からあげ専門店ブーム終了! 生き残りかけた「元祖からあげ本舗」新作の致命的な問題点
コロナ禍のテイクアウト需要の高まりで急拡大した「からあげ専門店」が、現在相次いで閉店しています。2023年11月までのからあげ専門店の倒産が、前年の7倍規模に達したという帝国データバンクの発表は、各メディアで伝えられ、多くの人に衝撃を与えました。
物価の高騰が家庭の食卓に直撃する中、からあげはわざわざ買うより、自宅で作ればよいと考える人が増えてしまったのかもしれません。
そんな中、現在も生き残るからあげ専門店は、ただのからあげではなく、変わり種や別の揚げ物商品を展開するように。全国に店舗を展開する「元祖からあげ本舗」も、「チンジャオからあげ」「名古屋みそカツ」を春の新作として販売中です。
斜陽のからあげ専門店の今を探るべく、今回、元祖からあげ本舗の名古屋みそカツを実食レビューします!
※価格はすべて税込です。
※価格や商品は2024年3月12日時点の情報です。
※最新の情報は公式サイトや公式SNSをご確認ください。
※店舗によって取り扱い商品が異なります。
目次
・元祖からあげ本舗の新作概要
・「名古屋みそカツ」実食レポ
・「名古屋みそカツ」の致命的な問題点
元祖からあげ本舗、グランプリ受賞の実力店も……新作は「名古屋みそカツ」
さて、最寄りの元祖からあげ本舗にやって来ました。からあげ専門店業界が低迷期に突入しているのは間違いありませんが、日本唐揚協会主催の「からあげグランプリ」で、過去に「東日本しょうゆダレ部門」「塩ダレ部門」で最高金賞を受賞したこともある実力店。どんなおいしいメニューに出会えるかワクワクします!
そんな同店の春の新作は、チンジャオからあげと名古屋みそカツ。
公式サイトによると、チンジャオからあげは「細切り野菜をたっぷり入れて本舗のからあげと合わせました! ご飯が進むこと間違いなしので一品」、名古屋みそカツは「味噌ソースとチキンカツが相性抜群! 本舗式 名古屋メシをご堪能ください」と紹介されています。
名古屋生まれ、名古屋育ちの私としては、俄然、名古屋みそカツが気になる! そもそもからあげ専門店が作るカツってどんな味? という興味もあり、単品4枚で529円の名古屋みそカツを購入しました。
元祖からあげ本舗の「名古屋みそカツ」、みそソースが逆に邪魔!?
こちらが元祖からあげ本舗の名古屋みそカツ。
名古屋の一般的なみそカツは、ドロッとしたみそダレが特徴なんですが、見た限り、さらさらとしたソースがかかっているように見えます。
箸で1つ持ち上げてみると、衣が少なく肉の厚みも薄い印象。全国的に有名なみそカツ専門店「矢場とん」の「わらじとんかつ」を彷彿とさせます。
というわけで、早速、かぶりついてみたのですが……ここで衝撃的な発見がありました。みその味よりも鶏肉についた味のほうが強いんです!! 鶏肉の味つけとみそソースがそんなに合っていないというか、逆にみそソースが邪魔になっているような!? せっかく名古屋みそカツという名前なのですから、そこはみその味を引き立たせてほしかった! 香りにおいては、みその主張がほぼなく、なんだかなぁというのが率直な感想です。
みそソースのガッカリ感が強いだけに、肉のおいしさもあまり感じられず……。これならむしろ、みそなしのほうがおいしく食べられたのではないかとさえ思ってしまいました。からあげ専門店なので、鶏肉の味付けはきっとおいしいはずなんです……。
元祖からあげ本舗「名古屋みそカツ」を温め直してみたら……?
正直、このまま食べ終えるのは不完全燃焼。帰宅時にやや冷えてしまったので、もう一度温め直すことにしました。衣をカラッとさせたいので、電子レンジではなくオーブントースターで2分ほど加熱します。
当然のことながら、衣のカリカリ感が復活しておいしい! しかし、やっぱり「みそが邪魔」という印象は拭いきれません。
奇跡的に、みそソースのかかっていない場所を見つけたので、その部分を一口食べてみたところ……うまい!! 「名古屋みそカツは、みそソースがないほうがおいしい」――そんな致命的な問題点があったわけです。
元祖からあげ本舗の名古屋みそカツを評価するならば、「イマイチ」としか言いようがなく、しかしながら、この鶏肉の味わいが普通のからあげだったら、すごくおいしいだろうと思った次第です。
今回は、なまじみそカツそのもののおいしさを知っているだけに、辛口レビューになってしまいました。しかし、最高金賞ダブル受賞の元祖からあげ本舗ですから、これから先、からあげ専門店の再ブームの火付け役となるような新作が誕生するに違いないと期待していますよ!