スタバやドトールでヤクザの射殺事件! 逃走中の“レジェンド”ヒットマン2人とは?
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
ヤクザの発砲事件がスタバやドトールで起こる時代
1月14日午後、愛媛県四国中央市内のスターバックスで射殺事件がありました。加害者、被害者ともヤクザ関係者であることがわかっています。去年の5月には東京・町田市内のドトールでも同様の事件があり、ネットには「なんでドトールの次はスタバ?」みたいな声も出てましたね。
昔はヤクザの事件といえばシティホテルの入り口とか喫茶室のイメージでしたから、時代も変わったなあと思います。
変わったといえば、昔なら加害者は道具(拳銃)を持ってすぐに出頭してましたね。真偽はともかく「銃口からまだ煙が出ている銃を持っていった」とかいわれるくらいです。でも、最近では逃亡する例が目立ちます。
今回のスタバの事件も、この原稿を書いている1月24日の時点でまだ逃亡中です。報道によりますと、加害者は実家が裕福だそうで、資金力があるといわれる池田組関係者ですから、逃走資金には困らないのかもしれません。
逃げてていちばん困るのはお金ですからね。たとえば健康保険証を使えば足がつくので、医療は全額負担です。おちおち病院にも行けません。また、死刑の対象になる殺人や強盗殺人は2010年から時効がなくなっていますから、昔みたいに「時効まで逃げればOK」はないです。「終わりのない兇状旅(犯罪者が追っ手から逃げる旅)」が続くことになります。
もはや「レジェンド」になったヒットマン
逃走中のヒットマンで思い出すのは、やはり絆會(旧・任侠山口組)の金澤成樹若頭(稼業名)ですね。
絆會トップの織田絆誠会長の腹心といわれ、30年以上も仕えているそうです。金澤若頭は、2020年9月に六代目山口組系組織へ移籍した若い衆を撃って逃走中なんですが、「逃走中にいろんな事件を起こしている」説があるんです。
若頭は、2022年1月の茨城・水戸市内の六代目山口組系幹部射殺事件と、2023年4月に神戸市内で起こったラーメン店主人である六代目山口組系組長の射殺事件に関与したといわれてます。理由は監視カメラ映像と似てるとか、そんな話なんですが、事実ならすごいですよね。
でもキッチリ仕事して(=組織の命令通りに人を殺して)「ご苦労だった」「ズドン」と口封じで殺されちゃうより、いい展開ですよね。
もう一人、逃走中のヒットマンで有名なのは、17年9月に織田会長を狙ってボディガードを射殺した山健組傘下のヒットマン氏ですね。もう7年も前の事件になりますが、まだ行方はわかりません。
この事件では、移動中だった織田会長のクルマにわざとぶつけてきたヒットマン氏に対して、会長のボディガードが「(会長でなく俺を)撃ってみんかい!」と叫んで本当に撃たれて亡くなっています。ヤクザ社会では「子分の鑑」と絶賛されて、葬儀にはたくさんの弔問客が集まっていることも報道されています。
18年前の事件で逮捕
死刑事件には時効がない、ということは大昔の事件でも立件できるということです。最近では工藤會のトップが1998年の事件で2014年に逮捕されましたが、判決が確定していた事件の裁判だったので、メディアからの批判もありました。
1月20日には、なんと18年前の事件で浪川会傘下の関係者7人が逮捕されました。06年7月、対立していた道仁会傘下の関係者3人の乗っている車に向けて、2人がバイクで追い越しざまに発砲したそうです。
弾丸は車体に当たっただけで死傷者は出てませんが、殺人未遂と銃刀法違反です。ヒットマンは2人で、ほか2の5人の「役割」はこれから調べるそうです。指示役とか、そういうことですよね。
想定内といえば想定内ではありますが、工藤會トップの裁判では、「大昔の事件を蒸し返してもいいんだ」「推認だけで死刑を求刑していいんだ」「推認だけで死刑判決を出していいんだ」と、どんどん前例ができてしまいました。
ますますヤクザにとって不都合な時代になってきていますが、警察は「トクリュウ」(匿名・流動型犯罪グループ)や半グレより、やっぱりヤクザのほうが扱いやすいから、わざわざ昔の事件を出してくるのかな、とか思ってみたりしてます。