【婚活女子3人座談会】「どうしてこんなに絶望を抱えないといけないの?」婚活界隈の“特殊さ”とは?
2月4日の『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)で「婚活漂流記」が放送される。「婚活漂流記」は結婚相談所「マリーミー」で婚活を行う人々を追うシリーズで、2022年1月16日と23日に放送された際にはネット上で大反響を呼んだ。そのサブタイトルは「結婚したい彼女の場合 ~コロナ禍の婚活漂流記~」。主人公として登場した専業主婦希望の30歳女性、ミナミさんの言動は波紋を呼び、放送後も長らく話題を集めた。
今回の「婚活漂流記」に登場するのは、中高一貫の男子校出身で、女性との交際経験がない進藤さん(仮名・29)。建設会社役員でバツイチの内田さん(55)。そして、ゆかさん(仮名・28)の3人だという。この3人が結婚相談所を選んだ一方で、婚活の場として相談所を辞めていく人も少なくない。サイゾーウーマンでは、昨年に婚活中の女性3人による座談会を実施し、結婚相談所に関しても率直な意見を聞いていた。『ザ・ノンフィクション』の放送にあわせて、再び紹介したい。
※2023年10月21日公開の記事を再編集しています。
*****************
マッチングアプリが普及したこともあり、今や“婚活”は私たちの身近なトピックになっています。一方でネット上では、婚活が思ったように進まず悩み苦しんでいたり、婚活界隈ならではの“常識”に疑問を呈す人も多数見受けられるように。
そこで今回は、20~40代の婚活経験者女性3人に集まってもらい、結婚相手の条件や結婚相談所を辞めた理由、婚活だと人を好きになれないといった悩みまで、リアルな婚活事情を語ってもらいました。
●座談会のメンバー
・白戸ミフルさん:会社員兼マンガ家。白戸さんによる婚活漫画をサイゾーウーマンで連載中!
・セトセイラさん:フリーランスでライター業などをしながら、YouTuberとしても活動中。
YouTubeチャンネル:【セトセイラチャンネル】
・ももりんごさん:会社員として働きながら、婚活や恋愛についてYouTubeで発信している。
YouTubeチャンネル:【独り身OLのももりんご】
――まずは、自己紹介と婚活歴、経験したことのある婚活の種類(マッチングアプリや結婚相談所など)を教えてください。
白戸ミフル(以下、白戸) 会社員兼マンガ家の45歳です。世代もあると思いますが、多くの合コンに参加してきました。ガチで婚活を始めたのは30代後半で、それからはマッチングアプリや結婚相談所、コロナ禍ではオンラインの婚活パーティーや合コンもやってましたね。
セトセイラ(以下、セト) 年齢は33歳で、フリーランスでライターなどの仕事をしています。婚活は2年前くらい前に始めて結婚相談所に入っていたのですが、自分には合わないと思い今は辞めています。マッチングアプリなどもやったことがあります。
ももりんご 今年30歳になる、一般OLです。婚活は昨年秋からライトな感じで始めて、マッチングアプリ、街コン、婚活パーティー、合コンが主です。
――皆さん、現在の婚活の状況はいかがでしょうか?
白戸 今月から再び結婚相談所に入会しました。前回入ったのは3年前だったんですけど、1年間くらい入っていたものの、タイプな男性がいなくて8カ月くらい休会して、お見合いをしたのは1人だけで……。ただ去年、会社の同僚が結婚相談所に入って3カ月で結婚したという話を聞いて、再チャレンジしてみることにしました。アプリも続けていて、毎週誰かしらと会っている状況です。あと実は、セトさんがYouTubeで公開されている結婚相談所の種類を説明する動画も参考にさせてもらいました!
セト ありがとうございます! さっき言ったように私は結婚相談所を辞めてしまったんですけど、合わないなと思った理由はいくつかあります。ひとつは、私は頑張り過ぎてしまう性格なので、相談所に言われたことを優等生のように頑張ろうとしてしまって……。自分らしさをどんどん失って、まるで仕事をしているような感覚でした。
また、不満に感じたことを相談所に相談した際、誠意ある対応をしてもらえなかった点も大きかったです。というのも、一時期、お見合いをした人に3人連続で「先月まで同棲していた彼女がいた」と打ち明けられたんです。相談所は支払うお金も安くはありませんし、本気で結婚相手を探している人が入会するところだと思っていたので、「つい最近まで同棲していた人がなぜ結婚相談所にいるの?」と理解できませんでした。
なので、3人目の方に思い切って「切り替えが早くてすごいですね」と突っ込んでみたところ、「実は無料で相談所に入っている」と言われたんです。それならアプリ感覚でライトに婚活してる人が混ざっていても仕方がないと納得したのですが、ここまでお金をかけて活動するメリットがわからなくなってしまって……。さらに、それを相談所に問い合わせてみたところ、誠意ある回答はもらえませんでした。
そのような経緯で相談所は退会し、今は婚活を休んでまではいませんが、人の集まるところに積極的に顔を出す程度で活動しています。
ももりんご 男性を無料にしている相談所もあるんですね。私は相談所に入ったことはなく、マッチングアプリを1年くらい続けて15人くらいとデートしてきました。ずっといい出会いはなかったんですけど、先日やっとフィーリングが合う方とマッチングし、付き合ってみることにしました。
白戸・セト おめでとうございます!
ももりんご でも、まだ付き合いたてなので、今後どうなるのかなぁっていう不安もありつつです。
婚活で結婚相手に譲れない条件は全身脱毛!?
――婚活の際、相手に求める「これだけは譲れない条件はありますか?
白戸 ニートの男性と付き合った経験もあるのですが、今は、仕事はちゃんとしていて優しい人だったらと思っています。あと、これは厄介な条件なのですが、美意識が高い人が好みなので、それはクリアしていてほしい。できれば、全身脱毛もしていてほしい。これについては初デートで必ず聞いています。
ももりんご それはVラインとかもですか!?
白戸 はい、VIOも全部(笑)。少数派ですが、最近は40代でも全身脱毛している男性はいますよ。
ももりんご そうなんですね。私は仕事をしていることと、YouTubeだったり私の趣味についてごちゃごちゃ言ってこない人がいいです。自分は自分、相手は相手と考えてくれる方だとうれしい。
セト 私もYouTubeをやっているので共感します。結婚相談所で出会った人の中には、YouTubeをやっていることに寛大でない人も多くいて。お見合いをした人が私のYouTube動画のコメント欄に「顔出しでYouTubeをやっているなんて、僕は騙されました」みたいな内容を書き込んできたこともありました。そうした活動も理解して、制限してこない人がいいですね。
自己開示してはいけない? 婚活界隈ならではの“常識”
――ネット掲示板やSNSの婚活アカウントなどを見ていると、単純にいい人に出会えないという理由だけでなく、婚活界隈ならではの“常識”についていけず、婚活疲れをしている女性も少なくありません。みなさんも、同じように感じたことはありますか?
セト ありますよ。婚活界隈では、お相手と好きな食べ物の話になっても、寿司や肉とは答えないほうがいいって言われてるんです。なぜなら、金がかかりそうな女だと思われるから。あまり自己開示せず、お互いに「結婚できる」と思えるくらいの距離感になってからそういうことを言わないと、相手から引かれてしまうようです。
婚活は「この人はナシ」とジャッジされるスピードがとにかく速い。深い部分を見せ合わないのであれば、年収や年齢、容姿などの条件でしか相手を判断しなくなりますよね。一方で、これまでの人生では、相手の意外性なども発見してから好きになることが多かったので……。私は自己開示できない人とは信頼関係が結べないと思う派なので、そこがいまだに消化できずにいます。
白戸 わかります。私は海外旅行が趣味で、コロナ禍3年間は制限されていたこともあり、今年はほぼ毎月どこかの国に行ってるんですけど、その話をお見合い相手にするとみんな引くんですよ! 「この人、すごくお金を使いそうだな」とか思われてるんでしょうけど。でも取り繕うのもイヤなのでけっこう本音トークをしちゃっています。
――ももりんごさんは婚活中に驚いた経験などはありますか?
ももりんご これは気まずかったエピソードなんですけど、マッチングアプリの中には普通に生活していると出会えないような、スポーツ選手やインフルエンサー、会社経営者のような職業の人もいるじゃないですか。それで一度、見ていた恋愛リアリティショーに出演していた男性とマッチングしたことがあって。気まずいと思ってデートは行きませんでしたが(笑)。
白戸 マッチングアプリでいうと、アプリはネットワークビジネスの勧誘目的の人が混ざっていたりもするので、皆さんある程度の警戒心は持ってやっていると思うんですけど……勧誘する側に間違えられたことがあります(笑)。私は美容関係の会社に勤めていることもあり、人の肌をキレイにしたい気持ちが強いんです。だから、肌が荒れている男性とデートしたときに、「こういうケアをやってみない?」「うちの会社でもメンズ用の商品を出してるよ」とアドバイスしていたら、いきなり「そんなの買う気ねぇよ!」と怒られ、ネズミ講だと勘違いされてしまいました。
婚活界隈の特殊さとは
セト 婚活界隈ってかなり特殊ですよね。未来に向けてポジティブに活動していたはずなのに、途中から「どうしてこんなに絶望を抱えないといけないのだろう」という気持ちになっていって……。恋愛したり人を好きになるのって、こんなに難しかったっけ?
ももりんご わかります、婚活の中で人を好きになるのって難しいですよね。
セト 結婚を意識した瞬間、急に「こんなに難しかったっけ?」と感じ、正直戸惑っています。
白戸 そうですよね。私が最後にガチで恋愛したのは、40~41歳のときに仕事を辞めて7カ月海外を放浪する海外婚活で出会った、ニートの彼氏でした。恋愛を諦められないのが、私が結婚できない要因のひとつなんじゃないかなと思っていて……。恋愛ってしようと思ってできるものじゃなくて落ちるものだから、むしろ婚活自体が恋愛をできなくさせている気さえしてしまいます。
セト 以前、メンタルクリニックにある婚活外来に行った際、結婚相談所は「近道のようで遠回り」という話をされてすごく納得しました。今は、無理に婚活の場に赴いて相手の顔色をうかがったり怯えたりするより、社会人サークルや新しい職場など、自分が自分らしくいられる場所を増やしていくほうが結婚に近づくのではないかと思っています。
ももりんご 私も社会人サークルに通っていますが、男性も女性も、既婚・未婚含めいろいろな人がいるので、自然な出会いにつながる気がします。
白戸 社会人サークルは私も興味があるので、後でネット検索してみますね!
●座談会のメンバー
・白戸ミフルさん:会社員兼マンガ家。白戸さんによる婚活漫画をサイゾーウーマンで連載中!
・セトセイラさん:フリーランスでライター業などをしながら、YouTuberとしても活動中。
YouTubeチャンネル:【セトセイラチャンネル】
・ももりんごさん:会社員として働きながら、婚活や恋愛についてYouTubeで発信している。
YouTubeチャンネル:【独り身OLのももりんご】