アニメは『鬼滅』『ONE PIECE』が大当たり! 「ジャンプ」原作の実写映画、最大のヒット作は?
2024年がスタートし、さっそく今週末から新作映画が続々と封切られる。昨年末にはアニメーション映画『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』(12月22日公開)が初日3日間の興行収入12億2400万円(興行通信社調べ、以下同)をあげ、同年に公開された邦画の中で初動3位に躍り出た。年末年始休み中も動員を伸ばし、大ヒットしているという。
同作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)のウェブサイト「少年ジャンプ+」で漫画家・遠藤達哉氏が連載している『SPY×FAMILY』を原作とした大ヒットテレビアニメの劇場版。凄腕スパイの父・ロイド(声優:江口拓也)、殺し屋の母・ヨル(声優:早見沙織)、超能力者の娘・アーニャ(声優:種崎敦美)、未来予知犬・ボンド(声優:松田健一郎)の“偽装家族”フォージャー家が、初の家族旅行へ行くことから物語が展開していく。
近年、「ジャンプ」系列の原作をアニメ映画化した作品が次々に大ヒット。国内で上映された歴代映画の興収ランキングで1位を誇るのも、吾峠呼世晴氏の『鬼滅の刃』を原作とした『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20年10月16日公開)で、最終興収404.3億円だった。
そのほか、22年8月6日に公開されて最終興収203.3億円をあげた『ONE PIECE FILM RED』(原作は尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』)が歴代6位、同年12月3日公開で最終興収157.3億円の『THE FIRST SLAM DUNK』(原作は井上雄彦氏の『SLAM DUNK』)が13位、21年12月24日公開で最終興収138.0億円の『劇場版 呪術廻戦 0』(原作は芥見下々氏の『呪術廻戦』)が19位にランクインしている。
実写映画で最もヒットした「ジャンプ」作品は?
一方、「ジャンプ」系列の原作を“実写”映画化した作品もこれまで多数公開されている。アニメ映画に比べるとインパクトに劣るが、09年5月30日公開の『ROOKIES-卒業-』(原作は森田まさのり氏の『ROOKIES』で、かつて「ジャンプ」で連載)は、最終興収85.5億円で歴代73位。「ジャンプ」実写映画化作品でトップの成績を収めている。
なお、昨年は、『聖闘士星矢 The Beginning』(4月28日公開)、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(5月26日公開)、『キングダム 運命の炎』(7月28日公開)が公開された。
原泰久氏が「週刊ヤングジャンプ」で連載している『キングダム』の実写映画シリーズは、俳優・山崎賢人が主演を務め、『運命の炎』で3作目。全国376スクリーンで上映を開始した初週末に興収10億5100万円をあげ、映画ランキングでは4週連続1位を獲得。今年7月にはシリーズ4作目となる『大将軍の帰還』の公開も控えている。
一方、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は荒木飛呂彦氏が09年に「ウルトラジャンプ」で発表した同題原作の実写版で、主演は高橋一生。全国272スクリーンという中規模での公開ながらも初動3億1500万円、映画ランキング3位での発進となった。なお、同映画はネット上でも人気が高かったドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)のキャスト・スタッフが続投していたこともあり、原作ファンのみならず映画ファンからも注目されていた模様。
『聖闘士星矢 The Beginning』は不発、ひっそり終映
「そんな中、昨年“不発”だったのは『聖闘士星矢 The Beginning』。かつて車田正美氏が『ジャンプ』で連載していた名作『聖闘士星矢』を原作とした本作は、新田真剣佑のハリウッド初主演映画ということもあり期待がかかっていたはず。上映館数も323スクリーンと大規模ロードショーされましたが、映画ランキング初登場8位で、翌週にはトップ10圏外へ。ほとんど話題にもならず、ひっそり終映しました」(同)
今年は、1月19日から実写映画『ゴールデンカムイ』が公開。原作は野田サトル氏が「ヤングジャンプ」で連載していた同題作品で、主演は『キングダム』シリーズと同じく山崎が務め、体重を10キロ増やす、徹底的な役作りで挑む。
さらに翌月の2月16日には、アニメ映画『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(原作は古舘春一氏の『ハイキュー!!』で、かつて「ジャンプ」で連載)も上映を開始。「ジャンプ」系列作品は今年もアニメ映画が強いのか、それとも実写映画が盛り上がりを見せるか、目が離せない。