2024年3月に打ち切り決定! 『世界一受けたい授業』『冒険少年』が続かなかった理由
2024年3月末で『世界一受けたい授業』『1億3000万人のSHOWチャンネル』(ともに日本テレビ系)、『アイ・アム・冒険少年』(TBS系)がいずれも終了することがわかった。一体どんな理由が考えられるのだろうか。
04年10月スタートの『世界一受けたい授業』は、10年4月24日と14年7月5日放送分で、番組史上最高となる世帯視聴率19.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録するなど、日テレの大人気番組として広く知られている。
「しかし最近は低空飛行が続いており、何回かプチリニューアルを繰り返していましたが、ついに力尽きたようです。原因はスター講師の不在。毎回さまざまなジャンルのプロから“使える学問”を学ぶ教養バラエティですが、“アハ体験”で一世を風靡した脳科学者・茂木健一郎氏、作曲家・青島広志氏のような、影響力があってキャラ立ちもしている講師が出てこなくなったのが痛かった」(テレビ業界関係者)
同番組は、12年までは日テレの番組対抗特番のパッケージになっていた。また11年度まで7年連続で日本PTA全国協議会主催の「親が子どもに見せたい番組」1位にも選ばれていたが……。
「確かに同番組は、日テレのバラエティの中でも“良心的”なソフト。ステーションイメージを良くするためにも、必要な番組だったわけです。だからこそ、視聴率が落ちても何とか続けていたわけですが、日テレが目標として掲げるゴールデン番組の個人視聴率6%を大きく下回ってしまっていた。それで打ち切りが決定したのでしょう」(同)
『SHOWチャンネル』打ち切りの理由はズバリ「企画力の欠如」
同じく日テレで打ち切られるのが、『世界一受けたい授業』の後の枠で21年1月から放送されてきた『SHOWチャンネル』。20年も続いた『世界一受けたい授業』とは大きく異なり、こちらはわずか約3年での幕引きとなった。
「『SHOWチャンネル』は当初から迷走していました。最初は視聴者が“やってみたい”“見てみたい”企画を募り、それを実行するというYouTube的なノリの強い番組でしたが、1年半後に“ご当地ニュースバラエティ”に衣替え。スタート時の番組内容にしても、リニューアル後の企画にしても、どんな勝算があったのかはまったくわかりません。つまり打ち切りの理由はズバリ、ひとえに企画力の欠如。これ以上続けても“伸びしろ”がないと局上層部に判断されたのでしょう」(同)
途中、人気アナ・羽鳥慎一が進行役となって進めるトーク番組的な企画や、嵐・櫻井翔がピザ窯を乗せた軽トラックを使って全国を巡る旅ロケもあったが自然消滅している。
同枠ではかつて『嵐にしやがれ』が放送されていた。嵐の活動休止に伴い、後継番組として始まった『SHOWチャンネル』だが、残念ながらグループの活動再開まで“城”を守れるのか、厳しくなってきた。
『アイ・アム・冒険少年』、「脱出島」のやらせ疑惑から迷走
一方、14年4月から断続的に放送され、20年5月にレギュラー化を果たしたTBSの『アイ・アム・冒険少年』はどうだろうか?
「終了の背景に低視聴率、そしてTVerの見逃し配信の回らなさを挙げる報道もありましたが、それをいうのであれば同局の『再現できたら100万円! THE 神業チャレンジ』(以下、『神業』)『世界くらべてみたら』も同じです。いずれも視聴率は芳しくないし、『神業』のお気に入り登録数は3.9万(2023年12月29日時点、以下同)、『世界くらべてみたら』も9.7万に留まっている。それに比べて『アイ・アム・冒険少年』は25.3万。TVerの再生回数も2番組に比べたら多いでしょうし、数字的に見ると打ち切り要素はありません」(同)
終了以降はスペシャル番組として不定期放送されるという『アイ・アム・冒険少年』だが……。
「22年1月、ニュースサイト『文春オンライン』の報道で看板企画の『脱出島』にやらせ疑惑が持ち上がり、レギュラー企画として難しくなったあたりから迷走が始まった。以降、それに代わる企画も多く立ち上がりましたが、なかなか定着していない。最近では駅弁作りをしているくらいですから、スタッフの中でも諦めムードが広がっていたのでは」(同)
慢性的なソフト不足で打ち切られる番組も以前より減っている中にあって、あえて打ち切りを決断した日テレとTBS。穴を埋める番組の船出もなかなか厳しそうだが、期待して見守っていきたい。