ゴミ屋敷になった実家、「予算5万円」で片付けできた! 【粗大ゴミの処分方法10】
汚家をまるごと片付けます! 連載企画「汚部屋 ビフォーアフター」。今回のクライアントは、筆者の「実家の片付け」です。紆余曲折を経て「生前処分」を実施してきました。
※2022年11月15日掲載の記事に追記
※価格は2022年11月時点の情報です
目次
・粗大ゴミ処分は、早く動くほど安上がり?
・衝撃的なゴミ屋敷
・【ゴミの処分方法1】不燃・可燃ゴミに出せるサイズに裁断する
・【ゴミの処分方法2】金属類は、再利用業者へ持ち込む
・【ゴミの処分方法3】自治体の「粗大ゴミセンター」へ持ち込む
・【実家のゴミの処分方法4】自治体の「ゴミ処理シール(有料)」を利用
・【ゴミの処分方法5】遺品整理・生前整理回収会社に依頼
・【ゴミの処分方法6】「残置物OK」で不動産を売却
・【ゴミの処分方法7】家電は購入店へ持ち込む
・【ゴミの処分方法8】ジモティやリサイクルショップで売る
・【ゴミの処分方法9】不要品買取業へ依頼する
・【ゴミの処分方法10】引き取りサービスがある店で買い換える
・片付けに必要な基本道具
実家じまいで一番難しい問題は「暮らす人の気持ち」ですが、そういった親のメンタル面は置いておいて、今回は費用5万円以内を目安に、「実家の粗大ゴミの処分方法・10パターン」と実際の作業方法を紹介。年末の大掃除の参考にもなると思います!
粗大ゴミ処分は、早く動くほど安上がり?
20~30代の人には「実家処分(実家じまい)」はまだ関係ないと思われがちですが、ゴミの処分だけは健康で体力があるうちに、「自分の持ち物(子ども部屋にあるもの)」から始めることをおすすめします。早いうちに自力でやれば、相場より低予算で済みますし、親の気持ちも動かしやすいのではないでしょうか。
一般的に実家処分を意識する世代は40〜50代ですが、今後は法律の変更や燃料費、人件費などの面で、処理価格の高騰が予想されます。筆者の場合も、解体工事におけるアスベスト(石綿)の法改正のため20万円も損をしてしまいました。そういった点からも早めに動くのが◎。
衝撃的なゴミ屋敷実家を紹介
写真は片付け前の筆者の実家です。家電といったゴミなども散乱しています。仕事を引退すると「モノへの執着」が増すケースも多いので、親が高齢になる前からゆっくり歩み寄り、一緒にモノを整理していくことが大切です。
次に、家の中へ入ってみましょう!
タバコ、湿気臭、油まみれの部屋
床は歩く道が確保されているので、ゴミ屋敷としてのレベルは低めです。ただし、衛生面は最悪。親は愛煙家なうえ、換気扇も壊れていたので部屋全体がヤニと油まみれ。そのため、再利用不可の粗大ごみが多数。昔は清潔だったので、心が痛む光景です。
では、粗大ゴミの処分方法と、そのメリット・デメリットを紹介します。
【ゴミの処分方法1】不燃・可燃ゴミに出せるサイズに裁断する
実家を片付ける際は、鉄、木材、布類を断裁できる道具を用意してください。木材の家具なら、解体して電動ノコギリなどでカットすれば簡単。貸出サービスがあるホームセンターなら数百円でレンタル可能です。鉄のパイプなら、100均のパイプカッターで切れます。
【★メリット】不燃と可燃ゴミ(無料)で処分できる
【▼デメリット】体力、根気、時間、道具が必要
【ゴミの処分方法2】金属類は、再利用業者へ持ち込む
再利用できる資源を買取してくれる、スクラップ買取会社というものがあります。金属類(鉄、アルミ、銅、ステンレスなど)は溶かすので、混ぜ物がなければOK! タイヤ付きホイール、バッテリー、電線、給湯器、ガスメーターなども金属類買取と同じジャンルです。金属ゴミが多いなら、買取会社が近所にあるか調べてみると良し。
【★メリット】軽トラ1台分の量ならランチ代程度の利益が出る
【▼デメリット】買取不可も多いので、見極めが必要
【ゴミの処分方法3】自治体の「粗大ゴミセンター」へ持ち込む
自治体によって異なりますが、筆者が知る限りでは、無料、個数制限、車両ごと計量(グラム単位)があります。可燃と不燃ゴミを一度に運べるセンターも。
【★メリット】気持ち的にも1番簡単!
【▼デメリット】ゴミを運ぶ車両と予約(不要な自治体もあり)が必要
【実家のゴミの処分方法4】自治体の「ゴミ処理シール(有料)」を利用
自治体の有料の粗大ごみシールを買って、予約した日に家の前などに出します。高齢者に限り、運び出しサービスがある自治体も。車両が用意できない場合におすすめです。
【★メリット】家の近く、家の前などに出すだけ
【▼デメリット】粗大ごみシール代が高い
【ゴミの処分方法5】遺品整理・生前整理回収会社に依頼
遺品整理・生前整理回収会社に依頼した場合、1日で荷物が処分できます。ただし、作業人数とトラックの大きさ(荷物の量)によって大きな出費に。筆者の場合、運び出しが難しい大型品(冷蔵庫、事務机、金庫、タイヤ)だけを、交渉して2万円で引き取ってもらいました。こうした会社は実家の片付けにも慣れているので、対応も良くスピーディーに完了。ちなみに、小物の片付けなども相談可能です。
【★メリット】1日ですべて処分できる
【▼デメリット】予算がかかる
安くて良心的な「整理回収会社」の選び方
安くて良心的な「整理回収会社」を選ぶポイントは、全国展開する会社で各自治体の「一般廃棄物収集運搬業許可」を取得していること。見積もり時は3社ほどに相談して比較すること。ゴミのサイズ感・量がわかる全体写真をメールで送信してやりとりすれば、交渉の記録になり、何かトラブルがあった際に使えます。お願いしたい会社が決まったら、会社の住所を検索して「外観イメージ」「口コミ」「制服着用」などもチェックしておくと安心です。
【ゴミの処分方法6】「残置物OK」で不動産を売却
不動産自体を売却をする場合、「不動産売却の査定」の段階から「残置ゴミ(残して良いゴミ)」の交渉ができます。木造住宅の場合は、「木製家具」「鉄モノ」は、解体と同時に壊せるので受け付けてもらいやすい種類です。競合会社が多いほど、特典も増えます。
【★メリット】手間が省ける
【▼デメリット】残置NGのモノもある
【ゴミの処分方法7】家電は購入店へ持ち込む
家電リサイクル法の対象である、洗濯機、エアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫、冷凍庫、衣類乾燥機は、購入した店舗に持ち込むことが可能です。ただし、購入日からかなりの年数を経過している場合は困難。買った店舗がなくなっていたり、または、引き取りを拒否されるケースもあります。
【★メリット】手間がかからない
【▼デメリット】店舗によって対応が異なる
【ゴミの処分方法8】ジモティやリサイクルショップで売る
状態の良い家具、家電(5年以内)なら、ジモティやリサイクルショップで買取してもらえます。
【★メリット】利益が出る
【▼デメリット】人との交渉が苦手な方はNG
【ゴミの処分方法9】不要品買取業へ依頼する
「軽トラ積み放題9,000円〜買い取ります」といったサービスです。これは、状態の良い再利用できる家具と家電に限られ、搬出代がかかりますが、力仕事をすべて任せることができます。
【★メリット】1日で処分でき、運び出し不要
【▼デメリット】見積もりなどのやりとりが必要
【ゴミの処分方法10】引き取りサービスがある店で買い換える
大型家具、家電類に多いサービスです。衣装ケースなども対応する店舗があるので、「買い替え」を検討するのも手段の一つ。
【★メリット】搬出サービスもあるのでお得
【▼デメリット】店舗や商品によっては、処分費がかかる
実家の片付けに必要な基本道具
粗大ゴミの処分法がわかったら、片付け作業の開始です!
自治体が指定する「可燃ゴミ」と「不燃ゴミ」の袋を広げながら、「処分」と「残す」の種類分けをします。重たいモノ、壊れたモノも多いので軍手は必須。ゴミの種類によっては、可燃と不燃が混ざっているモノがあります。「分別用の段ボール」を用意しておけば、後でいっぺんに作業できます。このとき、工具類(カッター、ドライバー、ペンチ)があると役立ちます。
同じ種類のモノをひたすら集める
残す小物は、ひたすら「種類分け」を繰り返し、一カ所にまとめます。紙モノ、布モノは「結束紐」や「結束ラップ」を使ってコンパクトに。
実家の片付けは処分費の値上げで困らないうちに!
「生前処分」はデリケートな問題です。筆者の場合、何度も親から「自分が死んでから捨てろ」と怒鳴られました。ただ、処分費、維持費、修繕費が値上がりしている事情もあり、なるべく早く手を付けたほうが◎。実際にモノを処分したことで、親の「住み替えの決心」を後押しできたと思います。
粗大ゴミは出し方さえわかれば、意外と楽な作業です。次回は、片付けのプロでも「捨てるのが大変だったモノ」をご紹介します!