ウエルシア初「冷凍食品」の評価は? 栄養士が選ぶ、ドラスト・スーパー・コンビ二【PB冷凍餃子】ベスト3
コロナ禍以降も拡大し続けている冷凍食品市場。中でも餃子は需要が高く、最近ではドラッグストアからもPB商品が誕生しているほどです。そこで今回は管理栄養士の猪坂みなみ先生に、ウエルシア・コスモス・イオン・セブン&アイ・ローソンから販売されている「PB冷凍餃子」5種の中から、健康面からみたおすすめ1~3位を教えてもらいました。
目次
・冷凍餃子の特徴&メリット
・ウエルシア「黒豚をちゃんと感じる幸せの肉餃子」
・コスモス「羽根つきギョーザ」
・イオン「ギョーザ」
・セブン「レンジで焼き餃子」
・ローソン「レンジで簡単!にんにく焼餃子」
・おすすめ1~3位
冷凍餃子の特徴&メリット
――はじめに、「冷凍餃子」について栄養面の特徴やメリットを教えてください。
猪坂みなみ先生(以下、猪坂) 餃子は、小麦粉でできた皮で、肉や野菜などを包んだ料理です。そのため、エネルギーやたんぱく質、ビタミン類を一度に摂ることができるという特徴があります。
しかし、いざ餃子を自宅で作ろうと思うと、食材を細かく刻んで具を作り、それをひとつずつ皮で包んでいかなければならないため、かなり手間がかかると思います。冷凍餃子なら、そんないろいろな食材を一度に摂れる餃子を食べる分だけ手軽に調理できるので、その点がメリットになるかと思います。
また、フライパンで焼くタイプの餃子の場合、料理に不慣れな方は、生タイプですとフライパンに置くだけでも慎重になりすぎて、餃子を転がしてしまうこともありますが、冷凍餃子は形が定まっている分フライパンに並べやすいので、焼きやすいという調理上のメリットもあると思います。
――食べる際に気をつけたい点があれば、教えてください。
猪坂 餃子の具としてよく使われている豚ひき肉は脂身が多く、お肉の餃子をたくさん食べると脂肪分の摂りすぎにつながるという側面があるため、その点には気をつけたいところですね。
――組み合わせにおすすめの副菜を教えてください。
猪坂 餃子にはにらや玉ねぎ、キャベツなどの野菜が入っていることが多いですが、野菜は細かく刻んだり高温で加熱したりすると、一部の栄養素が減りやすくなります。特に水溶性のビタミンCやビタミンB群、カリウムなどが減少している可能性があるため、副菜としてレタスやパプリカ、ピーマン、トマトなどの生野菜サラダを合わせて、ビタミンやミネラルを補うと良いでしょう。
ウエルシア冷凍餃子:たんぱく源をプラスすると◎
――ウエルシア「黒豚をちゃんと感じる幸せの肉餃子」について、成分や具材などの特徴を教えてください。
猪坂 こちらの餃子の特徴は、鹿児島県産の黒豚と国産野菜を使っているという点です。ただし、豚肉だけでなく大豆たんぱくも含まれているので、過度な脂っぽさは気にならないでしょう。1人前なら2回分くらいになりますが、これだけでは摂取できるたんぱく質の量が10g未満と少なめになりますので、豆腐や納豆、ゆで卵などのたんぱく源をプラスして、栄養を補うのがおすすめです。
コスモス冷凍餃子:塩分を控えたい人におすすめ!
――コスモス「羽根つきギョーザ」について、成分や具材などの特徴を教えてください。
猪坂 こちらは自宅で簡単にパリパリの羽根つき餃子を食べることができる商品ですね。具としては、豚肉と野菜(キャベツ、玉ねぎ、にら)が包まれています。1個あたり50kcalくらいで、ほかのスーパーやドラッグストアの冷凍餃子と同じくらいのエネルギーです。やや他社の餃子と比べると塩分が少なめですので、塩分を摂りすぎないように気をつけたい人に向いているでしょう。
イオン冷凍餃子:豚肉&鶏肉をW使用。食物繊維も摂れる
――イオン・トップバリュの「ギョーザ」について、成分や具材などの特徴を教えてください。
猪坂 イオンの冷凍餃子の特徴は、豚肉だけでなく鶏肉も使用されている点です。いろいろなお肉の栄養を一度に摂れる点はうれしいですね。鶏肉だと肉々しさを感じられないのでは? と懸念する肉好きの人もいるかもしれませんが、豚脂がプラスされているため、そこで脂の旨みはしっかり感じられるのではないでしょうか。
また野菜としては、キャベツや玉ねぎ、にらが使われていて、1/2パック(6個)で食物繊維を2.4g摂取することができます。
セブン冷凍餃子:少し小ぶり。糖質の摂りすぎを抑えたい人に
――セブンプレミアム「レンジで焼き餃子」について、成分や具材などの特徴を教えてください。
猪坂 セブンの餃子は、レンジで調理するだけで食べることができるのが便利なポイントですね。また、豚肉などに含まれる動物性の脂肪分は、摂りすぎると動脈硬化などのリスクが上がるといわれますが、この餃子ではお肉の一部が大豆ミートに置き換えられています。
1個あたりの重量は約20g、エネルギーは33kcalくらいと、スーパーやドラッグストアの冷凍餃子よりは一回り小ぶりになっていますが、皮の比率が少し低いので、糖質の摂り過ぎを防止したいという人に向いているでしょう。
ローソン冷凍餃子:皮の比率が低い! 具材感をしっかり味わえる
――ローソン「レンジで簡単!にんにく焼餃子」について、成分や具材などの特徴を教えてください。
猪坂 こちらの商品も、フライパンで焼かずにレンジでチンするだけで食べることができます。具としては国産の豚肉と鶏肉が使用されており、野菜はキャベツ、玉ねぎ、にらが入っています。にんにくの風味もしっかり楽しめますよ。皮の比率は50%とかなり低めなので、具材感をしっかり味わいたいという人におすすめです。
PB冷凍餃子おすすめ1位はイオンの「ギョーザ」
――これら5種類の中で栄養面からみたおすすめ1~3位と理由を教えてください。第3位は?
猪坂 セブン「レンジで焼き餃子」です。レンジ調理だけでOKという手軽さと、具の比率がやや高めという点が、「忙しくて日頃野菜が不足しがち……」という現代人にはむいているのではないかと考え、選びました。1パック5個入りなので、「箸が止まらずつい食べ過ぎてしまった……!」という事態を防げるという点も良いですね。
――第2位は?
猪坂 ローソン「レンジで簡単!にんにく焼餃子」です。こちらも、レンジだけで調理できるという手軽さと、具材の比率が高い点が選定ポイントとなりました。特に、ご飯のおかずとして餃子を食べる場合は、餃子の皮とご飯でW炭水化物になるため、餃子はこの商品のように具の比率が高いものを選ぶと、糖質の摂り過ぎを防止できるので良いと思います。
――第1位は?
猪坂 イオン「ギョーザ」です。スーパーやドラッグストアで買える餃子の中では比較的具の比率が高めで、たんぱく質や食物繊維を摂取しやすいところが良いと感じました。調理面でも、油やお水を使わずにフライパンで焼くことができるので、手軽に餃子を食卓に取り入れられますね。