閉店ラッシュ【イオン】ディスカウントストア「アコレ」、買い物してわかった弱点とは?
2024年4月現在、96店舗を展開するディスカウントストア「アコレ」。イオングループのストアですが、このところ閉店が相次いでいます。実際に店舗に行って、理由を考察してきました。
目次
・【アコレ】とは?
・【アコレ】実際に買い物してみた
・【アコレ】「ビッグ・エー」に置き換わっていく?
【アコレ】とは?
イオングループの株式会社ビッグ・エーが運営する小型のディスカウントストア「アコレ」。08年9月に1号店をオープンし、21年3月にディスカウントストアを運営する株式会社ビッグ・エーへ店舗事業が承継されました。
アコレの公式サイトはなく、ビッグ・エーの公式サイトが兼任しているよう。同サイトを確認すると「ビッグ・エーのコンセプト」は、「安全・新鮮な美味しさをいつでもお安く!」「日本の農業・漁業 畜産業を応援」「ビッグ・エー独自の商品開発で高品質と低価格を両立」とのこと。
アコレはこのところ各地で閉店が続いていて、ネット上でも閉店ラッシュとにわかにささやかれています。
【アコレ】実際に利用してみた
大手企業イオンの系列にありながら、なぜ閉店が相次いでいるのか? 実際に店舗を訪れてみました。
土曜の夕方4時に行くと、子連れの親子、大学生風の男性、高齢者の姿などにぎわっています。店内は若干照明が暗めに感じましたが、まったく問題ない程度。店内の広さは、やや大きめのコンビニといった印象です。
売り場や陳列の様子などを含め、イオン系列で絶好調の小型スーパー「まいばすけっと」と重なります。
イオンのディスカウントストア用PBが豊富!
売り場には、イオンのPB「トップバリュ」商品はもちろんのこと、イオンのディスカウントストア(DS)でしか見かけないPB「和日彩々」も。 「和日彩々」は同じくイオンのDS「ザ・ビッグ」や「パレッテ」でも流通しています。
同PBの小粒納豆は62.64円(40g×3個、たれ・からし抜き)で、「トップバリュ」の極小粒納豆73.44円(50g×3個)より10円以上も安価! 同じく「和日彩々」の絹豆腐73.44円(150g×3個)はよく売れていました。
同PBの味付めかぶは105.84円(40g×3個)。売れ筋の商品のようだったので購入しましたが、おいしかったです。
このほか、「TASEAS」もイオンのDS専用PBかと思われます。「TASEAS」の「4種のサラダ豆」は95.04円、製造は日本レトルトフーズ株式会社。
そのほか、DSのPB「Easy to Use」のレトルトカレーや冷凍ほうれん草、同じくDSのPB「LA VIE SAINE」の牛乳(181.44円)はトップバリュの牛乳も並ぶ中でよく売れていました。
トップバリュのキムチが人気で品薄
チルドコーナーはトップバリュ商品が豊富。売れ筋の様子だったトップバリュのかに風味かまぼこ105.84円も、実際に食べてみたところ、おいしかったです。見た目よりボリューム感がありました。
トップバリュのスモークタン切り落とし235.44円は、コンビニで買うスモークタンより量が多く、味も遜色なくて満足度◎。
そのほか、トップバリュの「国産白菜使用キムチ」192.24円はかなり人気のようで、他メーカーのキムチが並ぶ中でも明らかに品薄でした!
「限界に挑戦!!」のもやしは21.60円
野菜は総じて普通価格で、例えばミニトマトのパックが278.64円、ピーマン袋入りが159.84円。バナナは106.92円。入店すぐに展開されていたゴールドキウイはバラ170.64円です。目を引いたのは、「限界に挑戦!!」と赤い字で強調されていた「お買い得もやし」21.60円。安いものもあれば、一般的なものもあるといったところでしょうか。
魚の種類はかなり少なく、まいばすけっとで販売されているのと同じようなマグロの刺し身、サバの切り身など。肉は意外にもトップバリュの「うまみ和豚」の扱いがありませんでしたが、時間帯によるのかもしれません。
冷凍コーナーは、まいばすけっとやザ・ビッグと同じようにアイスが格安です。
「イトーパン」の総菜パンが豊富
総菜コーナーは一人用サイズの中華サラダやひじき煮やお弁当など、まいばすけっとによく似たラインナップと価格。店内調理はしていません。
パンは「イトーパン」の総菜パンが棚を占めていたのが印象的。ウインナーパン(ケチャップ)105.84円をはじめ、どれも手頃です。
【アコレ】「ビッグ・エー」に置き換わっていく?
今回、アコレを初利用して思ったのは、「ザ・ビッグかビッグ・エーでよいのでは?」ということ。「アコレらしさ」というポイントが発見できず、まいばすけっとのような光景、ザ・ビッグのような商品で既視感があり、これが弱点だと感じます。
また、酒・飲料コーナーはビッグ・エーで行われている段ボールのままの品出しスタイル。つまりイオン系列のディスカウントストア・小型スーパーの特徴を集めた店といえるかもしれません。
「流通ニュース」によると、今後イオンは首都圏でまいばすけっと、ビッグ・エーの出店を強化していくとのこと。アコレが閉店ラッシュを迎えているのは、こうした事情が絡んでいると考えられ、閉店後はビッグ・エーになる可能性も高いでしょう。
今後のイオン系ディスカウントストアの動向にも注目です。