声優・TARAKOさん逝去、『ちびまる子ちゃん』の後任に求められることとは?
国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)で主人公・まる子の声を長年務めていた声優・TARAKOさんが3月4日未明に亡くなったことを、同9日、所属事務所やフジテレビ、日本アニメーション、原作漫画を掲載していた集英社の少女漫画誌「りぼん」編集部が正式発表した。63歳だった。
目次
・声優・TARAKOさんの訃報と業界評
・まる子の後任声優に求められること
まる子役声優の故・TARAKOさん、「アニメ仕事が取りにくかった」ワケ
1990年1月7日の放送開始から34年間にわたって「まる子」役を演じたTARAKOさん。所属事務所・トルバドール音楽事務所によると、「今年に入り病と闘いながら仕事をしておりましたが、容体が急変して亡くなりました」(原文ママ)とのこと。突然舞い込んだ訃報により、ファンはもちろん、声優界からも悲しみの声が続出した。
原作者の故・さくらももこさん(18年8月に死去)と声が似ていることから、まる子役に起用されたことで知られるTARAKOさんだが、業界内ではどのように評価されていたのだろうか。
「TARAKOさんは、1981年にテレビアニメ『うる星やつら』(同)でデビューしましたが、まる子役に決まってからは、他作品で主役級の役を演じることが減りました。あまりに特徴的すぎる声でしたから、汎用性がなかったんだと思います。声が特徴的な声優といえば、『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)の初代しんのすけ役・矢島晶子が挙げられるものの、彼女はしんのすけとは真逆のキャラクターである、セクシーな女性の声など、いくつか『持ちネタ』を持っているタイプ。TARAKOさんはそうではなかったのでしょう」(制作会社関係者)
また、演技力については、「まる子の印象が強いため、なかなか判断しづらい」(同)とのこと。
「トルバドールは、業界で力のある事務所とは言い難いので、『ちびまる子ちゃん』以外のアニメ仕事が取りにくかったのだと思います。その分、CMやナレーションで活躍していましたが、どちらにしても『まる子』のキャラクター、もしくは『まる子』に寄せた声での出演がほとんどでした」(同)
まる子は「比較的作りやすいキャラ」? 後任声優に求められること
なお、フジテレビによれば、TARAKOさんが最後に出演しているエピソードは、3月24日の1時間放送のなかでオンエアされる予定だという。また、後任の声優、またその声優の初出演回の放送時期は、現在検討中であるとみられる。
「おそらく今、急ピッチでオーディションをしているのでは。『まる子』の声は特徴的ではありますが、比較的作りやすいキャラクターです。TARAKOさんが作った『まる子』の芝居に寄せるのはそれほど難しくはないと思いますよ。これだけ長い間、国民に愛されてきたアニメですし、TARAKOさんのまる子に寄せて演技ができる声優が求められるのではないでしょうか。『ドラえもん』(テレビ朝日系)の時のように、メインキャラクターの声優を総入れ替えするわけでもありませんしね」(同)
国民的アニメの主人公声優を引き継いだ声優といえば、現在、しんのすけ役を演じる小林由美子もその一人だ。
「小林は、前任の矢島の“質の高い芝居”も引き継いだという印象です。逆に声優が交わってしばらく違和感があったのは『ドラえもん』。キャスト変更から20年近くたつため、初代・大山のぶよのドラえもんを知らない視聴者も多いでしょうが、大山は完全にキャラクターを自分のものにしていました。一方、後任の水田わさびは、彼女なりの新しいドラえもんを確立しようとしたものの、そもそも芝居があまり上手ではないし、大山との違いは歴然。2代目・まる子声優に求められるのは、やはりTARAKOさんの演技に寄せることだと思います」(同)
果たして後任は誰になるのか、続報を待ちたいところだ。