかったです! ただ、陳列棚で缶がベコベコになってるのが多く、きれいなものはわずかでした。

(写真:サイゾーウーマン)

 トップバリュがZ世代向けのおかしとして展開する「トキメクおやつ部」。「ニャムニャムナッツ」ハニーキャラメルアーモンド(170.64円)は商品名通りの味でした。

「ニャムニャムナッツ」は韓国輸入品(写真:サイゾーウーマン)

 「魅惑のスパイスチョコレート」(279円)シリーズは、スパイスを使ってるのが気になり、ナツメグ&ピーカンナッツを購入。ナツメグがしっかりと香り、ナッツの歯ざわりも楽しいお菓子でした。ガーリック&アーモンドも試してみたいです。

製造は東京フード株式会社(写真:サイゾーウーマン)

 そのほか、ペット用品や日用品の展開も豊富でした。ちょうど、うちの猫のおやつが切れていたので購入。トップバリュではありませんが「フリーズドライのムネ肉レバーミックス」481.8円。

「フリーズドライのムネ肉レバーミックス」猫に人気です(写真:サイゾーウーマン)

 

ダイエー一番の驚きは「お肉」

 今回、ダイエーを利用した中で一番の発見はお肉。ダイエーが自社牧場を持ち、黒毛和牛を育てているとは驚きでした。

 17年の全国農業新聞によれば、「小売業が肉牛の繁殖事業に乗り出すのは初めて」とのこと。ダイエー子会社の鹿児島サンライズファームの公式サイトでは、さつま姫牛のほか、ブランド豚・さつま王豚も紹介されていて、子豚と生産者の方のツーショットが素敵! こちらまでニッコリしてしまいました(笑)。

 しかし、一方でお肉以外にイオンとの違いは実感できず……。そのため、このダイエーから徒歩2〜3分の距離にあるイオンにも寄ってみました。

 すると、トップバリュの同じ牛乳がダイエーより11円高く、「フルグラ糖質オフ600g」は54円も高い! ただ、トップバリュの同じバナナはダイエーより11円安く、牛乳と一緒に購入するとダイエーと同額になります。この両店、価格帯は変わらないのかもしれません。

 そのほか目についたのは、ダイエーでやっていた駅弁フェアがイオンではなかったこと、インストアベーカリーが違うこと。逆に言うとその程度しか差は見つからず、よりダイエー自社ブランド肉の存在意義が大きなものに感じられてきます。

 ダイエーのPBは消滅したものの、最後のブランドと思われるさつま姫牛。長く続くよう、機会があれば食べてみたいと思いました。

 

サイゾーウーマン編集部

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最終更新:2024/05/03 16:09
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