【1月期冬ドラマ視聴率推移】『不適切にもほどがある』錦戸亮出演回が好評も、公式サイトで謝罪
宮藤官九郎が脚本を担当し、俳優・阿部サダヲが主演を務める1月期のTBS系ドラマ『不適切にもほどがある!』(金曜午後10時台、以下『ふてほど』)。2月23日放送の第5話には、関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)の元メンバー・錦戸亮がゲスト出演し、大きな話題となった。同作の視聴率は初回から6~7%台を記録していたものの、“錦戸効果”なのか、5話は初の8%台にまで上昇。5話の展開に対し、SNS上では「さすがクドカン(宮藤の愛称)」と、絶賛の声が寄せられている。
目次
・『不適切にもほどがある!』のこれまでの視聴率
・錦戸亮出演の第5話のストーリーとネット上の反響
・“錦戸効果”で自己最高視聴率をマーク
・公式サイトでは「誤解を招く表現」を謝罪
阿部サダヲ主演『不適切にもほどがある!』視聴率推移と第4話に視聴者落胆のワケ
『不適切にもほどがある!』は、あるきっかけで1986年から2024年の現代へタイムスリップした“昭和のダメおやじ”の主人公・小川市郎(阿部)が、不適切発言を繰り出しながらも、コンプライアンスに縛られた人々に影響を与えていく「意識低い系タイムスリップコメディ」。
市郎の一人娘・小川純子を河合優実が演じているほか、仲里依紗、吉田羊、磯村勇斗らがレギュラー出演。“クドカン作品”ならではの皮肉とユーモア溢れる脚本や、毎話用意されている“ミュージカルシーン”が見どころのひとつで、「クドカン節がさく裂していておもしろい」とSNS上でも話題を集めているものの、「クセが強すぎて苦手」「歌唱シーンは不要」などとネガティブな意見もあり、賛否が分かれている。
そうした影響からか、1月26日放送の初回は、平均世帯視聴率7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でスタートしたものの、第2話(2月2日)と第3話(同9日)は7.1%と0.5%ダウンし、第4話(同16日)では6.7%と、さらに0.4%落ち込んだ。
「なお、4話には映画やドラマの撮影現場における濡れ場、ベッドシーン専門の『インティマシーコーディネーター』のケイティ池田役でトリンドル玲奈がゲスト出演。令和のテレビ局でカウンセラーを務める市郎と、ラブシーンの撮影をめぐり、ドタバタ劇を繰り広げたのですが、一部視聴者は『本職の人が気の毒』『インティマシーコーディネーターの職業描写が浅すぎて、見るに耐えなかった』『笑えない回だった』と落胆していました」(芸能ライター)
錦戸亮出演の『不適切にもほどがある!』第5話のストーリーとネット上の反響
翌23日放送の第5話は、市郎が令和で出会ったシングルマザーの犬島渚(仲)から「父親に会ってほしい」と言われ、彼女の父・犬島ゆずる(古田新太)と対面。市郎は自身を「お父さん」と呼ぶゆずるに不信感を抱いていたものの、彼は後に市郎の一人娘・純子(河合)の夫になる人物だと判明する……というストーリーとなっていた。
「ゲストの錦戸は、過去の回想シーンで、若き日のゆずるとして登場。TBSドラマに出るのは、宮藤氏とプロデューサー・磯山晶氏が手掛けた『ごめんね青春!』(14年10月期放送)ぶりで、民放・地上波ドラマへの出演自体も主演作『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系、19年1月期放送)以来とあって、出演が明らかになった時点でネット上では多くのファンが歓喜しました」(同)
そんな錦戸は劇中で歌とダンスも披露。19年9月末に旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)を退所後はテレビ露出も減っていただけに、視聴者は「久しぶりに地上波で錦戸くんの演技が見れてうれしかった」「『ふてほど』最高すぎた! 地上波で錦戸くんの踊りと歌声を聞けるなんて……」「ダンスうまいし、地上波で歌を歌わせるあたり、錦戸の起用の仕方がさすがクドカンだなと思った」などと大興奮。
また、市郎が一人娘・純子と自身の人生に関する重要な情報を知るという衝撃的な展開もあり、「伏線回収がすごかった!」「1話から見続けてきて、途中ダレたかと思ったけど5話でドーンとやられた!」「ケラケラ笑わせられたと思ったら、後半は涙。クドカンはやっぱりすごい!」と、感激の声が続出した。
『不適切にもほどがある!』“錦戸効果”で自己最高の8%台をマーク! TVerお気に入り登録数も健闘
「気になる第5話の視聴率は、自己最高の8.3%をマーク。錦戸効果により、新規視聴者を獲得できたのでしょう。なお、現時点の平均視聴率は7.4%で、同枠にて21年1月期に放送されたクドカンドラマ『俺の家の話』の全話平均9.2%と比べると、だいぶ見劣ります。ただ、同枠で高橋文哉と志尊淳がダブル主演した昨年10月期の『フェルマーの料理』は歴代ワーストの5.1%でしたから、この調子でいけば、『ふてほど』は前クール超えしそうです」(同)
ちなみに、動画配信サービス・TVerのお気に入り登録数でも『ふてほど』は大健闘している。今期、TBS系で午後9~10時台に放送されているドラマと比較すると、西島秀俊主演の『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(日曜午後9時台)は3月1日時点(以下同)が75.8万台。二階堂ふみ主演『Eye Love You』(火曜午後10時台)は113.6万台で、『ふてほど』はトップの129.5万台にのぼっている。
『不適切にもほどがある!』5話が好評のウラで……「誤解を招く表現」を謝罪
こうして、多くの視聴者の心を掴んでいる『ふてほど』だが、好評だった5話に関しては謝罪文を掲載する事態に。放送後、ドラマ公式サイトで「在宅酸素療法をしている患者の近くで煙草に火をつけるシーンがありましたが、酸素吸入中、周囲2m以内での火気の使用は、火災等のおそれがあることから厳禁とされています。誤解を招く表現となりましたことをお詫び申し上げます」(原文ママ、以下同)との声明を発表した。
2月28日に行われたTBSの定例社長会見では、担当者がこの一件に言及。同日配信の「サンケイスポーツ」のウェブ版記事によれば、これは「視聴者からの指摘で掲載を決めた」そうで、「そもそも主人公が不適切ですし、視聴者への注意喚起の意味も込めて告知した」と述べていたという。
ネットユーザーの間では「こういう演出のドラマだと思って見ているけど……今後また不適切な表現があったらそのたびに謝罪しないといけないのかな」「謝罪する必要ある? 厄介な時代だね」「自分はタバコを吸わないけど、こういう情報を知れてよかった」と、さまざまな意見が上がっている。
折り返しに差し掛かり、視聴率が上昇した『ふてほど』。最終話までに自己最高記録を更新できるだろうか?