【2024年冬ドラマ視聴率ランキング】『さよならマエストロ』独走、ワースト1位のラブストーリーは?
『不適切にもほどがある!』(TBS系)が3月29日に最終回を迎え、2024年1月期のGP帯連続ドラマは全作放送終了。平均世帯視聴率の全話平均をランキングで紹介する。
目次
・トップは『さよならマエストロ』
・2位は『となりのナースエイド』
・『不適切にもほどがある!』8%台上昇
・『グレイトギフト』は不安定な推移
・『大奥』は5%に届かず
・『婚活1000本ノック』は水10枠最低
・視聴率ランキング
※一部の視聴率が報道で取り上げられていない『マルス-ゼロの革命-』『アイのない恋人たち』(共にテレビ朝日系)は除外。
トップは日曜劇場『さよならマエストロ』、伏線未回収で続編あり?
トップは、西島秀俊主演の日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)で、全話平均は10.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。
同ドラマは、2022年1月期の『妻、小学生になる。』や19年7月期『凪のお暇』(ともにTBS系)などの大島里美氏が脚本を手掛けるオリジナル作品。
視聴率の自己最高は初回の11.4%、最低は第5話の10.0%と、民放の冬ドラマの中では唯一の“全話2ケタ”を達成した。
最終回は、ドイツへ旅立つ西島演じる天才指揮者を、芦田愛菜演じる娘や地方オーケストラのメンバーが「さよならマエストロ!」と笑顔で見送るシーンで終了。
ネット上では「王道感動路線で良いドラマだった」「タイトルの意味も回収されて、すっきり!」と好意的な声が上がる一方、「伏線がいくつも放置されている」との指摘が続出。そのため、続編への期待が高まっているようだ。
2位は『となりのナースエイド』、「医療現場であり得ない」シーンが物議
2位は、川栄李奈主演の医療ドラマ『となりのナースエイド』(日本テレビ系)で、全話平均は7.7%。初回から最終回まで7~8%台を推移し、安定した強さを見せた。
同ドラマは、患者に寄り添い心を癒やすプロ“ナースエイド”の桜庭澪(川栄)が、病院で巻き起こる患者たちの問題を解決する病院リアルエンタメドラマ。コメディ色の強いドタバタ劇であることから、観月ありさ主演『ナースのお仕事』(フジテレビ系)と比較する視聴者も目立った。
また、開始当初は、ナースエイドが手術室に立ち入り大声を出すシーンなどが「医療現場であり得ない」と物議を醸していたが、一方で「気軽に見れて楽しい」と評価する視聴者も多く、エンタメに振り切った作風は数字的には成功したともいえそうだ。
3位の『不適切にもほどがある!』は、8%台まで上昇! 口コミ効果か
3位には、阿部サダヲ主演『不適切にもほどがある!』(TBS系)と反町隆史主演『グレイトギフト』(テレビ朝日系)がランクイン。共に全話平均7.4%だった。
回を追うごとに視聴率が右肩下がりとなるドラマも多かった中、『不適切にもほどがある!』は「面白い!」との口コミが広がったせいもあってか、第5話と第6話で自己最高となる8.3%まで上昇。最終回も7.9%と健闘した。
最終回の展開について、ネット上では事前に「近藤真彦がサプライズ出演するのではないか」「男闘呼組の『TIME ZONE』を歌うのではないか」などと予想合戦が盛り上がっていた。だが、実際はそのどちらもなく、Creepy Nutsが劇中で主題歌の「二度寝」を披露した。
反町隆史『グレイトギフト』最終回8.9%と健闘も、不安定な推移
『グレイトギフト』は、完全犯罪を可能にする殺人球菌「ギフト」を発見した病理医(反町)が、医療界の権力争いや、謎の連続殺人に巻き込まれるサバイバル医療ミステリー。
初回で9.8%と高視聴率を記録したものの、その後6%台まで下降。最終回で8.9%まで回復したものの、不安定な推移を見せていた。
なお、反町が民放の連ドラで単独主演を務めるのは、2019年7月期の『リーガル・ハート〜いのちの再建弁護士〜』(テレビ東京系)以来。今月1日には、主演ドラマ『GTOリバイバル』(フジテレビ系)も放送されるため、再び主演俳優としての存在感が増しそうだ。
『大奥』小芝風花の演技力に賛辞も……大ヒット作不足?
全話平均5%に届かず苦戦したのは、小芝風花主演『大奥』と、3時のヒロイン・福田麻貴主演『婚活1000本ノック』(共にフジテレビ系)。これに限らず、フジテレビは最も好調だった永野芽郁主演の月9『君が心をくれたから』でさえ、全話平均5.8%と振るわず、全滅状態となった。
『大奥』は小芝のほかに、KAT-TUN・亀梨和也や西野七瀬、Snow Man・宮舘涼太、安田顕らが出演。ネット上では、小芝をはじめキャストの演技に賛辞も相次いでいたが、『大奥』はこれまで何度もドラマ化されているだけに、脚本や演出の面のハードルが上がってしまった印象もあった。
また、昨年は4作品の連ドラに出演するなど、引っ張りだこの小芝だが、数字的には「いまだ大ヒット作がない」ともいわれている。ゆえに、「実力は申し分ないのに、作品にいまいち恵まれない」とやきもきするファンもいるようだ。
『婚活1000本ノック』は全話平均2.8%で散々な結果
『婚活1000本ノック』は、売れない小説家(福田)が死んだ元カレ(FANTASTICS・八木勇征)の幽霊と共に婚活に挑む物語。最終回では主人公とデザイナーの大池(野村周平)が結ばれ、ハッピーエンドとなった。
見逃し無料配信動画サービス「TVer」では、お気に入り数100万人を超えるなど、主に若い層から支持されていた同ドラマだが、全話平均は2.8%と散々な結果に。これにより、それまで「水10」枠史上最低だった23年1月期の竜星涼主演『スタンドUPスタート』の3.3%を下回ってしまった。
音楽の魅力や親子愛を描いた日曜劇場が独走状態となった冬ドラマ。4月は春ドラマが怒涛の初回ラッシュを迎えるが、ヒット作は生まれるだろうか?
2024年1月期ドラマ全話平均視聴率ランキング(民放4局、午後8~10時台)
1位:『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系、日曜午後9時)10.7%
2位:『となりのナースエイド』(日本テレビ系、水曜午後10時)7.7%
3位:『不適切にもほどがある!』(TBS系、金曜午後10時)7.4%
同率3位:『グレイトギフト』(テレビ朝日系、木曜午後9時)7.4%
5位:『新空港占拠』(日本テレビ系、土曜午後10時)6.5%
6位:『Eye love You』(TBS系、火曜午後10時)5.9%
7位:『君が心をくれたから』(フジテレビ系、月曜午後9時)5.8%
8位:『春になったら』(フジテレビ系、月曜午後10時)5.7%
9位:『厨房のありす』(日本テレビ系、日曜午後10時30分)5.3%
10位:『院内警察』(フジテレビ系、金曜午後9時)5.2%
11位:『大奥』(フジテレビ系、木曜午後10時)4.8%
12位:『婚活1000本ノック』(フジテレビ系、水曜午後10時)2.8%