『あの花が咲く丘で~』若者にヒット、大コケ濃厚なアニメは? 映画興行成績ランキング【2023年12月15~17日】
12月15日に公開されたディズニーの長編アニメーション映画最新作『ウィッシュ』が、同18日発表の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、12月15~17日)で初登場1位に輝いた。
同映画はウォルト・ディズニー・カンパニーの創立100周年記念作品で、ヒロインはアーシャ(声優:アリアナ・デボーズ、日本語吹き替え版:元乃木坂46・生田絵梨花)。魔法の王国のお城で働く中、“ある秘密”を知ってしまったアーシャが、不思議な星の妖精・スターと出会い、みんなの願いのために奮闘するというストーリーだ。
全国384スクリーンでの大規模上映となり、初日から3日間の観客動員は43万4000人、興行収入は6億1200万円を記録。ディズニー長編アニメといえば、2014年3月に公開された『アナと雪の女王』が最終興収255.0億円をマークし、国内で上映された歴代映画の興収ランキング第4位に入っている。19年11月公開の『アナと雪の女王2』も最終興収133.7億円と大ヒットした(歴代26位)。
『アナと雪』シリーズと同じように、『ウィッシュ』も“ミュージカル色”の強い作品だが、鑑賞済みのネットユーザーからは「ミュージカルに力を入れていることはわかるけど、それ以外の魅力はない」「話がよくわからないままミュージカルが始まった」「歌と映像は良いけど物語の展開が意味不明」といった指摘も。
一方、アーシャの吹き替えに起用された生田や、今作のヴィラン(悪役)となるマグニフィコ王(声優:クリス・パイン)の吹き替えを務める福山雅治について、「ファンはとにかくその歌声を聞きに行け」「生田ちゃん上手だったし、福山さんのヴィランは優勝」などと歌唱力を絶賛する書き込みも見られる。
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』公開初週末より成績アップ
15~17日の全国週末興行成績第2位は、福原遥と水上恒司のダブル主演映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(12月8日公開)。小説家・汐見夏衛氏の同題作品(スターツ出版)の実写化で、現代の女子高生・加納百合(福原)が、1945年6月の日本にタイムスリップし、そこで出会った佐久間彰(水上)の誠実さや優しさに惹かれていくものの、彼は間もなく出撃する特攻隊員だった……というラブストーリー。
初登場の前週も順位は2位で、興収は3億2200万円からのスタートだったが、2週目となった今回は週末3日間で興収3億8600万円と成績を上げ、累計興収は9億9700万円に。もともと原作小説が、TikTok上で「泣ける」と話題を呼んでいたが、同映画を鑑賞したネットユーザーの間でもやはり同様の感想が目立つ。
ネット上で、「客席は学生っぽい子たちでいっぱいだった」といった書き込みがみられるように、同映画は特に若年層から支持されている様子。若い世代に、戦争の悲惨さを知ってもらうきっかけの映画として、長く評価されそうだ。
アニメ映画『屋根裏のラジャー』9位発進で“大コケ”の可能性
一方で今回、第9位に初登場したアニメ映画『屋根裏のラジャー』(12月15日公開)は先行き不安だ。少女・アマンダ(鈴木梨央)の想像が生み出した“イマジナリーフレンド”の少年・ラジャー(寺田心)が主人公の同作は、スタジオジブリ制作部の解散により生まれたスタジオポノックが制作している。
同社の長編アニメ映画1作目となった『メアリと魔女の花』(17年7月公開)は、最終興収32.9億円とスマッシュヒット。公開初週、全国365スクリーンで封切られ、映画ランキング2位を獲得していたが、最新作『屋根裏のラジャー』は全国357スクリーンとほぼ同規模で上映開始したにもかかわらず9位発進。このままでは大コケとなってしまう可能性が高い。
アニメ映画では現在『ウィッシュ』のほか、公開5週目で6位となった『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(11月17日公開)も人気が高く、12月23日から入場者特典第3弾の配布も開始すると発表されただけに、成績を上げそうな予感。来週発表のランキングトップ10に、『屋根裏のラジャー』は残っているだろうか。
全国映画動員ランキングトップ10(12月15~17日、興行通信社調べ)
1位:『ウィッシュ』
2位:『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
3位:『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
4位:『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』
5位:『ゴジラ-1.0』
6位:『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
7位:『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』
8位:『映画 窓ぎわのトットちゃん』
9位:『屋根裏のラジャー』
10位:『首』