大谷翔平、陰謀論まで飛び出した違法賭博問題――「女性セブン」が報じた“大谷潰し”の狙いとは?
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
これほど気分が悪く暗澹たる思いを感じた“人間の言動”は、なかなかない。二階俊博氏85歳の引退会見。年齢が引退と関係するかという記者の問いに、「おまえもその年がくるんだよ」「ばかやろう!」と逆ギレ捨て台詞を吐いたことだ。元自民党幹事長という要職にあった政治家で、かつキングメーカーともいわれた大物だ。しかもパー券裏金問題で巨額の裏金をゲットしたのに、処分なしの“逃げ得引退”なのだから、記者の質問は当然だ。なのに、あの態度って――。政治家以前に人間としておかしいでしょう。そんな人物が日本政治を牛耳ってきたって――。力が抜ける。
目次
・今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
・大谷翔平を必死で守ろうとする「週刊女性」と「女性自身」
・違法賭博問題の背景に謀略があると報じる「女性セブン」
・「女性セブン」に続いて「週刊女性」も松本人志を美談で擁護
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第692回(3/28〜4/2発売号より)
1位「大谷翔平 水原一平追放がもたらす『史上初の偉業』」(「週刊女性」4月16日号)
同「大谷翔平 人間不信癒す最強真美子セラピー」(「女性自身」4月16日号)
2位「『大谷翔平を潰せ』米球界 違法賭博 FBI 謀略」(「女性セブン」4月11日号)
3位「松本人志 『申し訳ない…』懺悔の肉声」(「週刊女性」4月16日号)
大谷翔平を必死で守ろうとする「週刊女性」と「女性自身」
その気持ちはよーくわかる。朋友と思われた通訳の水原一平氏の違法賭博に“巻き込まれた”大谷翔平選手。そんな日本の宝でもある大谷を必死で守ろうとする日本マスコミの気持ちが。
ドジャース大谷翔平の通訳・水原一平氏の違法賭博と窃盗問題は世間を震撼させた。当初、水原氏は大谷自身が“送金に関与した”と証言し、その後証言を翻したことで事態は混迷、問題が大谷の選手生命にまで波及する可能性さえ指摘されたからだ。大谷が会見を開き、自身が賭博や送金など一切に関わっていないと釈明したことで安心ムードが漂っているが、日本マスコミは、まだまだ心配でたまらないらしい。
大谷の関与を否定するだけでなく、水原氏もまた“はめられた”“利用された”と、まるで被害者かのような解説まで飛び出すなど、日本の宝・大谷を守るのに必死だ。もちろん女性週刊誌も同様で、違法賭博&朋友の裏切りというネガティブ状況を払拭すべく、この状況をポジティブに報じ始めている。
まずは「週刊女性」。一平事件は大谷にとって“ちょうどいいタイミング”であり、“偉業をもたらす”という珍説を唱えている。どういうことか。そのキーパーソンは水原氏に代わり大谷の通訳をつとめるウィル・アイアトン氏の存在だ。
アイアトン氏は15歳まで日本で生活し、その後アメリカでもプレーした元プロ野球選手。そして現在はドジャースのスタッフとしてデータ分析などを担当しているが、その能力は非常に高いという。これがメリットその1 。
さらに、すべてを取り仕切っていた水原氏がいなくなり、アイアトン氏に代わったことで、大谷とチームメートが直接コミュニケーションを取ることが増える。これがメリットその2。
こうして大谷のチーム内コミュニケーションが円滑になり、アイアトン氏から相手選手などのデータがより多く手に入れば、これまで誰も成し遂げられていない史上初のDHでのMVPという偉業も成し遂げられる可能性がある。これはメリットその3。
そして最後に、アイアントン氏はプライベートまで関わるような人ではないが、大谷も新婚でプライベートを大切にしたい時期だから、(水原氏がいなくなる)タイミングとしてはある意味、ちょうどよかった。これがメリットその4だ。
そう、水原氏がいなくなったことは結果的に大谷のためになった、災い転じて福となる、「週女」はそう言いたいらしい。無理やりだが気持ちはわかる(笑)。
そして「女性自身」。やはりネガティブな状況を払拭すべく、妻・真美子さんの内助の功を思い切りアピールしている。本拠地ロスでの開幕戦に観覧用スイートルームから観戦した真美子さん。そこには愛犬デコピンの姿も。
さらに記事では、プロ並という真美子さんの料理でのサポート、音楽を聴くなどのリラックスサポート、そして今後、積極的にチャリティ活動に参加する予定であることなど、“真美子セラピー”で大谷をサポート、癒やしていることをレポートしている。大谷を守る!! その気持ちは十分わかった。
違法賭博問題の背景に謀略があると報じる「女性セブン」
一方の「女性セブン」だが、「女性自身」「週刊女性」とはそのトーンが随分と違い、かなりおどろおどろしいものになっている。アメリカのマスコミや世論は日本と違い、会見後も大谷の責任論や残された疑問への説明を求める論調が多いというが、その上で今回の違法賭博問題の背景に “大谷をターゲットとした謀略”が存在するというのだから。
まずはFBIの捜査について“底意地の悪いもの”だったらしい。「セブン」記事によると、FBIはすでに今年1月には大谷の口座からの送金を確認していたが、当事者を捜査する前にマスコミにリーク、そしてわざわざシーズン開幕に合わせて“急襲”するように疑惑が報じられた。つまり当局とマスコミが組んで大谷のダメージが大きいように情報が操作され、結果、大谷にとって最もダメージが大きなタイミングで事態が明るみに出たというのだ。
そしてアメリカ球界も同様だったという。その理由は大谷が選んだ巨額契約の“後払い方式”にある。この方式を大谷がとったことは「『球界が腐心してきた(球団間の)戦力均衝策を崩しかねない抜け穴』だと否定的に捉える声」もあり、冷ややかに見る向きもあった。さらに、さらに大谷がアジア人だということも無縁ではなかった。
「アメリカでは、大谷選手は所詮“外国人”なのです。特にアジア人への偏見や差別は根深いものがある」
「米球界には、これまでの記録を塗り替え、慣習にも風穴をあける大谷選手へのやっかみがあるはずです」(ともに在米ジャーナリストのコメント)
そしてこうした事態の狙いは“大谷を潰す”ことにあると「セブン」は報じるのだ。なんだかスケールがでかい。ここまでくると、その真偽は不明だが、陰謀論まで飛び出した今回の違法賭博問題、まだまだ、どう転ぶかその行方は油断ならない。
「女性セブン」に続いて「週刊女性」も松本人志を美談で擁護
先週、ダウンタウン松本人志の“主張”が乗り移ったような特集が掲載された「女性セブン」だが、今週は「週刊女性」が――。
記事には現在、淡々と普通に生活している松本だが、報道の影響で後輩の仕事の減ったことに心を痛め、“申し訳ない”と口にしているらしい。また女性を斡旋したとして活動休止に追い込まれたスピードワゴンの小沢一敬については、“小沢の面倒は俺が見る”と話しているらしい。これらエピソードを紹介し、「週女」はこうまとめる。
「松本は、自分の行く末よりも、後輩たちのことを案じているようだ」
これまた美談!!