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ブーメランが突き刺さったよ

オプラ・ウィンフリー、ダイエット成功は「糖尿病治療薬」? オゼンピック疑惑でお祭り騒ぎに

2023/12/14 13:43
堀川樹里(ライター)
自信満々にカメラに向かうオプラ(C)GettyImages

 12月11日放送の『クローズアップ現代(以下、クロ現)』(NHK)でも特集された「GLP -1ダイエット」は、海外セレブにも広く浸透している。「GLP-1」とは2型糖尿病の治療薬として使われているGLP -1 受容体作動薬のことだが、食欲がなくなる作用があるためダイエット目的で服用する人が急増。世界的な供給不足となり、病気の治療のために必要とする人も入手できないという深刻な問題が起きている。

 そうした背景を考慮して「GLP -1ダイエット」を公言するセレブは少ないが、短期間でげっそりと痩せるという特徴があるため黙っていてもバレバレ。万年ダイエッターとして多くのアメリカ人の共感を得ていたオプラ・ウィンフリーもその一人だと推測され、批判する声が上がっている。

 長年に渡りダイエットに苦しみ、痩せてはリバウンドするというヨーヨーダイエット(減量とリバウンドを繰り返すこと)から抜けられなかったオプラ。169cmの身長に対してピーク時の体重は107kg、25年間続いたテレビトーク番組でもたびたびダイエット特集を組み、つらい実体験を語り共感と好感度を得てきた。

 2021年にヘンリー王子とメーガン夫人への独占インタビューをした時も、少しふくよかだったが、今年5月はだいぶすっきりした体形となり、「食生活をリセットしたの」と得意げに語っていた。

 実はオプラ、15年から減量プログラム「ウェイト・ウォッチャーズ」の宣伝大使を務めている。かつてこのプログラムで18kgの減量に成功して、絶大なる信頼を寄せるようになり、運営するWWインターナショナル社の株を10%購入するほど肩入れしているのだ。そんなことから、ファンは今後も「食事制限とエクササイズで健康的に痩せていくのだろう」と注目していた。

 そんなオプラが、現地時間12月6日に開催された映画『カラーパープル』のプレミアに、紫のタイトドレスを着用して出席。これまでとは明らかに違う痩せ方をしており、ネット上が騒然とした。

 オプラが宣伝大使を務める「ウェイト・ウォッチャーズ」を運営するWWインターナショナル社は、今年3月、「月額99ドルで糖尿病治療薬『GLP -1』オゼンピックをダイエット薬として提供する」定額サービスを行う企業、シークエンスを1億ドル以上で買収。そのため、オプラはオゼンピックで痩せたと確信する人が続出し、お祭り騒ぎとなった。

 プレミア会場で、米『ET』のレポーターから、「ウェイト・ウォッチャーズで痩せたのなら、自分も加入するよ!」と言われたオプラは、「一つのことだけじゃない。たくさんのことをして痩せたのよ」「今日もトレッドミルでエクササイズして来たんだから」と回答したが、ネット上は、「いやいや、この痩せ方はオゼンピック一択でしょ」と炎上。それを受けてか、オゼンピックや類似薬の服用をオプラが認めたとも報じられている。

 ネット上には、「これからもっとガリガリになるんだろうね」「オプラは王道のダイエットをすると信じてたのに」「やっぱりお金がある人はオゼンピックに手を出すんだろうね」という意見が飛び交っており、オプラはつい先日「薬でダイエット中の人も、隠さず公にすべきよ」「オゼンピックは楽すぎてよくないけどね」と発言していたことから、「自分は隠すんだ……」と裏切られたと感じるファンの書き込みが多く見られた。

シャロン・オズボーンは 食欲がなくなり19kgも減量

 アメリカでは昨年から、たくさんのセレブが「オゼンピックで痩せたのではないか」とうわさされるようになっている。今年3月に開催されたアカデミー賞で、司会者のジミー・キンメルが「この会場を見渡すと考えさせられるよね。自分には果たしてオゼンピックが合うのかなって」と発言したが、それだけハリウッドでの消費量は多いのだ。

 メーガン夫人も典型的な“オゼンピック痩せ”だとうわさされている。キムやクロエ・カーダシアン、カイリー・ジェンナーもオゼンピックに手を出したと邪推され、最近ではクリスティーナ・アギレラがオゼンピック疑惑をかけられている。

 短期間で痩せられる夢のような「GLP-1ダイエット」だが、副作用もあると警鐘を鳴らすセレブもいる。オプラのように万年ダイエッターとして知られていたシャロン・オズボーンは、オゼンピックに手を出したことを認めたセレブだが、「毎日とにかく気持ち悪くて」と告白。

 食欲がなくなり19kgも体重が減り、身長157cmで45kgを切ってしまったと明かし、「健康のために体重を増やそうとしているのだが、増えない」「体が言うことを聞いてくれなくなってしまった」とため息をつき、「10代の子たちには処方すべきではないわ。あまりにも簡単に痩せてしまうから」「楽してみるみるうちに痩せられるから、この薬に依存してしまうようになる。すごく危険だわ」と警告した。

 ぽっちゃり体形で知られ脂肪吸引も受けたことがあるコメディエンヌのエイミー・シューマーも、ダイエット目的でオゼンピックを使用したことを告白。「ものすごく痩せたけど、同時にものすごく具合が悪くなった」「息子とも遊べなくなるほど気持ち悪くて」と明かした。そして、「使っていないって嘘つくセレブが多すぎる」「正直に言えばいいのに」と批判した。

イーロン・マスクが副作用認めるもネットは「お金があったら使いたい」

ップが臭くなる副作用を明かしたイーロン(C)GettyImages

 イーロン・マスクも、13kg痩せた昨年、スリムになった秘訣を聞かれて、「ファスティングとオゼンピックとウゴービ(GLP-1受容体作動薬)、あとおいしくない料理」と回答。オゼンピックに関して、「気持ち悪くなって、ゲップは腐った卵の味がするって聞いたけど」と言われると、「あぁ、レベルが違うって感じの(ゲップがでるね)」と副作用があることを認めていた。

 『クロ現』でもオゼンピックを使っていた女性が、急性膵炎になり手術を受けたことを紹介。低血糖や急性膵炎などの副作用リスクもあるのに、電話で簡単に処方したりフォローや再診せずに処方し続ける医師が多いので危険なことや、ダイエット目的で使う人が急増しており世界的な供給不足が起きていることを報じていた。

 ネット上では、「一番必要な糖尿病患者に回らなくなるのは最悪すぎる。モラルが低いセレブが多すぎるってことだよね」と批判する声も多く上がっているが、「お金があったらオゼンピックを使いたい」という人も多い。「副作用だけでなく、シャロンのように後遺症に悩む人が増えてくるのでは」と不安視する声、「製薬会社が金儲けしたいからダイエット薬としてはやらせたのでは」と疑う人も。

 そんなタイミングで、シーアは「服用しなきゃいけない薬のせいで体重が増えたから、脂肪吸引します」とXで宣言。脂肪吸引もリスクがある施術だが、セレブのオゼンピック痩せにうんざりしているネット上では、「『GLP-1ダイエット』よりかは安全だよね」「宣言して偉いよね」という不思議な雰囲気になっている。

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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最終更新:2023/12/14 13:47
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